『あさあね』

作:月華

第1章「朝起きたら俺は……」

なんか息苦しいなあ……
それが、目が覚めた時に俺が最初に感じたことだった。
その原因はすぐに分かった。うつぶせになっているせいで、顔に枕カバーが当たっていて、鼻と口が塞がれているからだった。
それにしても、いつもは仰向けに寝ているのに、起きたらうつぶせになっているなんて、ずいぶんと寝相が悪いものだな、なんてことを思いながら、俺は体を起こした。
起きたばかりのせいか、両腕で体を持ち上げるのに、ずいぶんと力が要った。そして布団から体が離れると同時に、俺の胸元に何かが、ぶら下がっているような感じがした。
(何だ?)
胸元を見ようとして視界に入ってきた、俺の体を包んでいるパジャマは、どこかで見たような、しかし俺のものではない柄だった。
そして半開きになったパジャマの胸元には、左右に二つ、白くて丸いものがあり、谷間を作っているのが見えた。
10秒ほど考えて、それが何なのか分かった。
そうだ、胸の谷間だ。
まだ寝ぼけているのか、と思いながら体を立たせると、胸に貼り付いているものの重みが、体の動きに合わせて正面から下へと移動するのが感じられた。
体を起こして、ぼんやりと目の前を見て、俺は気づいた。今、俺が居るのは、俺の部屋ではなく、女子大生の沙織姉さんの部屋だということに。
(なんで、姉さんの部屋なんかで寝ていたんだろう……?)
考えをまとめようと頭をかこうとすると、指先にはいつもと違った、さらさらとした感触が伝わってきた。
髪の毛のまとわりつく指先を目の前に持ってくると、俺の黒い髪色とは違う、色の抜けた長い茶髪の毛が目に入った。

姉さんの部屋。
長い髪の毛。
胸元の谷間。

これらのことから、寝ぼけたままの俺は、一つの結論にたどり着いた。
(ひょっとして、姉さんの体になっているのか!?)
起きあがった俺は、壁に据え付けられている姿見の前へと立った。
鏡に映っているのは、紛れもなく俺の姉さんだった。
鏡の中の、見慣れたパジャマに包まれて呆然とした顔の姉さんが、俺の方をまじまじと見つめている。
俺が顔を鏡へと近づけると、鏡の中の姉さんの顔も、俺の方へと顔を近づけてきた。
それから俺が右手を持ち上げて鏡を触ると、左手を持ち上げた姉さんの手のひらと、ぺたりとくっつくと同時に、鏡の冷たい感触が俺の手のひらに伝わってきた。
(やっぱり、俺なのか……)
俺が両手を顔に当てると、にきびの跡が残る脂ぎった肌とは違う、しっとりとしたきめの細かい肌触りが伝わってくるのと同時に、鏡の中の姉さんも俺と同じ格好をしたのが見て取れた。
顔を前へと乗り出して、じっと鏡を見つめるうちに、胸元がはだけたパジャマの中から、胸の谷間が見えているのに気づいた。
(姉さんって、たしかFカップだもんなあ……)
姉さんの後に風呂に入った時に、洗濯物籠に入っていた下着で、そのカップを知っていた俺だったが、さすがに実の姉だけあって、その胸をまじまじと見ることは無かった。
でも……女性の胸には興味があった。
俺は姉さんの部屋を見渡して、自分以外に誰もいないことを確認してから、パジャマのボタンを上から外していった。
4つ目のボタンを外したところで、パジャマが左右へと開き、大きな膨らみとその先端にある乳首が鏡へと映されたのだった。
それから俺は、視線を正面の鏡から下へと移し、姉さんの生乳を直に見つめたのだった。
女の人の裸は、AVとかグラビア写真で何度も見たことはあるけれど、その胸――しかも姉さんの胸を見下ろすなんてのは初めてのことだった。
手元と言って良いぐらい近くにある胸は、服越しに見る時以上に大きく見えた。
しかも、大きさだけでなく、その先端には乳首まではっきりと見えるのだ。
俺はパジャマのボタンを一気に全て外してパジャマを脱いでから、自由になった両手を胸の膨らみへと乗せた。
手のひら全体に、柔らかくてなま暖かい感触が伝わってくる。
女の人の胸を触るなんて、物心が付いてからは、初めてのことだった。手のひらにしっとりと張り付いてくるような柔らかい感触に、俺は感動を覚えた。
そして……それと同時に俺の胸元には、男の時には感じることの無いような場所が触られている感触が伝わってくるのだった。
俺の頭には、まるっきり違う二つのことが同時に伝わってきていた。
一つはいつもオナニーをする度に想像していた、女の人の胸を触る感触を、こうやって初めて体験していること。
そしてもう一つは、胸元の前辺り――男の体だったら感覚なんて感じるはずのない場所がくすぐられるのを体験していること。
ずっと体験したいと思っていたことと、まさか体験するなんて思ってもいなかったことを、俺は同時に体験しているのだ。
男の本能のままに胸を揉んでいるうちに、俺は不思議な気分になってきていた。触られている胸から伝わってくる感覚が、単なるくすぐったさから、妙に気持ち良くなってきたのだった。
(これって、胸で感じるってやつなのか……?)
女の人が胸で感じるってのはAVとか漫画で見て知っていたけれど、まさかそれを実際に俺の体で感じるとは思っても見なかった。
俺の手の動きに合わせて、むにゅ、むにゅ、と乳房が動くたびに、そこからは妙な気持ち良さ――男のオナニーとはまるっきり違う気持ち良さが伝わってくるのだった。
男の時みたいに、擦られている部分が気持ち良いって言うんじゃなくて、触られているうちに、胸全体がじんわりと暖まっていくような、そんな気持ち良さだった。
男の本能のままに手で揉むのとは別に、男としての好奇心がむくむくとわき上がってきた。
……どんな風にすれば、もっと気持ち良くなれるんだろう。
そう考えてから俺は、手のひらに当たってくる乳首に気づいた。
(そうだ。女の人って、ここが感じるんだよな)
そう思いながら俺は、胸を揉んでいた手をすぼめて、人差し指と親指で左右の乳首をつまんでみた。
「あくぅっ」
突然聞こえた姉さんの声に、俺は姉さんが現れたのかと思った。
そして次の瞬間に、それは揉まれる胸からの感覚とはまるっきり違う、男のものを擦った時に近いようなストレートな気持ち良さから来る、思わず上げた俺の声だということに気づいた。
俺は再び、胸元の乳房に目をやった。
男のものに比べて大きな乳首は、まるで摘んでくれと主張しているかのようで、俺は興奮しながら再びその乳首を摘んだ。
「あはぁ……」
自然とため息が漏れるぐらいの快感だった。
ふと俺は、視線を胸元から鏡へとやった。
そこには、両方の乳首をしなやかな手で摘んでいる姉さんの姿があるのだった。
俺が指先を動かすと、鏡の中の姉さんの指先が動き、乳首をこりこりと弄(もてあそ)ぶ。じっと指先に視線を集中させると、俺の目の前にさらけ出されている姉さんの乳首を、俺が自由自在に触っているかのような気持ちになってきた。
そうしているうちに、股間の辺りが変な感じになってきた。
いつもだったら、股間のところが痛いぐらいに固くなるはずなのに、むしろ物足りない気持ちだった。
そこの部分が熱くなってきているのは同じなのだけれど、その場所がまるっきり違っていた。男だったら、勃起したちん○んの部分が敏感になるのだけれど、姉さんの体は、それとは正反対に、体の内側――股間の奥の方が熱くなっているのだった。
それも、血が集まって固くなる男のものとは違って、熱であぶられてそこの部分が柔らかくなっているような感じだった。
俺は、ズボンの上から、股間へと手を伸ばした。
男だったら股間からせり出すように勃起したちん○んに触れるはずなのに、それを飛び越して、両足の付け根にまで、手のひらが伸びた。
そして、指先が股間に触れた瞬間、
「あんっ!」
予想もしていなかった刺激に、俺は思わず声を上げてしまった。
同じ股間を触っているというのに、その感覚は、男とはまるっきり違っていたからだった。
男だったら、ちん○んが刺激されて、射精したい、精液を外へ出したいと思うのに、今の場合は、それとは正反対だった。
指先が股間に触れると同時に、体の奥へと、じんじんとした刺激が、中へと入り込んでくるのだった。
あまりの違いに戸惑いを覚えつつも、俺は指先の動きを続けた。パジャマのズボン越しに感じる姉さんの股間は柔らかく、そして熱かった。
パジャマと股間の合間にある、シルクのパンティが、熱くなった股間を磨き上げるように、擦っていく度に、股間へと意識が集中して、パンティの下で股間がどんな風になっているのだろうか、と思うようになってきた。
俺は、名残惜しげに股間から指先を離して、両手をパジャマの両脇へとやった。そして、親指をパジャマとパンティの中へと入れて、一気にズボンとパンティを下ろした。
むっちりとした太ももへと、パンティのゴムが食い込んでくるのと感じると同時に、目の前にある鏡には、パンティを脱がされて、隠すものが無くなった股間が、映し出された。
その光景に、俺は釘付けになった。
両足の根本に生える、男とは違った淡いヘア。そして、そのヘアは左右へと分かれて降りていき、その合間には、男にはない、肉襞で作られた割れ目が見える。
俺は、パジャマから手を離して、その割れ目へと指先を伸ばした。
何しろ、女の人の――それも姉さんのあそこを見るなんて、初めてのことだった。しかも今の俺は、それを触ろうとしているのだ。
ゆっくりゆっくりと、慎重に人差し指を近づけていって、割れ目の合間へと、指先を伸ばした。
「んっ!」
指先に、乳房とはまるっきり違った、張り付くような柔らかい肉の感触が伝わってくると同時に、股間からは、体の中へと、細い女の指先が入り込もうとしてくるかのような、これまでに無い感覚が伝わってきた。
俺は、二度、三度と、割れ目に沿って、指先を動かしてみた。すると、指先には、わずかに湿った、まとわりつくような手触りが伝わってきた。そして同時に、股間からは、まるで体全体がなぞられているかのような感覚が伝わってくるのだった。
その二つの感覚は、完全にシンクロしていた。
男としての好奇心から、沙織姉さんの割れ目へと指を這わせると同時に、股間からは、これまで感じたことのない、多分女の快感という奴が伝わってくるのだった。
指先の動きを早めて、上下への擦り付けを早めると、それに比例して、股間からの感覚も強まってきた。
そして指先を動かしているうちに、俺の人差し指は、割れ目の中へと入り込んでいったのだった。
人差し指の腹を覆うようにして、濡れて熱くなった割れ目の肉が、まとわりついてくるのが感じられる。
それと同時に、体の中心が左右へと広げられて、その中へと、細いしなやかな女性の指先が、わずかに入り込んでくるのが感じられる。
俺は、上下へと動かしていた指先の動きを止めて、今度はその指先を、割れ目の奥へと忍ばせていった。
「ひぃっ!」
細くしなやかなものが、体の中へと――それも熱く火照って敏感になった場所へと入ってくるという、これまでに感じたことのない感覚に、俺は思わず声を上げていた。
人差し指の周りへと、濡れた襞々がまとわりついてくるのが感じられる。
(これが、女の人の中なのか……)
指先に伝わってくる感覚は、想像以上にきめ細かく、そして、いやらしかった。
人差し指をゆっくりゆっくりと中へと進めながら、俺は思った。
この中に、ちん○んを入れたら、どんなに気持ち良いだろうか、と。
そんな男としての欲求を埋め合わせるように、股間からは、これまでに体験したことのない感覚が伝わってくるのだった。
体の中心が左右へと広げられ、そしてその中へと、何かが入ってくる感覚。
しかも驚いたことに、それは男の気持ち良さとはまるっきり違う気持ち良さが湧き起こるのだった。
もっと入れて欲しい。
指先が入って来るに従って、そんな気持ちはますます高まっていった。
そして、人差し指の第二関節が入った所で、俺は指先を折り曲げてみた。
「あんっ!」
体の中に入ってきたものが、体の中を掻き回すような感覚が伝わってくる。
入っているのは、人差し指一本だけのはずなのに、それはまるで、指人形が中に入っている指を動かされたかのように、俺の全身を揺さぶってくるかのようだった。
俺は姉さんの中を探るようにして指先を動かしていくと、その度に指先には柔らかい襞が絡まりついてきて、そして同時に、快感神経を直に触っているかのような、男とは比べものにならない――って言うか、まるっきり違った気持ち良さが伝わってくるのだった。
(もっと……欲しい)
そう思った俺は、人差し指に加えて、中指も、股間の中へと入れた。
入ってくる指の数が2本になったということで、さっきよりも二倍以上も太いものが、体の中へと入ってくるかのような感覚が湧き起こる。
濡れて熱くなった股間は、まるで自ら引き入れるように、指先を根本まで受け入れた。
そして俺は、中に入った二本の指先を、ゆっくりと広げてみたのだった。
「あうっん!」
入り口よりも、その奥の方が広げられる感覚。それはまるで、体の中で風船を膨らませられたかのようだった。
俺は二本の指先を広げたまま、手首を動かして、姉さんの中を掻き回した。
すると、指先には濡れた襞が生き物のように張り付いてきて、そして同時に、体の中の風船が破裂したかのような感覚が湧き起こる。
(女の体って……こんな風に感じるんだ……)
初めて体験する、女としての、姉さんとしての気持ち良さを感じながら、俺は未知の体験をもっともっと味わおうと、指先を動かし続けた。
「ああ……」
指を動かす度に、俺の興奮はますます高まっていく。
そして俺は、同時に二つのことを思い浮かべた。
この柔らかい女の中に、俺のちん○んを入れたいということを。
そして、もし入れられたら、どんな気持ちになるんだろうか、と。
そんなことを考えていると、
バーン
突然聞こえてきた音に、俺は首を捻って、音が聞こえてきた方を見た。
そこには、開かれたドアがあり、そしてその中心には――パジャマ姿の「俺」が立っていたのだった。
「あ、あ……」
思わず股間から引き抜いた二本の指先から、粘液が垂れ落ちていくのを感じながら、俺はその指先を、ドアの所に立っている「俺」に向けた。
「あなた、義貴ね」
ちょうど姉さんと同じぐらいの身長の「俺」が、そう言ってきた。
その声は、いつも俺が耳にしている自分の声と、どことなく違っていた。なんとなく澄んだような、すっきりとした声なのだ。
しかしながら、その姿形はまるっきり「俺」だった。
そして、その背筋をすっと伸ばしてすっくと立ち、自信ありげに言ってくる態度は、自分とは違った、しかし見慣れたものだった。
「もしかして……沙織姉さん?」
おずおずと、俺は「俺」に向かって尋ねた。
「そうよ。わたしは沙織よ。やっぱりあなた、義貴なのね」
言いつつ「俺」は、ずんずんと俺へと近づいてきて、俺のすぐ間近へと立った。
自分の顔をまじまじと見つめるのは、鏡で見るのとは違った感覚だった。当たり前の話だけど、俺が居るってことが、やけにリアルに感じられる。
「どうやら、わたしとあなたの心が入れ替わったみたいね」
俺のあごへと、男の指先が当てられる。そして、店先のメロンを品定めするかのように、あごに当てた指を左右へと動かして、俺の顔の角度を変えていくのだった。
「やっぱり、そうなのか?」
震えるような、沙織姉さんの声が、頭に響く。
それで俺は、「俺」の声がいつもと違う理由が分かった。口から出た声が頭に響かない分だけ、いつもの俺の声とは違っているのだ、と。
「それにしても、どうしてこんなことが……?」
「さあ、わたしにも分からないわ。別に階段から一緒に転げ落ちたなんてことも無かったしね」
姉さんは、テレビの再放送で見た、昔の映画を思い出してか、そんなことを言ってきた。
「それよりも、今のわたしは、こっちの方に興味があるのよね」
そう言って「俺」は、右手を股間へと伸ばし、朝立ちして勃起しているはずのちん○んを、パジャマの上からつまみ上げた。
「男の体ってどんな風に感じるのかって前から興味があったんだけれど、まさかこうやって実現するとはねぇ」
「え、男の体って……」
「男の体って言えば、ちん○んがどんな風に感じるかに決まっているじゃない」
姉さんらしい、なんの恥じらいもない言いように、俺の方が照れを感じてしまった。
「幸い、あなたも、わたしの体に興味津々みたいだし、さっそくいじっていたみたいだしね」
「え……」
そう言われると、俺は反論のしようがなかった。何しろ、胸ははだけて、パンツは下ろして、指先はまだ濡れていて、湯気と女の匂いが出ているのだ。
「義貴。わたしの体、気持良かった?」
俺のあごへと手を当てたまま、姉さんは「俺」の顔を、ずいっ、と近づけてきた。
見慣れているはずの俺の顔なのに、その迫力には、いつも姉さんから感じている圧倒感のようなものが感じられた。
そしてあごから指先が離れたと思うと、それは下へと向かって、さっきまで俺が二本の指を入れていた股間へと近づいてきた。
「あんっ」
女の指よりも一回り太い「俺」の指が、まだ敏感になっている割れ目をなぞり下ろした。
触り慣れているはずの「俺」の指だったが、女の敏感な場所を通じて触られると、それはまるで、木の肌のように、ごつごつとしたものに感じられた。
「すっかり準備が出来ているようね」
「え……? 準備って?」
「準備って言ったら、これを入れるための準備に決まっているじゃない」
言うなり姉さんは、上のパジャマは着たままに、ズボンとトランクスを同時に引き下ろした。
すね毛の生えた二本の足の付け根には、「俺」のちん○んが隆々と勃起して、上を向いているのが見て取れた。
見慣れているはずの俺のものなのに、いつもと見る角度が違っているせいか、一回りは大きなものに見えた。
それに、いつもは見ることのない亀頭の裏の付け根から裏筋が下へと通っていて、そしてキンタマへと繋がっているのが見て取れる。
それはまるで、修学旅行の時に、寝ている間に、勃起したちん○んを写メールされて、翌日になって見せつけられているような気分だった。
「わたしも起きた時に、ちょっと擦ってみたけれど、こういうのはやっぱり、本格的に楽しまないとね」
「楽しむって、姉さん……」
「楽しみましょう。セックスを」
「セックスって……」
ついさっき、指を入れていた時には、ここにちん○んを入れたらどうなるのだろうかと思っていたけれど、実際にそういうことを言われると、さすがに戸惑ってしまう。
そんな俺を無視するように、姉さんは俺の体の向きを変えて、鏡へと向き合うようにさせた。姉さんの体になって、力が弱まっているせいか、何の抵抗も出来ないままに、俺は鏡へと両手をついて、前のめりになる格好をさせられた。
そして、鏡には、俺の背後から、ゆっくりと腰を近づけて来る「俺」の姿が見える。
「ねえ義貴。あんたって童貞?」
いきなり背後から来た問いかけに、俺はいつもの調子で思わず答えてしまった。
「そ、そうだけど」
答えてしまってから、俺は気恥ずかしさを感じた。
「まったく、高校生もなって童貞なんて恥ずかしいわね。
ま、ってことは、最初の相手がわたしってことになるのかしら。それとも、わたしの体になって初体験をするってことは、最初の相手が自分自身ってことになるのかしら」
いたずらっぽい口調で、姉さんが言ってくるのと同時に、股間の割れ目へと、熱いものが当てられるのが感じられた。
「あっ」
敏感な場所へと当てられたものは、指とは比べものにならないぐらいに、俺の割れ目を押し広げた。
「それじゃあ、義貴の童貞アンド処女喪失ってことで」
姉さんがそう言うなり、鏡に映る「俺」は、腰を、ぐいっ、と押し入れてきた。
それと同時に、まるで、メリメリという音が聞こえるかのように、俺の体の中へと、熱くて固いものが押し込まれてくるのが感じられた。
「うわあぁっ!」
さっき指先で感じたのとは、同じようでいて、その実、まるっきり違う感覚に、俺は思わず叫び声を上げてしまった。
まるっきり未知の感覚に俺が驚いている合間にも、その感覚――体の中に、男のものを挿入される感覚――は、だんだんと強まっていった。
体の中心で、ぴたりと張り付いていた部分が、先が丸くてえら張っているものによって押し広げられる感覚。
入り口の敏感なビラビラが、固い幹によって中へと引っ張られていく感覚。
そして、割れ目を塞ぐようにして、「俺」のものの根本が、股間へとぴったりとくっついてくる感覚。
いずれも、男だったら経験することの無い感覚ばかりで、そしていずれも、男としては体験したことの無いぐらいに、気持ち良かった。
「うふふ。義貴が準備してくれてたから、すぐにすっぽり入っちゃった」
「入ったって……?」
未知の体験を確認するように尋ねる俺に、背後の「俺」は自信ありげに答えてきた。
「決まっているじゃない。義貴のおちん○んよ」
言われるまでもなく、そうに決まっている。でも、そのことを、「俺」の口から、その言葉を持って言われると、俺の体に「俺」のちん○んが入っているのだってことが、ますます強調されたかのようになる。
俺の意識は、自然と股間へと集中した。
そこには、先端が丸くて、そこから外へと雁首が広がっていて、その下には血管の浮き出た陰茎が、深々と入り込んでいるのが感じられる。
これまでに、何度も見てきたものだけれど、こうやって体に入れられると、オナニーの時に自分の指先で触っている以上に、それは、熱く、太く、固く感じられた。
今まで、俺のちん○んは平均サイズだと思っていたけれど、体の中に入れられると、それだけで体が一杯になってしまうんじゃないかってぐらいに、大きく感じられる。
しかも、腰を密着されたままに、深々と埋め込まれているちん○んが、オナニーしている時と同じように、心臓に合わせて、ぴくん、ぴくん、と脈打っているのが感じられる。
指先の動きとはまるっきり違う、生き物の動きそのものを感じさせられるその脈動は、俺の中に男のものが入っているんだってことを、ますます実感させてくる。
「凄い。わたしの中って、こんな感じなのね」
背後から、「俺」が姉さんの口調で言ってくる。
「指を入れたことは何度もあるけれど、男のちん○んで触ると、こんなに気持ち良いものなのね。これじゃあ、わたしの彼が、セックスの時にすぐに入れてこようとするのも分かるってものね」
姉さんも、男の体として初体験をしているためか、上擦った調子で、そう言ってきた。
「良いわ。細かい襞々がちん○んに絡みついてくるし、おつゆが、まとわりついてくるし。それに熱くって、ちん○んをすっぽりと包み込んでくるし」
初めての体験に興奮しているのか、そう言ってくる姉さんの声に、俺は、いつもオナニーをしている時に想像していた、ちん○んを女の中に入れたらどんな気持ちなんだろうか、ということを思い浮かべた。
俺の頭には、さっきまで指を入れていた膣の感触が思い浮かぶ。
濡れていて、襞々が何重にも並んでいて、ひくひくと動いているものが、俺のちん○んにまとわりついてくるのを想像した。
いつものオナニーのつもりで、股間に力を入れると、「俺」のちん○んが入っている股間は、いつもと違った動きをした。
普段だったら、ちん○んがピクピクと動くはずなのに、今はそのちん○んを包み込んでいる膣襞が熱くなって、その奥にあるものが、もっと熱くなるのが感じられた。
「ああ。気持ち良いわよ。わたしの中が、ひくひくしてる。
入れただけでこんなに気持ち良いんだから、おちん○んを出し入れしたら、どんな風になるのかしら」
そう言うが早いか、鏡に映る「俺」は、姉さんの腰を両手で掴みつつ、ゆっくりと腰を引いていった。
「あぁっ!」
鏡に映る「俺」の動きに合わせて、股間からは、奥まで入っていて、体中を内側から圧迫していたものが、ずるずると抜け出ていくのが感じられた。
しかも、ただ抜け出していくだけじゃない。
奥まで入り込んでいた雁首が、その形を、身をもって思い知らせるかのように、俺の中の膣襞を掻き出すようにして、動いていくのだった。
その感覚は、さっき初めて挿入された時以上に、強烈なものだった。
固い陰茎がいきなり雁首へと膨れあがって、俺の中を掻き出していく。
その度に、膣があらゆる方向へと広げられるのが感じられる。
そして、雁首によって掻き出された粘液が、膣口から溢れ出て、敏感になっている俺の太ももを伝って落ちていくのが感じられる。
シャワーとかに比べたら、はるかに勢いの無い粘液の動きだけれど、姉さんの体の方が敏感なのか、その粘り気が、やけにはっきりと、そして、いやらしく感じられた。
そうしている間にも、俺の中から抜け出ていくちん○んは動き続け、そして膣口が雁首によって丸く広げられるのが感じられた。
そして、次の瞬間には、俺の体を内側から圧迫していたものが抜け出して、抜け出た勢いで、俺の尻を軽く擦り上げていった。
「あぁ。抜け出ちゃった。それじゃあ、もう一回ね」
言うなり、「俺」は、再び亀頭を膣口へと押し当てて来て、そして腰を押し進めてきた。
「あふぅっ!」
背後から、俺の中へと、ちん○んが入ってくるのに合わせて、俺は溜息を漏らした。
そして、再び二人の腰が張り付き合い、亀頭が奥へと入り込んでくるのが感じられた。
「今度は、抜け出ないように、ピストン運動をしてみるわね」
さっきとは違って、慎重さを感じさせる、ゆっくりとしたスピードで、ちん○んが俺の中から抜け出ていく。
時間が掛けられたせいで、俺はその感覚を、さっき以上に味わうこととなった。
雁首が、膣の襞々を引っ掻くようにして、ゆっくりと動いていく。
そして、膣口まで、あと少しとなった所で、再びちん○んが俺の中へと入ってくる。
「ああんっ!」
いつの間にか、俺の口から漏れる声が、単なる叫び声ではなく、甘ったるいものへと変わっていた。
「だいたい、コツは掴めたみたいね。
それじゃあ、いよいよ本番と行きますか」
俺を焦らすかのように、姉さんはそう言ってから、再び俺の腰へ当てた両手に力を入れて、俺の腰を固定させた。
そして、ちん○んを膣の奥まで入れた所で、密着した腰をぐりぐりと動かしてくる。すると、膣口を支点として、俺の中でちん○んが前後左右に暴れるようにして動いていくのが感じられる。
それはまるで、体が内側から押し広げられるかのようだった。
そんなことをしばらく繰り返してから、姉さんはゆっくりと腰を引いていった。
そして、膣の中間ぐらいまで雁首が移動した時に、今度はいきなり、腰を押し進めてきたのだった。
「あふんっ!」
いきなりの急反転に、俺は驚きと、そして戸惑いの伴った快感を覚えた。
もはや俺は、姉さんのちん○んの動きに合わせて声を上げ、そして快感を得る、操り人形のようになっていた。
「あぁんっ!」
腰同士を密着させるように、激しく腰が打ち付けられると、俺の中に入ってきたものが、奥へと、どすん、と押し込んでくる。
その度に俺の口からは、悲鳴のような喘ぎ声が漏れる。
雁首で膣内を掻き出すかのように、ゆっくりと腰が引かれると、圧迫されていたものから開放されると同時に、じりじりとした焦燥感を感じてしまう。
「あぁ……」
その度に俺の口からは、名残惜しさを思わせるような溜息が漏れる。
ゆっくりと出て行き、そして急激に入ってくる、という緩急は、単なる出ると入るの違い以上のものを俺に与えてきた。
そうしているうちに、姉さんの腰の動きが段々とスムーズになり、前後共に激しいものへと変わっていくのが感じられた。
それに合わせて、腰からは、熱くなった肌同士がぶつかり合う破裂音が聞こえてくる。
ピンと皮の張った太鼓を叩くかのようなその音は、激しく、そして淫らな行為をしているのだ、と俺に感じさせる。
そうしているうちに、ちん○んが俺の中に入り込み、暴れ回っているかのような感覚になってきた。
子宮口間近の膣の奥から、濡れた膣襞、そして膣口までを、ちん○んが突いてくる度に、まるで体中がちん○んに刺激されているかのようになっていく。
その激しさをさらに増そうと言うのか、姉さんは俺の腰へと当てた手に力をこめて、俺の尻を前後へと揺さぶってくる。
そして、それに合わせて、俺にちん○んを入れてきている腰の動きも変わる。
ぐいっ、とちん○んが入ってくるのと同時に、俺の腰が後ろへと引かれ、腰が密着し、強烈な挿入感を与えられる。
かと思うと、次の瞬間には腰が前へと押されて、同時に俺の中へと入っていたものが、ぎりぎりまで引き抜かれて、体の中に隙間が出来てしまったようになる。
そうやって腰を中心に全身が揺さぶられるうちに、股間を中心にしていた熱さと敏感さが、ピストン運動に合わせて、全身に広がっていくような感じを覚えた。
最初にそれを強烈に感じたのは、胸元だった。
俺の胸元からは、ブラジャーを着けていない姉さんの乳房がぶら下がっていて、そして腰の動きに合わせて前後へと動く。
ちらりと胸元を見ると、ボタンを外し終えていないパジャマの合間から、まるで水風船をぶら下げているかのような、肌色で丸いものが見て取れた。
柔らかくて不安定で、それでいて胸元へとぴったりと張り付いた柔らかいものが、前後へと動く感覚は、まるっきり味わったことのないものだった。
例えて言えば、胸に手を当てて、それを上下に動かすようなものなのだけれど、俺の意志とは無関係に、腰の動きと重力に従って動くその乳房の感覚は、そうとしか言いようのないものだった。
そして、前後に揺れている乳房の先端には、固く尖っているのが見なくても分かるほどの乳首があり、パジャマの布地と擦れ合うのが感じられる。
その感覚は、男の乳首の感覚を何百倍にも敏感にしたかのようだった。
同じ乳首なのに、どうして女の体はこんなにも違うのだろうか、と思ってしまうぐらいだった。
その敏感になった乳首がパジャマと擦れる度に、乳房全体が熱くなり、そしてその熱によってだんだんと膨らんでいくかのように思えた。
「ああん、あは……女の体って……気持ち良い……」
「男の体だって、捨てたものじゃないわよ。
ん……男の体って、こんな感じなのね。すごい、おちん○んのことで頭がいっぱいになっちゃいそう」
正面の鏡を見ると、姉さんをバックから犯している俺の姿があった。
その顔は、男としての初めての感覚に戸惑いながらも、それに惹きつけられ、そして従い、さらなる快感を探っているかのようだった。
そして、正面には、「俺」に犯されている、姉さんの姿――今の俺の姿があった。
「俺」が姉さんを犯しているのと同時に、俺が「俺」に犯されている。
征服感と嗜虐感。
本来ならば、同時には感じ得ないはずの感情が、重なり合い、そしてお互いを強調し合う。
「ああ、良いっ! もっと強く、激しくしてぇ」
ねだるように叫ぶと、俺の口からは、甘ったるい姉さんの声が溢れだした。
すると、鏡に映っている「俺」が腰を密着させたまま、頭を俺の顔へと近づけてくるのが見えた。
そして、「俺」の右手が俺のあごへと伸びてきて、顔が横を向かせられる。
そこには、近づいてきた「俺」の顔があり、そして奪われるかのように、キスをされた。
「ん……」
これが俺の初キッスなんだな、と快感で一杯になった頭の片隅で、ふと思う。
甘酸っぱい味はしないんだな、と思っているうちに、柔らかくて熱くて、ぬめりとしたものが、俺の口へと入ってきた。
それに誘われてか、俺も舌を伸ばすと、粘膜同士が重なり、交わり合う。
それはまるで、体中が舐め回されるかのような感じだった。
初めての体験に流されるままに俺は目を閉じて意識を舌先に集中していると、その舌が急に引き抜かれた。
「自分とキスするのって、変な感じね。でも、悪い気じゃないわ」
そう言ってから、再び姉さんは腰へのピストン運動を再開した。
そこには、さっき以上の興奮が感じられた。
「ああっ。なんか変。おちん○んの根本から、熱いものがこみ上げてくるぅっ」
そう叫ぶなり、腰へとちん○んが深々と入れられる。
そして、膣の中で、ちん○んが一回り大きくなったかのような気がすると、
「はうっ」
驚きのこもった叫び声と同時に、俺の中の奥――さっきまで亀頭がぶつかっていた場所よりもさらに奥までへと――熱くて粘々した塊が入り込んでくるのが感じられた。
「ああっ!」
初めての感覚に、俺も思わず声を上げる。
いつもは、ティッシュに吐き出している「俺」の精液が、俺の体の中に入ってきている。
そう思うと、俺は不思議な興奮を覚えた。
射精はまだ続いていた。
俺の中で、ピクン、ピクン、とちん○んが跳ねる度に、絞り出されたように、精液が中へ溢れ込んでくるのが感じられる。
「ふう。男の人の射精って、凄いわね。欲望を一気に吐き出したって感じ。
どう、義貴はイッた?」
「え、お、俺は……」
女の快感を味わわされ、そして射精をされたという初めて尽くしの体験に、呆然となっていた俺は、イッたかどうかなんて分からなかった。
「……多分、イッてないと思う。でも、男の時よりも、気持良かった」
「まあそうね。わたしだって、毎回セックスしてイクわけじゃないから、それも無理はないわね。
ま、今後は女をイカせられる男になってあげるわ」
「こ、今後って……」
「男って、女と違って、射精が終わると、いきなり快感が無くなっちゃうのね。それで、いきなり現実的になっちゃうみたい。
問題は、体が入れ替わったままで、これからどうするかってことよ」
「あ、それは……」
「今日はたまたま母さんも出掛けていたけれど、夜には戻ってくるわよ。それにわたしは学校に行かないといけないし、あなたも学校でしょ。どうしようかしら?」
そう言われながらも、俺の頭にはまだ、さっきまでの快感が残っていた。女の快感って、ずっと続くって本当だったんだな、とぼんやりと思ったのだった。


第2章「姉さんとして学校に行くことになって……」

「まあ、まずは身支度よね。いつもみたいに、朝食作ってよ。あ、その前に、中出ししちゃったから、精液を洗い流さないとね。今は安全日だからと思って中だししちゃったけれど、ちゃんと清潔にしないとね」
姉さんの言葉に、俺はトイレのボタンが思い浮かんだ。
「ああ、ビデを使うんだね」
トイレに入って、ウォシュレットのボタンを見る度に、俺はビデのボタンが気になってしょうがなかった。
初めてうちのトイレがウォシュレットになった時には、家族みんなが出掛けていることを確認してから、ビデのボタンを押して、肛門よりも手前にお湯が当たるのを感じて、「ここがあそこの場所なんだ」と思ったものだった。
その時に感じたことを、今度は身をもって実感できるんだ、と思ったのだけれど、そんな俺に対して、姉さんは軽蔑に近い目つきを向けてきた。
「義貴。あなた、ビデってあそこを洗うものだと思っているの?」
「え、違うの?」
「違うに決まっているでしょ。ビデってのは、おしっこをした後に使うんであって、あそこの中を洗うんじゃないわよ」
やれやれ、と言った表情で、「俺」が説教してきた。
「だいたい、あんな水圧で、あそこの中まで洗えるわけがないでしょ。ちゃんとシャワーを使って、中の方を掻き出すように洗うのよ」
「はあ……」
ビデの使い方をずっと勘違いしていたことを指摘されて、俺は曖昧に返事をした。
「ほら、わたしはお腹が空いているんだから、早くシャワーを浴びてきて、朝食を作りなさいよ」
「わ、分かったよ」
促されるままに、俺はパンティとパジャマを履いて、一階の風呂場へと向かった。
そして脱衣場へとたどり着いてパンティを脱ぐと、股間の合間から、ぬるり、と白濁の液体が垂れ落ちていくのが見て取れた。
まださっきまでのセックスの余韻が残る膣を、精液と愛液の混じった、ねっとりとした体液が流れ落ちていくのは、気持ち良さは無かったけれど、男には味わうことの出来ない感覚だろうな、と俺は思った。
風呂場に入ってシャワーを流し始めて、手頃な温度になった所で、俺は内側にねばねばしたものが張り付いているような感じのする股間へと、シャワーの水流を当てた。
「熱っ」
いつもと同じ温度のはずなのに、やけに熱く感じられた。
おかしいな、と思って、試しに胸元に水流を当ててみると、やはり同じように、熱く感じられた。
これって、女の体の方が、熱に弱いってことなんだろうか……俺はそう思った。
そういえば、いつも姉さんが先に風呂に入った後で俺が入る時には、シャワーの温度を2度ほど上げているのを思い出した。
女の人の肌って、デリケートなんだな。
何しろ、いきなり部屋に入ってきて、自分自身の体に挿入して射精するぐらいにがさつな姉さんでも、こういう所は女なんだなあ、と妙に感心してしまった。
俺は胸元にシャワーをあてながら、お湯の温度をぬるめに調節した。
しばらくして、ちょうど良くなった所で、俺の意識は、胸元に当たる水流へと向かった。
その流れは、いつもシャワーを浴びる時とは、まるっきり違っていた。
男の時だったら、胸元に当たって、そのまま流れ落ちていくのに、姉さんの体になっている今の場合は、シャワーのお湯が、乳房を押すように当たってくるのだ。
しかも、当たったお湯の流れも、乳首を中心にして乳房の丸みを左右から撫でるように動いていって、そして乳房の下で再び合流して、下へと伝っていくのだった。
そのお湯は、今度は股間へと当たる。男の時だったら、そこにぶつかるものがあるけれど、今はお湯が軽く股間を撫でていきながらも、素通りしていく感じだった。
俺は、初めてのセックスに汗ばんだ上半身をシャワーで軽く流してから、股間へと当てた。
「ん……」
数え切れないほどの水の粒が、敏感になった股間に、絶えず当たってくるのが感じられる。
その感覚は、指先でオナニーした時や、姉さんにちん○んを挿入された時とはまるっきり違っていた。
脂ぎった顔を洗顔クリームで洗うような、清々しさを感じさせる感じなのだった。
しばらくの間、股間へとシャワーを当てていた俺だったが、
「まだなの。早くしてよ。もうお腹ぺこぺこよ」
風呂場のドア越しに、姉さんがせき立ててきたので、俺はさっきの姉さんの言葉を思い出して、膣に中出しされた精液を掻き出し始めることにした。
指先を入れると、ちん○んの挿入には及ばないものの、じんじんとした疼きが感じられる。
俺は、そのまま、またしてもオナニーをしてしまいそうになりながらも、姉さんがせっついてくるのを恐れて、指先を膣の中で動かして、「俺」の精液を外へと出していく。
シャワーの先を膣の入り口に当てて、膣を左右に広げると、膣の中へとシャワーの水流が入ってくるのが感じられる。
そのお湯を指先で膣の奥へと導き、そして精液を流し落としていく。
すると、指先には、(男としての)オナニーの末に出る精液の感触とは違った、小さく固まったような感触が伝わってくるのだった。
そう言えば、と俺は思い出した。
男の時に風呂場でオナニーをした時に、ティッシュではなく風呂場の床へとぶちまけた精液をお湯で流そうとした時に、精液が白く固まって、床に張り付いてしまったのを思い出した。
確か、精液はタンパク質で出来ているから、お湯とかに当たると、固まってしまうのだった。
それと同じで、お湯が当たった膣の中の精液も、その温度で固まってしまったのだろう。
固まった精液が、指先に絡みついてきて、それをお湯で流そうとしても、ぺたりと張り付いて、なかなか落ちてくれない。
指先を擦り合わせて、ようやく精液を落とした所で、俺はシャワーの温度を冷たくない程度に低くしてから、再び膣を洗い始めた。
さっきよりかは洗いやすくなり、数分した所で、ようやく俺は、膣の中を洗い終えることが出来た。
「ねえ、まだなの。ひょっとして、エッチなことをしているんじゃないの?」
再び、風呂場のドア越しに、姉さんの声が聞こえてくる。
「終わったから、今出るよ」
そう言って俺は、風呂場から出て、バスタオルで体を拭って、再びパンティを履こうとした所で、その股間の部分が精液まみれになっていることに気付いた。
俺は、全裸のままに、姉さんの部屋へと向かって、タンスから新しいパンティを取り出して身につけた。
シャワーを浴びた後でさっぱりとしているせいか、男物のトランクスと違って、股間からヒップにかけて、ぴったりと張り付くような感覚は、妙でもあるし、同時に女性ならではの丸みのあるヒップに合った、フィット感を与えてくる。
再び、風呂場に戻ってパジャマを着た俺は、台所へと向かった。
そこには、朝食の準備もせずに、朝のニュースを見ている姉さんの姿があった。
女なんだから、姉さんが朝食を作ってくれれば良いのに、と思うものの、姉さんに頭の上がらない俺は、エプロンを着て、朝食を作り始めた。
「わたしの部屋に行ったみたいだけれど、言われなくても新しいパンティのある場所は分かっているみたいね」
そう言ってくる姉さんの言葉に、俺は、ぎくり、として、またしても墓穴を掘ったな、と思った。
姉さんに頭が上がらないのは、単に俺が弟だからということではなかった。
あれは俺が中学生の時、異性に対して性的な興味を持った時に、姉さんの部屋に忍び込んで、タンスを漁って、その中にあった下着を取り出しては、興奮しつつ眺めたのだった。
それが運悪く姉さんに見つかってしまい、そうして弱みを握られてしまった俺は、今ではすっかり、姉さんの言いなりにならざるを得なかったのだった。だから、母さんが居ない時には、こうやって俺が朝食を作ることになっている。
ああ、青春の過ちよ、などと過去の自分に感傷を覚えながら、俺は朝食の準備を始めた。
メニューは、ご飯にみそ汁、焼き魚に漬け物と、ごくシンプルなものだった。
みそ汁を作り上げた俺は、いつものように味見をしてみたのだが、どうも味が違う。味噌の分量とか出汁はいつもと同じなのになあ、と不思議に思った所で、俺は気付いた。
今の体が姉さんのものだから、その味覚も姉さんのものになっているのだ、ということに。
味付けを少し変えようか、と思ったものの、今の俺が姉さんの味覚になっているのと同様に、姉さんは俺の味覚になっているのだ。いつも俺の味覚で作っている料理を出せば、今の姉さんには、そっちの方が口に合うに違いない。
そう思って俺は、作り終えた朝食を、机へと並べた。
「こうしてみると、わたしってエプロン姿が似合うわね。良いお嫁さんになれそうね」
お膳を整える俺に対して、姉さんは自分のことは棚に上げて、勝手なことを言ってきた。
そして姉さんは、いただきます、と一応の俺への礼を言ってから、みそ汁へと口を付けた。
そして、お椀から口を離して、俺の顔を見つめて、
「あら、今日のみそ汁は、いつもよりおいしいわね。何か工夫したの?」
「ああ、やっぱりそう思うんだ」
「やっぱりって、どういうこと?」
「ほら、今の姉さんは、俺の体だから、味覚も俺のものになっているんだ。それで、いつも俺の味覚で作るみそ汁の方が、美味く感じるんだと思うんだ」
「あ、なるほどね」
感心したような表情で、姉さんは俺の顔を見つめてきた。
そして、
「ってことは、今の義貴は、わたしの味覚が分かるってことよね。
それじゃあ、それを利用して、わたしの好みを覚えて、今度からはそうやって料理しなさい」
相変わらず俺をこき使ってくる姉さんの態度に、俺は、やれやれ、と思うしかなかった。
食事を終えた所で、俺は股間の当たりが、もじもじとしてくるのを感じた。
最初は、なんだろうか、と思ってから、しばらくして、小便がしたいんだな、と思い当たった。
膀胱の場所が男とは微妙に違うので、すぐには気付かなかったのだ。
「ちょっとトイレに行ってくる」
そう断ってトイレに向かう俺へと、
「終わったら、ビデで洗うのよ」
さっきの俺の勘違いをからかうように、姉さんはそう言ってきたのだった。
トイレに入って、便座を開けて、さてズボンを下ろそうか、としたところで、今は姉さんの体なのだから、立ち小便は出来ないことに気付いた。
俺は、便座を下ろしてから、大きい方をする訳でもないのに便器へ背を向けて、それからパジャマのズボンとパンティを脱いだ。
男だったら、股(もも)の所まで下ろせば済むのに、女の場合は下まで下ろさないといけないから面倒だな、と思いつつ、便座に腰を下ろした。
さて小便をしようと思うのだけれど、力の入れ方が分からない。
しばらくの間、さぐるように意識を股間へと向けていると、やがて……
ジョロジョロジョロ……
股間の間から、漏れ出すように小便が流れ出ていくのが感じられた。
それは、不思議な感じだった。
本来あるべきの、小便がちん○んを通り抜ける感覚が無く、ちん○んの根本に穴が空いていて、そこから漏れ出てしまっているような感じなのだ。
それに、男と違って狙いを定めるということもなく、膀胱が縮む勢いに任せて、体から放出されているかのようだった。
やがて、勢いが弱まってきて、そして放出が終わったところで、残りのしずくが股間をなぞり下ろすように垂れていくのが感じられた。
そんな、男とはまるっきり違う小便の出方を見て、なるほど女の体にはビデが必要なんだな、と俺は思ったのだった。
そして俺は、便座の右に付いているボタンに手をやって、念願(?)のビデを動かしたのだった。
「んんっ」
いつものように、肛門に当たるのと違って、ウォシュレットの水流が、股間の前の方へと当たってきたのに、俺は思わず声を上げてしまった。
下から突き上げてくる水流は、股間の尿道の所に当たって、そして割れ目へを伝って流れ落ちていく。
良く狙いが定まるものだな、と俺は妙に感心してしまった。
しばらくした所で、俺はスイッチを切って、ビデを止めた。
びしょぬれになった股間から掛かったお湯が垂れていくのを感じつつ、俺はトイレットペーパーに手をやって、そして股間に押し当てた。
「痛っ」
男の時のように尻を拭く要領で強くトイレットペーパーを当てて擦ってしまった俺は、敏感な女のあそこに、トイレットペーパーが、ざらざらと擦れてきて、思わず声を上げてしまった。
そうだよな。こういうのは、汗をハンカチで拭く要領で……
そう思いながら、俺は股間へと軽くトイレットペーパーを当てた。
股間を濡らしていた水が、紙に吸い込まれるのが感じられる。
……女って、いちいち紙で拭かないといけないんだから、面倒だな。
そんなことを思いながら、俺はトイレの水を流したのだった。
トイレから食卓へと戻ると、姉さんのいつもやっている、両手を後頭部に当てて、背中を後ろへ反らすようなポーズを「俺」がとっていた。
姉さんがそうしているのは見慣れているものの、それを「俺」がやっているのを見ると、姉さんの下手なモノマネをしているかのように見えてしまう。
「来たわね。それじゃあ、着替えましょうか」
「着替えって……俺の?」
「そうよ。ほら、さっさと付いてくる」
そう言って姉さんは、俺を先導するようにして、階段を上って姉さんの部屋へと入った。
部屋に入ると、つい30分前にやった、姉さんとの入れ替わりエッチの残り香が感じられた。
姉さんもそれに気付いたのか、窓を開けてから、再び戻ってきて、ドアの所に立っている俺の手を引っ張って、鏡の前へと連れ出した。
「さてと、まずは下着よね。パンツはさっき変えたから良いとして、まずはブラジャーね。
ええと、どれにしようかしら」
そう言いながら、姉さんはタンスの中を漁り始めた。
「ま、パンツと同じ色ってことで、これにしましょう」
取り出したのは、白色のブラジャーだった。
「じゃあ、パジャマを脱いで」
言われるままに、俺はパジャマを脱いだ。
すると、それまでパジャマに隠されていた乳房が、部屋の空気に触れるのが感じられた。
「そういや義貴。あなたって、童貞って言ってたわよね」
「またその話かよ。今度は何だって言うんだ?」
「まあ、彼女もいない甲斐性なしじゃしょうがないわよね」
そう言って、姉さんは首をすくめた。
「甲斐性なしで悪うございましたね」
「いえね、男だったらブラジャーは外すものでしょ。それがブラ初体験が、ブラを外すんじゃなくて、身につけるって言うんだから、我が弟ながら情けないと思ってね」
「そういわれると……」
確かに、姉さんの言う通りかもしれない。女はブラを付けるもの、男はそれを外すもの。そうだというのに、この俺は自分の体に身につけなければならないのだ。
「ま、悪く考えることはないわよ。付け方を覚えておけば、将来あなたに彼女が出来て、ブラを外す時の参考になるでしょうね」
慰めているんだか、そうでないんだか分からない調子で、姉さんはそう言って、俺の肩を叩いてきた。
「はい、じゃあ、わたしの言う通りにやってみて」
そう言って姉さんは、手にしていたブラジャーを俺に渡してきた。
「まずは、ストラップに腕を通して、カップを胸に当てて」
言う通りに、俺は、肩ひもの下へと手を入れて、両手を持ち上げるようにして、胸元へとブラをやった。
……なんだか、女装でもしている気分。
まあ、実際に女装なんだけれど、やはりブラを身につけるのは、変な感じがした。
そして、ブラが胸元まで来ると、丸い乳房に覆い被さるように、カップの部分が当たってきた。
「それで、前屈みになって、おっぱいがカップに入り込むようになった所で、背中に手を回して、ホックを留める」
「前屈みに?」
なんでそんなことをするのか分からずに、俺は問い返した。
「そうよ。そうしないと、ちゃんとカップに入らないんだから」
「そうなんだ、分かったよ」
言われるままに前へと体を倒すと、なるほど姉さんの言う通り、乳房が前へと移動して、カップの中へと入り込むかのようになった。
そのままの状態で、俺は後ろへと手を回した。
はたして、背中のホックに手が届くかな、と思ったのだけれど、女の体は男に比べて柔らかいのか、それともホックを留め慣れているのか、意外と楽に腕を後ろへと回すことが出来た。
そして、両手を動かして、背中でぶら下がっている左右のホックを探り当てた。そして、二つを重ね合わせるように、真ん中へと近づける。
「そうそう。そんな感じで真ん中に引っ張って、上下に重ね合わせるようにして、手探りで金具が触れあうのを感じ取る」
何度かやってみるのだけれど、なかなかうまくいかない。
「下手ねえ。付けるだけでそんなに苦労していちゃ、外す時にもっと苦労するわよ」
「余計なお世話だよ」
「じゃあ、鏡を見ながらやってみなさいよ」
言われる通り、鏡へと背を向けて、首を捻って鏡を向き、ゆっくりと左右のホックを近づけて、そして重ね合わせてから手を離すと、どうにかうまくホックを留めることが出来た。
「これで良いの?」
「まだ、これからが本番よ。いわゆる、寄せて上げるって奴ね。
はい、左手で右のおっぱいを下から持ち上げながら、カップの周りにある肉をカップの中に寄せる」
「そ、そんなことまでするの?」
「そうよ。そんなの、ブラを付ける基本よ。とにかくバストの周りの肉を寄せ集めて、少しでも胸を大きく見せる。どんな女だって、やっていることよ」
「別に姉さんぐらいのサイズだったら、わざわざそんなことしなくてもいいんじゃないの?」
「あら、お世辞にしては良いこと言ってくれるわね。
でも、そうやっておかないと、バストの形が崩れちゃうのよ。だから、しっかり、ちゃんとやること。いいわね」
さすがに自分の乳房の形に関することだけあって、姉さんは強い口調で言ってきた。
女って、結構影で苦労しているんだな……
そう思いつつ、俺は姉さんに従って、まずは右の乳房から、言う通りにやってみた。
当てた右手の指先に、ふにゅっ、と柔らかい乳房が当たってきた。
俺はその部分を、カップの中へと押し込める。なんだか、出来たての餅をこねているみたいで、面白さすら感じさせられた。
そうやって周りの肉を集めて入れていくと、ちょっと緩めだったカップが、だんだんとぴったりとしたものへと変わっていくのが感じられた。
続けて、左の乳房も同じように、周りの肉を寄せ集めていく。
そうやって、左右を寄せ終えると、なるほどさっきまでのノーブラの時には、乳房が垂れたような感じだったけれど、今だと胸の谷間がくっきりと見えてくる。
「はい、ラスト。ストラップを調節して、前の方を気持ち持ち上げるようにする」
言われるままに、俺はストラップを引っ張り上げた。すると、左右の乳房が、きゅっ、とブラによって下から持ち上げられるようになり、谷間がさらに強調される形になった。
俺はふと、高校の入学式で、ネクタイを締めた時のことが、頭に浮かんだ。なんか気が引き締まるって言うか、そんな感じなのだった。
それに、ノーブラの時に感じていた、胸元がやけに下へと引っ張り下ろされる感覚も消えて、体が楽になった気がした。
「それにしても、女の人って、こんなことを毎日やっているんだ。大変だね」
「わたしなんか、自前の胸だからまだましな方よ。世の中には、パッドとかヌーブラとか入れている人だっているんだから。そういう人って、ずれないようにするのが大変って言ってたわ」
「へえ……」
パッドを入れるなんてまるっきり他人事の俺には、ただ同意するしか無かった。
「あ、パッドを入れてる人って言えば……
気を付けることね」
「何を?」
「初体験って時にブラを外されて、中にパッドが入ってたって分かると、男って落胆ぶりがもろに顔に出るって話、パッドを入れてる女友達から聞いたことがあるから」
「そ、そうなんだ……」
確かになあ、と俺は思った。
それまで巨乳だと思っていた女の子と、いざ初体験をしようとしてブラを取ったら、その中からいきなりパッドがぽとりと落ちたら、えぇ、って思ってしまうことだろう。
「ま、まあ、気を付けるよ」
「ちなみに、偽乳か本物の乳かどうかは、走っている時の揺れ具合である程度分かるから。あなたに彼女が出来たら、さりげなく観察するのよ」
「わ、分かったよ」
と、絶対に「トリビアの泉」では出ないような姉さんの豆知識に、俺は小さく頷いたのだった。
「さてと、次は……」
そう言って、姉さんは、ブラジャーとパンティを身につけた俺を見つめてきて、あごに手をやって考えるような仕草をした。
「パンティストッキングは無しでいいわね。どうせいきなり履いたりしたら、伝線しちゃうだろうし」
「そういうもんなのか?」
「そうよ。わたしだって、最初に履いたころは、結構伝線させて苦労したんだから。ましてや、男のあなたなんかだったら、すぐに伝線ね。
と言うことで……はい、靴下とブラウスとスカート」
手渡されるままに、俺はそれらを身につけていった。
靴下とブラウスは良いとして、問題はスカートだった。
ぶら下げるようにして手にしていると、
「履き方、分かる?」
姉さんが、そう聞いてきた。
「あ、ああ。なんとなく」
言いながら、俺はスカートの胴回りへと両足を通した。
そして、両手で腰元へと引っ張り上げていく。
そして、ズボンを履く時と同じぐらいの高さまで来た所で、横に手をやって、ホックを留めた。
「ちゃんと出来そうね」
俺の仕草を物珍しげに眺めていた姉さんが、そう言ってくる。
まあ、履き方は何となく分かるけれど、それよりも、スカートを履くってのが、女装をしているみたいで、どうも変な気分だった。
さっき、ブラジャーを着けた時もそう思ったけれど、あの時は、ブラを付ける以上に、胸元に乳房があることへ意識が向いていたから、なんとなくそういうものかとも思えたけれど、スカートの場合は、そういうものは無い。
それから俺は、ホックの下のチャックを閉めた。
そして、丈を確認する。
長さは、いつも姉さんが着ているぐらいの、裾が膝小僧に当たる程度のものだった。そのまま視線を伸ばして、足下を見てみると、すね毛のない、つるんとした見慣れない足が見えた。
家で見慣れた、姉さんの足なんだけれど、それが自分の足下にあるってのは、どうも変な気がする。
とりあえず、これでスカートは無事に履き終えたはずなのだけれど、どうも落ち着かない感じがする。
何しろ、体を少しでも動かす度に、スカートが揺れて、それによって起こる小さな風の流れが、股間へと伝わってくるのだ。
「女の人って、良くこんな不安定なものを履けるもんだね」
「そうかしら? わたしは慣れているから、なんとも思わないけれど。
まあ、確かに合宿とかでずっとズボンを履き続けていてから、久しぶりにスカートを履いた時とかは、ちょっと違和感を感じるけれどね」
「なんて言うか……無防備って言えば良いのかな」
スカートの中には、パンティしか無いのだ。マリリンモンローの映画じゃないけれど、風が吹いて、スカートがまくり上がれば、下着が丸見えになってしまうだろう。
スカートをつまみ上げながら、俺は思った。
駅の階段とかで、見えるほどの短さでもないのに、スカートのお尻の部分にバッグとかを当てながら階段を上っている女の人がいるけれど、それって今の俺みたいな心境なんだろうな、と。
「それで身だしなみはオーケーね」
上から下まで俺を眺めながら、姉さんはそう言ってきた。
「わたしは基本的には化粧はしないタイプなんだけれど、リップぐらい塗っていきなさいよ」
「わ、分かったよ」
言われるままに、俺は化粧台へと向かった。
そして、リップを手にして、唇へと塗っていく。
「なんだったら、口紅にした方が良かったかしら。初めてのお化粧って、なんだか興奮するんじゃないの? もしもあなたが化粧をしたいって言うんなら、セットは揃っているわよ」
「馬鹿言えよ」
口を結ぶようにして上下の唇をくっつけ合わせて、リップを均(なら)しつつ、俺はそう言った。
その唇の感触は、男の時に比べると、ずいぶんと柔らかく感じられた。
女の人とキスすると、こんな感触がするのかな、と俺は思ったのだった。
「あなたの出発の準備は完了、と。
あ、そうそう。わたしの大学の場所とか教室とか、分からないでしょ。メモするから、ちょっと待っててね」
言うなり姉さんは、椅子に座ってメモを書き始めたのだった。
そして、書き終えてペンを置くと、
「はい、これ。大学の場所の他に、今日やることも書いておいたから、ちゃんと読んでおきなさいよ。わたしは、あなたの部屋に行って、着替えてくるからね」
メモを手渡すなり、姉さんは、部屋から出て行って、俺の部屋へと入っていく足音が聞こえてきたのだった。
俺は手渡されたメモを見た。
大学の場所は話では聞いたことがあるし、確か私鉄の駅から降りてすぐってことだったから、迷子になることは無いだろう。
それから俺は、姉さんが言っていた、今日やらなければいけないこととやらに目を通した。
「げっ!」
そこに書かれていることに、思わず俺は、驚きの声を漏らしてしまったのだった。
しばらくメモを見つめているうちに、ドアが開いて「俺」が姿を現した。
俺の通う高校には元々は制服があったのだが、それも廃止になって、今は私服での登校が大半となっている。
やってきた「俺」は、もちろん俺の手持ちの服を着ているのだけれど、その組み合わせは、どことなく姉さんらしさを感じさせるものだった。
「姉さん、本当に、これ、やるのか?」
手にしたメモをひらひらとさせながら、俺は聞いた。
「そうよ。わたしがいつもやっていることよ」
「いつもって……姉さん、こんなことしていたのかよ」
「つべこべ言わないの。そろそろ行かないと、お互い、遅刻するわよ」
「そうは言っても……」
押し切られるようにして、俺は仕方なしに、姉さんと共に家を出た。
「そういえば姉さん。俺の学校は……分かるよな。同じ高校だもんな」
姉さんは、俺が通っている学校と同じ高校に通っていたので、高校の場所とかは分かるだろう。
俺の親しい友人は、俺の家に来て、姉さんとも会ったりしているから、ある程度は顔は知っているはずだ。
「ぼろを出さないでくれよ」
俺は、念を押した。
「大丈夫よ。わたしも、余計なことはしないように、調子の悪い振りをするから。なんか聞かれたら、『今日はあの日なの』って言ってごまかしておくから」
「それは止めてくれ」
強く釘を刺しておかないと、本当にそう言いかねない姉さんに向かって、俺は訴えるような目を向けたのだった。
駅へ向かう途中で姉さんと別れ、俺は駅へと向かった。
歩く度に、股(もも)のところでスカートが擦れ、その度に風が起こって内太ももをなぞっていくのが、やけに敏感に感じられる。
それに、体の重心も違っているせいか、どうも歩きづらくてしょうがない。
そんなことをやっているうちに、俺はようやく駅へとたどり着いた。
JRに乗って、メモに従って乗換駅で私鉄のターミナルへと移動して、俺は各駅停車へと乗った。
目的の駅に着く合間に、俺は今日、やらなければならないことが書かれたメモを見た。
はぁ……
俺は溜息をもらした。
いきなり姉さんの体になっただけでも驚きなのに、なんでこんなことをしなければいけないんだろうか。
ごまかそうか、と思うものの、メモの下には、「必ず実行すること!」と、姉さんの怒り顔のイラスト付きで、赤書きされている。
そんなことを考えていると、
……ぞわり
慣れない感覚が、尻から伝わってきた。
ヒップへと触れてくるなま暖かい感覚は、上へ下へと移動していくのが感じられる。
男の時に比べて、その手つきが、やけに敏感に感じられる。
まるで、目の前で、その手つきを見せられているように、リアルに、敏感に伝わってくるのだった。
これって痴漢か?
振り返ろうかどうしようか迷っている時に、列車が短いトンネルへと入った。
正面にあった窓ガラスが鏡の役割を果たし、姉さんの後ろに、一人の男の子が立っているのが見えた。
顔つきは幼いものの、制服を着ている所を見ると、中学生だろうか。
それが、うつむきながら、俺の尻を触っているのだ。
これが、中年のおっさんだったら、すぐさま声を上げて、「この人、痴漢です」と言っている所だが、中学生となると、それは気の毒だ。
その慣れない手つきは、好奇心から思わず触ってしまったと言う感じなのだろう。ひょっとすると、体は姉さんでも、中身は男の俺ということで、女の人が電車の中で取るような、痴漢はお断り、みたいな態度と逆の態度になってしまっていたのかもしれない。
そんな彼に対して、俺は、同情と、優越感を覚えた。
そして、
「ん……」
後ろの彼に聞こえるように、溜息を漏らしてみた。
その声に驚いたのか、男の子の手が、俺のヒップから離れた。
それから俺は、後ろを振り返って、その男の子を見つめた。
「ご、ごめんなさい」
いきなり謝られて、俺は言うべき言葉が思い浮かばないでいた。
しばらく考えてから口が開き、
「今日は許してあげる。でも、二度とこんなことをしちゃ駄目よ」
俺が口にした言葉は、俺が姉さんの下着を漁っていたのを見つかった時に言われたのと、同じ言葉だった。
男の子は、小さく、はい、と答えたのだった。
そうしているうちに、姉さんの大学がある駅へと列車が停車した。
「じゃあねぇ」
男の子をからかうように、軽く手を振ってから、俺は電車を降りたのだった。


第3章「女子大の後輩と……」

改札を抜けて階段を下りると、真っ直ぐ先に校舎が見えた。
駅名が、西女子大前駅となっているだけのことはあるな、と思った。
名前が伊達じゃないのは、駅のすぐ前に学校があるだけじゃない。そこへ向かう人全員が、女子大生なのだ。
まあ、女子大だから当たり前なことなんだけれど、歳が同じような女性ばかりがぞろぞろと歩いている中に混じると、なんだか物凄く違和感というか、「僕はここにいて良いの」みたいな感じになってくる。
間違って、女性専用車両に乗ってしまったサラリーマンの心境に近いかも知れない。
校門に近づくと、門柱には「西京女子大学」の文字が見える。
何だか神聖な場所へと入るような、そんな感じだった。
ふと思いついて、
「男子大」
と呟いてみた。
男ばかりの大学だ。
神聖だとは思えないし、行きたいとも思わない。
どうして女が男に変わっただけで、こうなるのだろう……などと、どうでも良いことを考えながら、俺は姉さんのメモを片手に、教室へと向かった。
100人ぐらいは入れる広い教室で、その半分ぐらいの座席が埋まっている。当然、全員女性ばかりだ。
座っていると、化粧と香水の入り混じった匂いが伝わってきて、俺は今、女だらけの場所にいるんだなあ、と実感できる……と言うとハーレムにいるようだけれど、正直言って、ここまで色んな匂いが混じると、はっきり言って臭い。広めの教室でもこうなんだから、最近流行の女性専用車両に乗ったら、どんなことになるのだろうかと思ってしまう。
授業の開始を待っている間、何人かの女子大生に、おはようの挨拶をされたので、姉さんがいつもやっているように、右手を軽く挙げて挨拶を返す。
姉さんからは、クラス授業じゃないから、そんなに知り合いもいないし、もしも何か話しかけられたら、適当に答えておいて、と言われている。
そう言われているものの、姉さんが学校ではどんな会話をしているのか、良く分からない。
もしも何か聞かれて、答えられないようだったら、体調が悪い振りをして、「今日はあの日なの」と言えば、たいていはそれでごまかせる、と言われている。
それでもさらに何か聞いてくるようだったら、深刻な顔をして、「さっきの話は嘘で、本当はあれが来ないの」と言えば、相手は引く、とも言っていた。
……そういうことを平然と言ってくるような人間を、どうやったら演じきれるのだろうか、と思ってしまう。
幸い、挨拶だけでコミュニケーションは済み、そして時計の針が9時5分を指した所で、教官らしい人物がやってきた。
教官は男だった。
当然、女子大生に囲まれる毎日を過ごしている訳で、男としてどんな気持ちなんだろうな、と思う。
世の中に、女性なんて星の数ほどいる。しかし、手が届く距離にある星は一つも無い、なんて、どこかで聞いたようなフレーズが頭に浮かぶ。
そして教官は、手にしていた紙を、最前列に座っている生徒へと手渡した。順番に後ろへと回ってきて、そして俺の所へとたどり着いた。
そして俺は、姉さんの名前を探し出して、丸印を付ける。
実を言えば、女子大生としての姉さんの代わりとしての作業は、これだけだった。授業はこの時間だけで終りとなり、その後は無い。
そして、ソクラテスとプラトンがどうのこうの、ということが、教官の口から淡々と語られる。
それを俺は、右の耳から左の耳へと聞き流していった。
暇なので、俺は辺りを見回した。
前の列に座っている女の子が、熱心にノートを取っている。
でも、ノートを取るにしては、ずいぶんと書かれていることが多いな、と思って、そのノートを覗き込んでみると、ソクラテスとプラトンのボーイズ(?)ラブ漫画だった。
……最近の女子大生は、何を考えているのか、さっぱり分からない。
そして、10時15分になった所で、教官の良く分からない話が終わった。
それから俺は、ざわざわと賑わう教室を後にして、メモを片手に、水泳部の部室へと向かった。
これからが、姉さんの代役としての本番だった。
姉さんのメモにはこうある。
「水泳部の部室で、後輩の由美子とレズ(注:わたしが責め役)」
と書かれている。
まさに、本番なのである。
由美子という名前には、心当たりがある。たまに、姉さんと一緒に俺のうちに遊びに来る女の子だ。
女子大生にしては、子供っぽい感じがする女の子だけれど、まさか姉さんとこんな関係だったとは……
そう思って、部室のドアを開けた途端、
「お姉さまぁ」
そう叫ぶなり、俺の体が、柔らかい感触に包まれた。
胸元に、柔らかいもの同士が押され合い、左右に広がっていくのが感じられる。
後ろへと回された指先が、俺のうなじをくすぐるのが感じられる。
そして、唇へと、ぽってりとした唇が重なり合い、熱い吐息が入ってくるのが感じられる。
いきなりのことに、俺は目を見開いたまま、抱きついてきた女の子の顔を見た。
その顔は、間違いなく由美子さんだった。
これまでは、ちょっと子供っぽいと思っていたけれど、目を閉じて、頬を染めて、顔を間近へと近づけてくる様は、ただの子供ということじゃなく、いけない遊びを覚えた女の子、という感じだった。
触れあってくる唇の感触は、今朝、俺の姿になった姉さんがしてきたキスとは、違っていた。ぽわぁん、とでも表現したくなるような、優しい柔らかさが感じられるのだった。
考えてみると、女の人とキスをするのは、俺にとってこれが初めてということになる。もっとも、今の俺は姉さんの体だから、ファーストキスと言うにはちょっと違うかもしれないが。
それでも、女の子とキスをするという初めての体験に、俺は興奮を覚えた。
重なり合っているのは、唇だけではない。
頬は、彼女の火照りが伝わってくるほど密着しているし、俺と由美子さんの乳房が、風船を押し合わせるように触れあっている。
そして俺の背中へと這わせられた彼女の手は、一方でうなじを触りつつ、もう一方で背骨を伝って、ヒップへと降りてきて、そして男には無い大きな丸い曲線に沿って、動いていく。
その手の動きは、今朝の電車の中で中学生が触ってきたのとは違う、慈(いつく)しみが感じられるような、丁寧なものだった。
そんな、女性に密着されるということに感動を覚えつつ、俺は姉さんとしての役割をしなければ、と思い当たった。
彼女を真似るようにして、俺も両手を彼女の背中へと回す。
そして右手を、彼女の頭へと当てると、指先に、いつも俺が髪を整える時に味わう感触とはまるっきり違った、さらさらと流れるような、透き通った手触りが感じられた。
ああ、女の子の髪の毛だな、と俺は思う。
姉さんの体になってから、姉さんの髪の毛に何度か触ったけれど、茶髪にしている姉さんのと比べると、由美子さんのは染めていない地毛の分だけ、自然な、しなやかさが感じられた。
そうやって、今の自分の手中に女の子がいるんだな、と思いつつ、俺は左手をうなじから背筋に沿って下ろしていった。
すると、まるで反射神経を触られたかのように、彼女の体が、腕の中で、ぴくん、と跳ねたのが感じられた。
女の子って、敏感なんだな、と俺は思った。
そうしているうちに、左の手のひらは、彼女のヒップへとたどり着いた。
手のひらには、スカートの布地と、その中に包まれた、丸みと柔らかさが感じられる。
こうやって、女の人のお尻を触るなんてのは、俺にとっては初めての体験だ。
俺は、ここぞとばかりに、その丸くて大きなヒップ全体を撫で回していった。
すると、ずっと口づけをしていた彼女の口が離れて、
「ああん。今日のお姉さまって、いつもよりも熱心な感じ」
そう言ってきたのだった。
やばいかな、と俺は思った。
そんな由美子さんの気をそらそうと、俺は彼女へと口づけをした。
再び、ぽってりとした、柔らかい感触が、唇へと重なってくる。
そうしていると、俺の唇へと、柔らかいものが当たってきた。
由美子さんの舌だった。
受け入れるようにして、俺も舌を絡めていく。
初めてのキッスってのはあるけれど、これは俺にとって、初めてのディープキスとなるんだな、と思いつつ、舌を合わせていく。
二人の呼吸を合わせるようにして、舌の表面同士を合わせあい、そしてお互いの口へと、自分の舌を伸ばしていく。
ぴたりとかみ合った口を通じて、彼女の吐息が敏感になった舌へと掛かってくるのが感じられる。
ゆっくりと舌を左右へと動かすと、とろりとした唾液が、まとわりついてくるのが伝わってくる。
そして、そんな俺の舌を受けて、彼女の溜息が荒くなっていく。
それは、まるで性感帯をいじられているかのようだった。
そんな彼女の表情に興奮した俺は、髪の毛をいじっていた右手を、うなじへと這わせ、そして肩を通じて、彼女の胸元へと伸ばした。
膨らみの部分までたどり着くと、それまでは手のひらを受け流すようだった布地の感触が、クッションのように弾みのあるものへと変わった。
Cカップぐらいかな……
姉さんに比べたら小さい方だけれど、まあ標準的って所か。
手のひらを乗せつつ、俺はそんなことを考えた。
そうしていると、俺の背中に重ねられていた、彼女の腕に力がこめられるのが感じられた。
自然と抱き合う力が強くなり、彼女の胸を触っていた俺の手のひらが挟まれる形になり、手の甲へと、俺の……って言うか姉さんの乳房が当たるのが感じられた。
手のひらと、手の甲へ、二種類のおっぱいが当たっている……
そんな状況に、俺は感動すら覚えた。
乱交パーティーでも無い限り、同時に二種類のおっぱいの感触を味わうなんてことは無いだろう。それを俺は今、体験しているのだ。
CカップとFカップ……足すと……G、H……Iカップか。
などと、意味不明な足し算が興奮した俺の頭で行われる。
それは単に、二つのおっぱいが当たっているのではない。
姉さんのおっぱいは、柔らかく、包み込むようなのに対して、由美子さんのそれは、弾力があって、手のひらを照れながら押返してくるかのようなのだ。
二種類のおっぱいの、触り比べ……
しかも、そのうちの一方は、俺の乳房なのだ。
手の裏表に柔らかく温かいおっぱいならではの温もりが伝わってくるのと合わせて、胸元には手の甲が当たってくる感触が伝わってくる。
そんなことを味わっているうちに、俺の背中に廻っていた彼女の手の、一方から力が抜けた。
腕を離したんだな、と思っていると、その腕は、俺の左乳房へと当たってきたのだった。
「触りっこ、しましょう。お姉さま」
言うなり、彼女の手のひらが、俺の乳房を服の上からまさぐり始めた。
膨らみの上の部分から、頂点の乳首を通って、乳房の下へと潜り込む。そして今度は、円を描くように、乳房の外側をたどって、再び上へと戻っていく。
その触り方には、子供が他の子供の頭を撫でるかのような、優しさと甘えが感じられた。
そうやって、彼女の手に余るサイズの、俺のおっぱいが触られている合間にも、俺は彼女のおっぱいをまさぐり続けた。
彼女のおっぱいは、手のひらにすっぽりと収まり、まるで、俺に触られるためにその大きさになっているかのように思えた。
そうしているうちに、彼女の息が、だんだんと荒くなっていった。
「お姉さま……そろそろ」
言うなり、彼女は両手を胸元にやり、そしてブラウスのボタンを外し始めた。
こういう場合は俺が脱がした方が良いのかな、と思っている合間にも、彼女はスカートを脱ぎ始め、そして下着へと手を掛けたので、俺も自分で自分の服を脱ぐことにした。
今朝、姉さんに教わったのと反対の要領で、スカートを脱ぎ、そして後ろへと手を回し、ブラのホックを外す。
幸いと、一発で外すことが出来た。
外すと同時に、胸元が真下へと引っ張られるような感じが伝わってくる。
姉さんならではの、乳房の重さだった。
そして、パンティを脱いでから、彼女がやっているのに合わせて、脱いだ服をたたんで、部室の長椅子へと置いた。
「お姉さま……」
身につけているもの全てを脱ぎ捨て、全裸になったことを認めてもらいたいかのように、由美子さんは胸も股間も隠さずに、俺の前に立ちすくんだ。
「由美子さん……」
「えっ!?」
「どうしたの?」
いきなり驚かれて、俺も驚いた。
「由美子さんなんて……いつもは、由美ちゃん、て呼んでくれるのに……わたし、何かしましたか?」
困惑した表情で、彼女はそう言ってくる。
まずい、俺は思った。
とっさに何を言っていいか分からずに、俺は、
「そうよ。実は沙織というのは仮の姿。本当は、姉さんと体が入れ替わってしまった、弟の義貴なんだ」
言ってから、俺は、我ながら、なんて理不尽なことを言ってしまったんだろうか、と思った。
そんな俺を、由美子さんは、さっき以上に不思議な表情で見つめている。
「なーんてね。冗談よ、冗談」
そんな彼女の表情を吹き飛ばそうと、俺は笑い飛ばした。
「実はね。弟の義貴、あなた……由美ちゃんに気があるみたいなのよ。昨日なんか『俺が姉さんだったら、毎日由美子さんに会えるのに』なんて言っていたの。それで、今日はそういう設定……わたしと義貴の体が入れ替わって、わたしの代わりに、義貴が学校に来てるってことで楽しもうと思っていたのよ。さっきは、いきなり由美ちゃんに抱きつかれちゃったから、言いそびれちゃって……」
必死にごまかす俺を、しばらくの間、じっと見つめていた由美子さんだったけれど、やがて、口元に手を当てて、くすっ、と笑った。
「面白いですよ。その話。じゃあ、お姉さまの中身は、義隆君なんですね」
「そうそう。その方が面白いでしょ。
ほら……あ、由美子さん。久しぶりです、俺、義貴です」
そう、いつもの口調で言ってみた。
「お姉さま、うまーい。そっくりですよ。さすがは、お姉さんだけあって、義隆君のこと、よく見てますね」
そっくりも何も、本人なのだから、それも当然だろう。
「でしょ。そういうことで、今日は気分を変えて、わたしが義貴の口調でしゃべるってのはどうかしら?」
言いつつ、この方が、ぼろが出ないだろうな、と俺は思った。
「わかりました……」
そう言って由美子さんは一呼吸置いてから、
「じゃあ、義隆君には、特別に、あたしの裸、見せてあげるね」
長椅子へと座って、そして両足を広げて、股間を俺の正面へとさらけ出したのだった。
子供っぽさを残す顔つきと、ちょうど良い大きさのおっぱい、そして生えそろったヘアとその下にある、蛍光灯に照らされて、そこから湧き出た粘液によって輝いている割れ目……そんな彼女を見つめると、俺はごくりと唾を飲んだ。
さっきとっさに言ったことだけれど、由美子さんに気があるというのは嘘ではない。たまに家に遊びに来て出会う度に、クラスメイトには無い年上感と、どことなく残る幼さが同居している様に、惹かれることが何度もあったのは事実だ。
気になっていた女の子が、全裸になって、俺の目の前にいる……
そんな光景に、俺は感動すら覚えた。
そして同時に、俺の視線は、彼女の股間へと向かった。
これまでに、インターネットで女の人のあそこは見たことがあるし、今朝も姉さんの体になって実物を見たばかりだけれど、その時は自分のものということで、角度からして、見づらかった。
でも今は、それをまじまじと見ることが出来るのだ。いわば、男の視線として初めて、女の人のあそこを見ることが出来るのだ。
そんな、今の俺が置かれている立場に喜びを感じつつ、俺は立ちすくんだ。
「義隆君、女の人の裸を見るのは、初めて?」
「あ、はい。初めてです」
完全に素になって答えてから、口から出た声が姉さんのものだったということで、今の自分の立場を再確認することとなった。
そうなのだ、今の俺は、姉さんになってしまった俺の振りをしている姉さんなのだ。
……ああ、ややこしい。
「そう。それじゃあ、じっくりと見ていいのよ」
そう言って、由美子さんは、さらに両足を広げた。
両足に引っ張られる形になったためか、それと同時に、股間からは、とろりとした粘液が、長椅子のカバーへと流れ落ちるのが見て取れた。
由美子さんの言葉に従って、すぐさま股間へと近づこうかと思ったけれど、ここは姉さんとしての余裕を見せようと、彼女の足の合間へと体を入れて、そして右手を伸ばして彼女の頭を引き寄せ、そして口づけをした。
ディープキスはさっきしたので、軽い口づけだったけれど、彼女の頬が、喜んだかのように、赤く染まった。
「うふふ。ちゃんとエチケットは知っているのね」
「初めての体験だからね。女の子には優しくしないと」
俺の口調でそう言うと、それが姉さんの声に変換されて、俺の頭へと響く。
まるで、姉さんが耳元で、俺の口調を真似してしゃべっているような、そんな感じだった。
それから俺は、唇からあご、そして首筋を這わせていくと、舌に伝わってくる感触がだんだんと柔らかいものになり、そして、きめも細かいものへとなっていった。
平坦だった道が上り坂へと変わるように、舌が盛り上がりへと移動していく。
その舌先には、さっき服越しに感じたのと同じ、跳ねるような弾力が感じられた。
そのまま舌を這わせていくと、柔らかい感触が、固まったものへと変わった。
由美子さんの、乳首だった。
俺は、それを口に含んだ。
そして、ちゅぱっ、ちゅぱっ、と音を立てながら、赤ん坊のように乳首を吸った。
「あぁん。甘えてくる感じがして、いつもと違うんだ」
そんな態度をさらに強めようと、俺は右手を乳房へと伸ばした。
服越しではなく、直に触る彼女の乳房は、パンパンに張った水風船のように、俺の指先を押し返してきた。
試しに俺は、右手で、由美子さんの乳房を揉みつつ、左手を、自分の乳房へと伸ばしてみた。
すると、今朝触った時と同じ、柔らかく、手のひらを受け入れるような感じが伝わってくる。
由美子さんのが水風船だとしたら、姉さんのは、空気風船だった。
由美子さんの乳房は、手を優しくはじき返すような感じで、姉さんのは、指先を受け入れる感じだった。
違いはそれだけではない。
大きさも違うのだ。
由美子さんのは、ちょうど手のひらにフィットする感じで、姉さんのは、手のひらからこぼれるぐらいなのだ。それは、二人の性格を表しているかのようにも思えた。
同じおっぱいでも、女の子によって、形も柔らかさも、まるっきり違うのだな、と俺は思いつつ、そういう体験ができることに感謝の念を覚えた。
そうやって、俺と由美子さんの胸を揉んでいるうちに、俺の股間がじわりと熱くなってきた。男の時みたいに、血が集まって固くなるってんじゃなくて、熱が集まって、そこがとろけるような、そんな感じだった。
俺は、自分の乳房を揉んでいた左手を、彼女の股間へと伸ばした。
指先に、ヘアの茂みがさわさわと触れてから、その下へと慎重に指を伸ばしていくと、指先に、ねっとりとして熱い肉の感触が伝わってきた。
「あはぁん」
指が触れると同時に、そこがスイッチであるかのように、由美子さんが甘い溜息を漏らす。
そんな男を誘うような声に惹かれて、俺は乳首を含んでいた口を離して、そして体をずらし、顔を彼女の股間へと持って行ったのだった。
そこには、さっき見つめたのと同じものが、アップで、はっきりと見て取れた。
俺の視線は、さっきはかすかにしか見えなかった、ヘアと割れ目の合間にある、ごく小さな突起――クリトリスへと集中した。
ここが、女の人の感じる場所なのか……
男のちん○んに比べれば、はるかに小さく、それこそ女性としての羞恥心を表しているかのように感じられた。
それから俺は、再び股間全体を眺めた。
男とは違って、淡さを感じさせられるヘアの茂み。
その下にある、上部を包皮に包まれた、ピンク色の突起。
そして、中から粘液が溢れだし、その下へと垂れている割れ目。
俺は、その割れ目を、それこそ、穴が空くほどに眺めた。
「義隆君には、もっと良く見せてあげる」
そう言うなり、由美子さんは、割れ目の左右へと人差し指を当てて、そして左右へと引っ張った。
すると、ぽてりとした入り口の肉が左右へと広がり、菱形を作り、その奥に、ピンク色の襞々が見て取れた。
そのピンク色の襞が、わずかにピクピクと動くのが感じられる。
俺は、この中にちん○んを入れたら、どんなに気持ち良いんだろうな、と思った。
これまでに、インターネットなどで、無修正の映像や動画は見たことがあるけれど、間近に見ると、やはりまるっきり違っていた。
何よりも違うのは、匂いだった。
画面や雑誌からは、決して伝わってくることのない感覚が、俺の鼻をくすぐる。
しかも、匂いだけでなく、それが実物であることを物語るかのように、熱気も伝わってくるのだった。
俺は、顔をさらに股間に移動させて、彼女の太ももが、俺の頭を挟むぐらいにまでに近寄った。
鼻先を、ヘアの茂みが、くすぐってくる。
その感触はまるで、公園の林の中に潜んで、青姦をしているカップルを盗み見ているかのような、そんな気を起こさせた。
そして俺は、口から舌を伸ばした。
舌先に熱気が感じられ、そして柔らかい突起が触れると同時に、
「あぁん」
頭上から、由美子さんの、甘えるような溜息が聞こえてきた。
本当に、クリトリスって感じるんだな。
そう思いつつ、俺は、女の人を感じさせているのだ、という男としての優越感が湧き起こるのを感じた。
その思いをさらに強めようと、俺は、突起に当てた舌先を、つぅっ、と下へと降ろしていった。
舌先には、触れれば壊れてしまいそうなぐらいに、ぐじゅぐじゅになった肉襞の感触と、しょっぱい味が伝わってきた。
「んっ……」
それと同時に、頭上からは、さっきとは違う、低い溜息が聞こえてきた。
そして、下まで降ろした舌を、割れ目に沿って再びなぞり挙げると、舌の上に、粘液が集まるのが感じられた。
集まった粘液は、玉を作るようにして、俺ののど元へと流れ込んでくる。
女の体が流し出す、蜜の感触が、俺の喉へとまとわりついてくる。
それから俺は、舌先を再び小さな突起――クリトリスへとやった。
「あはぁっ、あぁ……」
さっきよりも甲高い声を上げながら、彼女の体が、ぴくん、ぴくん、と跳ねるのが感じられた。
そして同時に、女性の一番敏感な場所を触られていることへの防御からか、それとも一番女性らしい場所を弄られていることへの恥じらいからか、彼女の体が、ごくわずかに、後退していくのが感じられた。
逃げようとする彼女の体を、男としての俺の本能が押さえつける。
両腕を彼女の太ももの下へとやり、そして両足を抱え上げるようにして、彼女の体を固定して、そしてクリトリスへの愛撫を続けていく。
「ああ、そこ……気持ち良い」
その言葉を体現するかのように、俺の両腕に抱えられた太ももが、ぴくりと跳ねるのが感じられる。
俺は、舌先に意識を集中させて、クリトリスを愛撫し、同時に責め立てていく。
優しく撫でるようにその先端を舐めた次の瞬間には、上部を包んでいる包皮を下でほじくり起こし、そして包茎のちん○んから亀頭をさらけ出させるようにして、露出した敏感な場所を責め立てる。
「やぁん。凄い……感じちゃう……」
そう言う彼女の手のひらが、俺の頭に乗せられるのが感じられた。
「ねえ、お姉さまのことも、気持良くさせて……」
まるで、母親が赤ん坊を胸元に抱きしめるように、彼女は俺の後頭部へ当てた手のひらを、やさしく、自らの股間へと引き寄せるのだった。
「舐め合いっこして……一緒に、気持良くなりましょう」
それって……シックスナインか、と俺の頭にその単語と、そして姉さんと由美子さんが、体を正反対に向けながら、お互いの股間を舐め合っている姿が浮かぶ。
そして、その強烈な映像を、すぐさま実際のものにするべく、俺は彼女の股間から顔を離し、そして彼女の顔を見つめた。
その表情は、快感と羞恥と、そしてさらなる欲望が入り交じったものだった。
俺は、彼女の体を、長椅子に倒して、そして体を反対方向へ向けて、再び彼女の股間へ、上下反対になるようにして、顔を近づけた。
さっきまで見ていたものの上下が逆になって、不思議な感じだった。
下から順に、ヘア、クリトリス、割れ目と来て、そしてその先には、小さくすぼまった肛門が見て取れた。
彼女の恥ずかしい所が丸見えだな、と思っていると、股間の方から、彼女の声が聞こえてきた。
「お姉さまのここ、もう濡れていますよ」
そうなのだ、俺から由美子さんのものが丸見えになっているのと同じように、由美子さんからも、俺のもの――姉さんの恥ずかしい部分全部――が、丸見えになっているのだ。
もしも俺が、男の体だったら恥ずかしさを感じていたかもしれないが、姉さんの体になっていて、女同士でシックスナインをしているということで、俺と同じ様子が、彼女にも見えているのか、と思うのだった。
「ほら、こんなに」
そう彼女が言うなり、俺の股間の割れ目へと、女のしなやかな人差し指が、割れ目の中へ入るか入らないかの微妙な力で、なぞっていくのが感じられた。
そして同時に、全身をなぞられているような、ぞくぞくとする快感が湧き起こった。
その感覚は、男では感じたことのないものだった。
これが、さっき、由美子さんが感じた快感なのか、そう思いながら、俺はさっきと同じように、クリトリスへと舌先を伸ばした。
すると、俺が上に乗り、上から下まで密着していた彼女の全身が、ぴくりと震えるのが感じられた。
そして次の瞬間には、股間のごく小さな部分から、ぴりぴり、とした、身を焦がすかのような感覚が全身に伝わり、そして彼女の上に乗ったまま、全身がぴくり、と震えた。
俺が由美子さんのクリトリスを舐め、そして彼女が俺のクリトリスを舐める。
鏡合わせのように同じ行動をし、そして同じ反応をする。
それから俺は、彼女のクリトリスへと舌先を絡めて、転がすようにすると、俺のクリトリスへも、彼女の舌が絡みついてくるのが感じられた。
その感覚は、全身にねっとりとした舌が絡みついてきて、そして全身の性感を刺激してくるかのようだった。
「ん……んくぅ……」
舌先で彼女のクリトリスを舐めつつ、俺の口からは、女の、姉さんの声で、その快感の強さを表すかのような喘ぎ声が漏れていく。
それも、AVとかで聞くように、単に耳に入ってくるだけではなく、喉の震えが頭全体に響き渡るような、最高級オーディオなんか目じゃないってぐらいの音響なのだった。
それから俺は、舌先を上へずらして、彼女の割れ目へと押し当てた。舌先には、ねっとりとした粘液と、熱くなった粘膜の感触が伝わってくる。
そして、探るように舌先を当てると、まるで引き込まれるかのように、舌先が割れ目の中へと入り込み、そして肉襞が舌を包み込んでくるのだった。
これが、俺にとっての、初挿入となるのかな、と思っていると、俺の股間が、左右へと広がり、そして中へと熱いものが侵入してくる感覚が伝わってきたのだった。
「あはぁ……」
体の中に、熱いものが入り込んでくる――男にはあり得ない感覚に、俺は違和感と、そして同時に興奮を覚えた。
由美子さんへと俺が与えているのと同じ感覚を、俺が与えられているのだ。
試しに俺は、舌先をすぼめて尖らせて、さらに肉襞の奥へと舌を進めた。
舌を包み込むように、粘膜の襞がまとわりついてきて、そして、同時に股間からは、俺が入れた以上に、由美子さんの舌が、俺の中へと入ってくるのが感じられる。
……ああ、入ってくる。
彼女の舌は、俺の中へと、どこまでも、どこまでも入ってくるかのようだった。もちろん、舌の長さなんて大したことはなく、ごくわずかの長さに過ぎないのだが、それが体の奥へと入ってくると思うと、まるで、そのまま舌先が伸びて、体の中心にまで入ってくるかのように錯覚してしまうのだった。
そうやって、彼女の割れ目へと舌を入れつつ、その女性ならではの感触と味を体験していると、それを受け止めて俺へとフィードバックしてくるかのように、彼女の舌も、俺の中を動き回るのだった。
そうしているうちに、割れ目から溢れる、とろとろとしていた粘液が、だんだんと、さらさらとしたものへと変わっていくのが感じられた。
それはまるで、よりスムーズな挿入を求めてくるかのようだった。
それに合わせて、俺の股間から、彼女の舌が離れて、そして訴えるような声で哀願してきた。
「お姉さま……あたし、もう舌だけじゃ、我慢できない。いつもの、太くて、大きいものを挿れて下さい」
その声は、快感に支配される一方で、自らの意志で、さらなる快感を求めてくるかのような、二律背反の声音が入り交じっていた。
その声を聞いて、俺は、姉さんのメモに従って、次の行動を取る時が来たな、と思ったのだった。
俺は、快感に痺れる体を持ち上げた。
彼女と体と密着していた箇所にたまった汗が空気に触れて、ひんやりとした心地良さを与えてくれる。
そんな、色々な感覚を感じながら、俺は家から持ってきた鞄を開けて、その中に入れているものを取り出した。
それは、ベルトで出来たTバック状の中心に、肌色のちん○んを象(かたど)ったものがついている、いわゆるペニスバンドという奴だ。
それも、ベルトの外に張り出しているだけでなく、内側の、それを付ける側にも同じようにペニスが付いている、双頭タイプのものだ。
俺は、舐め続けてきた由美子さんの唾液と、自ら出した粘液が混じり合った割れ目へと、内側のちん○んを、ゆっくりと挿入した。
「ん……」
体の中心が左右へと割れて、その中へと、冷たい無機質のものが入ってくるのが感じられる。
今朝、姉さんに俺のちん○んを挿入されたばかりだけれど、同じ挿れるにしても、その感触はまるっきり違っていた。
広がった雁首の部分が、俺が埋め込んでいくのに合わせて、ゆっくりと中へと入ってくる。姉さんにいきなり入れられるのと違って、自分で自分に入れているんだ、という気持ちになってくる。
そして、根本まで入った所で、俺はベルトを背中へと回して、そして結び合わせた。
下を見ると、胸の谷間の先に、肌色のちん○んが生えているのが見える。
おっぱいとちん○んの組み合わせ。
……これって、ふたなりってやつか。
俺は、そんなことを思いながら、股間に力を入れてみた。
すると、男の時ほどではないけれど、わずかにちん○んが動くのが見て取れた。
試しに、股間に手を伸ばして、肌色のちん○んを触ってみた。当然、触ってみても、触られた感触は伝わってこないけれど、上下に揺さぶってみると、その反動で、俺の股間へと入り込んでいる方のちん○んが揺れるのが感じられる。
それから俺は、右手でちん○んを握ったまま、仰向けになっている由美子さんへと近づいていき、そして体を重ねていき、股間から生えるちん○んの先端を、彼女の割れ目へと近づけた。
考えてみれば、女の体にちん○ん――と言っても今回は偽物だけれど――を入れるのは、初めてのことだ。
こういうのも、初体験に入るのかな、なんて思ったりする。
ゆっくりと近づけていき、そしてちん○んの先端が彼女の割れ目に当たるのと同時に、その反動が、俺の股間へと伝わってきて、股間の中を揺さぶる。
それから俺は、一気に腰を押しつけて、彼女の中へと、ちん○んを入れた。
「はぁっ!」
股間に大きなものを入れられて、その勢いが直接、口へと抜け出たような声を、彼女が上げた。
俺が腰を押し出す度に、肌色のちん○んは、彼女の中へ、ずぶずぶと入っていく。
そして、俺と由美子さんの腰が密着し、ちん○んはすっぽりと中に入ったのだった。
それは、不思議な感覚だった。
俺の股間から生えているちん○んが、由美子さんの中に入っているはずなのに、男としての俺が感じるべき、ちん○んからの快感は、まるっきり伝わってこない。
オナニーの時にいつも想像していた、ちん○んが熱く濡れた襞々に包み込まれる感覚は、微塵も感じられない。
それは、拍子抜けと言った感じだった。
せっかくの、女性への初挿入だというのに、それをまるで実感できないのは、寂しいことだった。
でも、これも姉さんの代理としての役割なのだから、と自分に言い聞かせて、俺はピストン運動を開始した。
これまでに、男の体で布団に寝そべっている時に、将来のためと思って、腰を前後に動かして、ピストン運動の練習をしたことはあるけれど、やはり実際にやってみるのは、それとはまるっきり違っていた。
何よりも、腰の動きが、彼女の中に入っているちん○んを、膣口に沿って動かさなければならないのだ。
その角度がずれると、反動で俺の中に入っているちん○んも、ぐい、とねじられるのが感じられる。
しばらく腰を前後に動かしていくうちに、ようやくそのコツを覚えてきた所で、
「なんだか、お姉様の腰使い、いつもと違ってぎこちない。
あ、そうか。今回は、童貞の義隆君だから、そうなのね」
頬を赤らめながら、由美子さんは小さく笑みを浮かべて、そう言ってきた。
「そうよね。初体験だものね。
いい? 女の人を気持良くさせるには、単純に腰を前後に動かすだけじゃなくて、深く入れるのと、浅く入れるのを、交互にやるといいのよ」
童貞に性の指導をするお姉さんのような、ちょっと優越感の混じった表情で、由美子さんはそう言ってきた。まあ、実際に俺は童貞なのだから仕方がないのだけれど。
「それじゃあ、やってみるね」
そう言って、俺は、由美子さんの言う通り、腰を深く入れてから、いったん引き抜き、そして膣の半ばぐらいを刺激するように、今度は浅く入れてみた。
それを繰り返していると、
「そうよ。そんな感じで、リズムを付けて……」
教える口調だった由美子さんの声に、再び切なげな調子が混じってくる。
深く、浅く……俺は、それを繰り返していった。
そして、それに合わせるように、俺の股間へも、強弱の入り交じった挿入感が、伝わってくるのだった。
それは、不思議な感覚だった。
俺のちん○んを彼女の中に入れる度に、その反動で、俺の中へとちん○んが入ってくる。
そうしているうちに、俺はさっきのシックスナインを思い出した。
あれと同じなのだ。
女同士で、同じ感覚を共有する感覚。
男として、由美子さんにちん○んをいれていたら、絶対に味わうことが出来なかったろうな、と思う。
「そ、そう……もっと、強く。だんだん、激しくしていって良いから」
挿入される快感に流されながらも、彼女はそう言ってきた。
それに従って、俺は腰を前後に強く動かした。
俺と由美子さんが結び合っている部分を見ると、俺の股間から生えているちん○んが、激しく前後に揺れて、そしてその幹には、彼女の愛液がべっとりとまとわりついて、彼女の中が、いかにぐちゅぐちゅとしているかを物語っている。
結合部分から溢れ出る粘液も、量も増えて、そして、さらさらとしたものへと変わっていくのが見て取れた。
「ああ、お姉さま……あたし、もうイッちゃうっ!」
そう叫ぶなり、彼女は両腕を伸ばして、俺の上体を自らの体へと引きつけた。
CカップとFカップの乳房が重なり合い、そして俺の後頭部へと彼女の手が伸び、引きつけられるように、俺は彼女と唇を重ねた。
「ん……ん……」
ぴったりと張り付いた口から、彼女の切なげな吐息が流れ込んでくる。
そして、体と同様に、ぴったりと張り付いた股間を、俺はさらに奥へと、ぐいっ、と押し込んだ。
すると、それに合わせるようにして、彼女の全身が、ぴくん、と跳ねる。
そして、背中を持ち上げて、弓なりになったかと思うと、
「あはぁぁっっ!」
これまで以上に、ひときわ甲高い声を上げたかと思うと、突然力が抜けたかのように、彼女の体が、がくり、と長椅子にもたれこんだ。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
目の前に近づく、彼女の口からは、荒い溜息が漏れてくる。
「あたし……またお姉さまを置いて、一人でイッちゃった……」
興奮に浸る中で、どこか申し訳なさそうな顔で、彼女はそう言ってきた。
そんな謝るような彼女の気持ちとは裏腹に、俺は感動を覚えていた。
……俺が、女の子を、イカせた。
そう思うと、俺の頭の中にあった、男としての征服感が、急激に満たされるのが感じられた。
初めての体験で、相手の女の子をイカせられたなんて、男冥利に尽きるってものだ。
男としての快感も、そして射精感も感じられなかったけれど、女の子をイカせられたってことだけで、俺は満足した気分になった。
「ありがとう、お姉さま」
そう言って、彼女は再び俺の後頭部へと頭を回し、そして口づけをしてきたのだった。
俺の頭に、じーん、とした痺れるような快感の余韻が湧き起こる。
そして、唇が離れるなり、
「イッた時の顔、可愛かったよ。由美子さん」
俺は、彼女の瞳を見つめつつ、黒髪を撫でながら、そう囁いた。
そう言われた彼女は、心底嬉しそうな顔をした。
その表情は、イッた時以上に、心地良さげに見えたのだった。


第4章「姉さんの彼氏と……」

由美子さんとのレズプレイを終えて、二人して部室のシャワーを浴びて、股間を中心にまとわりついていた二人の体液を流し終えてから、俺は彼女とさよならをして、駅へと向かった。
そして、JRとの接続駅まで行って、改札口の近くで、次にやらなければならないことを、待ち構えた。
しばらくすると、後ろから肩を叩かれた。
後ろを振り向くと、気取った格好をした、俺(姉さんではなく、男としての俺)よりも、背の高い、やや色黒の男が、ジャケット姿で立って、こちらに笑みを浮かべていた。
その顔には、見覚えがあった。
姉さんの彼氏の、広中敏史さんだった。
「待った?」
必死で姉さんとして、自然に振舞おうとする俺とは対照的に、敏史さんは軽い調子でそう言って、右手を挙げて、やあ、と言ったポーズを取ってきたのだった。
「ううん、わたしも、今来たところだから」
「じゃあ、さっそく行こうぜ」
敏史さんは、嬉しそうな笑みを浮かべて、俺の手を引っ張った。
俺が次にやること……そう、それは姉さんの彼氏である敏史さんと、エッチをすることなのだった。
……姉さんの彼氏とのエッチ。
今の俺は姉さんなのだから、と自分に言い聞かせつつ、俺は敏史さんの顔を見た。
その顔は、とても嬉しそうだった。
男って、女の人とエッチが出来ると思うと、こんなにも嬉しい顔をするのだな、と妙な感心をしてしまうぐらいだった。
「あ、ちょっと待って。今日は、これまでに行ったことのないラブホテルに行きたいな」
俺は、姉さんに入れ知恵された通りに、上目遣いに、いかにも女の子が甘えておねだりをするような仕草で、そう言ったのだった。
いつもは、彼氏の部屋か、いきつけのラブホテルでエッチをするそうなんだけれど、そうすると、姉さんの正体が俺だってことのぼろが出るかもしれないから、ということで、いつもは言ったことのないラブホテルを指定しろ、というのが姉さんの案だった。
「いいねえ。そういうのも、新しい刺激って奴で」
そんな俺の企みも知らずに、敏史さんは笑顔をさらに強調するように、俺の言葉に乗ってきた。
つくづく、エッチを前にした男って、単純になるのだなあ、と自分のことを棚に上げて、俺は思うのだった。
そして、しばらく二人で繁華街を歩き、そこを抜けると一転してラブホテル街へと変わった。
「入ったことの無い所って言うと……ここなんかどう?」
そう言って、敏史さんは、お城のような作りの建物を指さした。
これまでに、ラブホテルなんてのは、縁のないものだと思って、まじまじと見たことが無かったけれど、こうやって見てみると、ずいぶんと安っぽい作りなんだなあ、と思う。まあ、普通のホテルとかと違って、そう金を掛ける訳でもなく、それに、これからエッチをするのだと思えば、そんな安っぽさも目に入らないのかもしれない。
そんなことを思いながら、敏史さんは俺の手を引っ張って、建物の中へと入った。
ラブホテルに入るなんてのは、これが初めてだった。
入り口を抜けると、壁に各部屋の写真が飾られていて、下には使用中か空室かがランプで記されている。
使用中ってことは、この部屋では、今現在、エッチなことが行われているのだなあ、と思っていると、いきなり声を掛けられた。
「沙織、どの部屋が良い?」
いきなり聞かれても、どんなラブホテルが良いかなんて、良く分からない。とりあえず俺は、一番最初に目に付いた、ちょっとしたプールみたいな風呂場の写真が貼られている部屋を、指さした。
「その部屋か。分かった」
そう言って敏史さんは、受付に行って、部屋の番号を口にした。
受付なんて言うと、JRのみどりの窓口みたいなのを想像するけれど、初めて見るラブホテルのそれは、受付と言う言葉とは正反対で、なるべく客と店員が視線を合わせないようにと、10センチ程度の小さな窓が、下にあるだけのものだった。
まあ、客にしても店員にしても、相手とは顔を合わせたくないんだろうなあ、と思っているうちに、敏史さんは小さな窓へとお金を差し出し、そしてお釣りと部屋のキーを受け取ったのだった。
「2階だから階段でいこうぜ」
そう言って、敏史さんは、再び俺の手を引っ張った。
そして部屋へとたどり着き、鍵を使ってドアを開ける。
敏史さんに続いて中に入ると、部屋の真ん中には、ダブルベッドが、でん、と置かれていた。
そんな、いかにもな作りを見て、俺は、生まれて初めて、ラブホテルに入ったんだなあ、と実感した。
ただ問題なのは、ラブホテル初体験が、男と一緒に入った、ということだった。まあ、今の俺は姉さんの体なのだから、男女して入ったと言うことでは正しい入り方なのだけれど、どうせ入るのだったら、男として、彼女を作った暁に、その彼女と一緒に入りたかったなあ、と思ってしまう。
まあ、今回のはノーカウントということで、と、自分自身に言い訳しつつ、俺は中へと入った。
「お、もうお湯が入っているんだ」
部屋に入って、風呂場のドアを開けた敏史さんが、そう言ってきた。
俺はその後ろから、背伸びをして彼の肩越しに見てみると、なるほどさっき入り口で見たのと同じ、小さなプールのような風呂場が見えた。
「それじゃあ、さっそく入ろうぜ」
言うなり、敏史さんは、いそいそと服を脱ぎ始めた。
「……一緒に、入るんだっけ?」
修学旅行の時ならいざしらず、男と二人っきりで、風呂に入るのに抵抗を感じた俺は、思わずそう聞いてしまった。
「そうだな。ここは広いから、一緒に入ろうぜ」
幸いと、俺の質問を、普通の問い掛けだと受け取った敏史さんは、そう言ってきた。
その顔は、またしても嬉しそうだった。
はあ……男って……
俺は何度目かの、心の中での溜息を漏らした。
そして俺は、敏史さんが脱ぐのに調子を合わせるようにして、服を脱いでいった。
ブラウスを脱ぎ、スカートを脱ぎ、そしてブラのホックへと手を掛ける。
くいっ、とホックを外すと、押さえを失った肩ひもが、乳房の重みで前へとずれて、そして胸元へと、柔らかいものが張り付き、そして下へと引っ張ってくる感覚が伝わってくる。
胸元が下へ下へと引っ張られるようなその感触は、何度体験しても違和感のあるものだった。
そんな俺の心情なんてつゆ知らず、敏史さんは、ブラを外す俺を、まじまじと見つめてくる。
服を脱ぐ様子を、男に見られるなんて、変な感じだった。
そして、俺がパンティを脱ぐと同時に、敏史さんもトランクスを脱いだ。
すると、その中から、勃起して上を向いたちん○んが姿を現した。
修学旅行の時に、他の男のちん○んを見たことはあるけれど、さすがに勃起しているものなんて見るのは、これが初めてだった。
俺は思わず、俺(男として)のものを頭に浮かべ、そして見比べてしまった。
負けた……
俺はそう思った。
長さにしても、太さにしても、そしてだめ押しするように雁首のサイズも、俺のよりも大きかった。
確か、男性向け雑誌に載っていた、ちん○んの平均サイズとやらを見て、俺は自分のものが平均サイズだと安心していたのだけれど、それよりも大きなものを見せつけられると、ちょっとショックを受けてしまう。
「沙織、なに見とれてるんだよ」
目の前で勃起している敏史さんのちん○んをまじまじと見つめていたことをたしなめられて、俺は慌てて手を振って、
「あ、え……何でもないわよ」
そう言ったのだった。
「見て無くても、すぐに入れてやるからな。さ、まずは風呂に入って体の洗いっこをしようぜ」
そう言われて浴室へと引っ張られると、室内に充満していた湯気が、いつも以上に、むわっ、と感じられた。
これって、姉さんの体になって、敏感になっているってことかな?
そんなことを考えているうちに、敏史さんはシャワーを手にして、そして俺に当ててきた。
「きゃっ」
いきなりのことに、女の子っぽい、軽い悲鳴が、俺の口から漏れる。
「ほら、体を洗ってやるから、こっちを向けよ」
そう言って、敏史さんは、両手にボディソープをべったりと付けて、俺に迫ってきたのだった。
そして、俺の胸元へと両手が当てられ、乳房が下から持ち上げられる感触が伝わってくる。
持ち上げられると同時に、それまで肩と胸元へと掛かっていた、下に引っ張られるような感覚が消えて、代わりに、柔らかいものが乳房に押し当てられている感触と、そしてその乳房へと、男の手のひらが張り付いてくる感覚が感じられるのだった。
ボディソープを乳房一面に塗り上げるように、敏史さんの手が、乳房の下から、その表面の丸みをなぞって、上へと向かった。
滑らかなボディソープに包まれた指先が乳首を擦っていったかと思うと、下からの支えを失って、再び乳房が垂れ下がり、肩と胸元が下へと引っ張られる感覚が伝わってきたのだった。
「んっ」
その感覚に、俺は甘い溜息を漏らしてしまった。
それに気をよくしたのか、敏史さんは、再び手のひらを乳房の下に当て、そして今度はすくい上げるようにして、乳房を持ち上げるのだった。
俺の胸元で、姉さんの乳房が、ぽよぉん、ぽよぉん、と、まるでオモチャのようにはね回る。
そうされているうちに、俺は胸元に張り付いている乳房が、だんだんと熱くなっていくのを感じたのだった。
そして、熱くなった乳房の熱は、その先端にある乳首へと集まっていく。
男のちん○んが勃起するかのように、乳首がだんだんと固くなり、そして敏感になっていくのが感じられた。
「もう固くなってきたぜ」
そんな俺の神経を見透かしたかのように、敏史さんは乳首へと指先を伸ばしてきた。
「ほうら。つまみ上げられるぐらいに、大きくなってきた」
言って敏史さんは、俺の両乳首を、それぞれの指先でつまみ上げた。
すると、それまで肩と胸元に掛かっていた乳房の重みの一部が、乳首へと集中するのが感じられた。
自分の乳首で感じる、自分の乳房の重さ。
なんとなく、いやらしさを感じさせる感覚だった。
敏史さんが、そのまま乳首を摘んでいると、ボディソープのぬるぬるによって、乳首はゆっくりと指の合間を滑っていき、そして、ぬるん、とこぼれ落ちた。
途端、胸元がおっぱいに引っ張られるような感覚が伝わってくる。
そして再び敏史さんは、俺の乳房を弄り始めた。両手を広げて乳房を鷲づかみにしたかと思うと、今度は指先を揃えて乳首を撫でるように動かしていったり、かと思えば人差し指で乳首を転がしたりと、それこそオモチャのように扱ってくるのだった。
触られつつ、俺は今朝、目が覚めて、自分で姉さんの胸を揉んだことを思い出した。
あの時は興奮するままに、その柔らかさを堪能したのだけれど、敏史さんの触り方は、それとはまるっきり違っていた。
俺なんかよりも、おっぱいの感じるツボを心得ているのだ。
触って欲しい、と思う所をわざと外して焦らすかと思うと、いきなり不意をついて、むしゃぶりついてくる。
さすがは姉さんと付き合いの長い彼氏だけのことはあるな、と俺は感心してしまった。
「やっぱり、沙織のおっぱいは良いなあ」
感慨深げにそう言ってきてから、敏史さんは触っているだけでは我慢できなくなったのか、俺に抱きついてきた。
目の前に男の顔がアップで近づいてくるのにどうにかこらえている俺の胸元へ、胸毛の生えた彼の胸板が当てられる。
すると、そこから逃げるかのように、俺の乳房が左右へと広がっていくのが感じられた。
それを押さえ込もうと、彼の手が俺の背中へと回され、二の腕が乳房を左右から押し込んでくる。
前は男の胸板で、左右は男の二の腕に囲まれて、俺の乳房は窮屈さを表すかのように、その谷間をより深く作り出したのだった。
当たってくるのは、胸板だけじゃない。
下腹部の辺りに、固くて熱くて長いものが当たってくるのだった。
見なくても、実感として良く分かる。勃起したちん○んだ。
さっき見た時には、俺のより大きいな、と思ったけれど、こうやって直に肌に当てられると、その凶暴とも言える勢いの良さが、はっきりと感じられるのだった。
「それじゃあ、このまま風呂に入ろうぜ」
「あ、う、うん……」
抱きすくめられるままに、俺は体を動かして、バスタブへと入った。
さすがに小さなプールぐらいの大きさだけあって、二人で入っても、広々としたものだった。
そして、胸元までお湯に浸かった途端、それまで下へと引っ張っていた乳房が、お湯に浮かんで、俺の胸元で、ぷかり、ぷかり、と漂うのが感じられるのだった。
まあ、乳房なんて脂肪で出来ているから、お湯に浮かぶのは当たり前かもしれないけれど、体の一部だけが、ふわふわとお湯に浮かぶのは、不思議な感覚だった。
「ほら、ボディソープ、洗い落としてやるよ」
そう言って、敏史さんの手が、乳房へと伸びてきた。
お湯の中で触られているせいか、さっきよりも敏感に指先の動きが感じ取れた。
そして、ボディソープを洗い流すというよりかは、おっぱいを弄んでいるうちに、おっぱいをコーティングするようにして塗られていたボディソープが、お湯に流れていくのが感じられた。
「さ、それじゃあ、ベッドへ行こうぜ」
言うなり敏史さんが、湯船から立ち上がった。
座ったままの俺の目の前に、見事なまでに勃起した敏史さんのちん○んが姿を現す。
「う、うん」
ちょっとしたコンプレックスを感じながら、俺はタオルで体を拭き、そして手を引っ張られるままにベッドへと向かったのだった。
そしてベッドにたどり着くと、
「それじゃあ、まずはシックスナインをしようぜ」
そう言うなり、彼はベッドに仰向けになった。
シックスナインは、午前中に由美子さんとしたばかりだけれど、今回は相手が男と来ている。
俺は、体を正反対に向けて、彼へと乗りかかった。
そして目の前には、すっかり勃起したちん○んが立ちはだかったのだった。
他人の、それも勃起したちん○んをこんなに間近で見るのは、不思議な気持ちだった。それに、すっかり勃起して腹に張り付くぐらいになっているので、いつもオナニーする時に自分のを見るのとは、角度がまるっきり違っている。
ちん○んの裏側って、こんな風になっているのか……中心を走る裏筋とそして浮き出る血管、さらには根本からぶらさがる玉袋を、俺は妙な気持ちで見つめ続けたのだった。
「あふぅっ」
そんな俺の股間へと、なま暖かいものが触れてきた感触に、俺は声を上げてしまった。
「ほら、はやくしゃぶってくれよ」
そう言ったかと思うと、彼の舌が、俺のクリトリスへ当たってきて、ぴりぴりとした刺激を生み出すのだった。
ああ、俺がこれをしゃぶるのか……
右手の指先で摘んでみると、オナニーの時と同じ感触が伝わってくる。
男のものをしゃぶるのは、もちろんこれが初めてだったし、まさかこんなことをする時がこようとは、思ってもいなかった。
しかしながら、今の俺は、姉さんの体で、相手はその姉さんの彼氏なんだから、と自分に言い聞かせて、俺は目を閉じて、当てた右手を動かして、口の中へとちん○んの先端を導いた。
唇に、いやな感じの柔らかさが伝わってきて、そして口中へと、男の欲望の入り交じったとでも言う熱気が伝わってくるのが感じられた。
そして口の裏と舌へと、固いものが触れてくる。
それから俺は、唇で陰茎を包み込んだまま、口をゆっくりと引いて、唇でちん○んをしゃぶり上げた。
そうしているうちに、唇へと、出張った雁首が当たるのが感じられた。俺は、その形を唇でなぞるようにしていき、そして最後に、尿道へとキスをするようにしてから、口を離した。
それから俺は、再び口で雁首を含み、そして舌先を亀頭へと這わせた。
いつも姉さんがどうやっているかは分からないけれど、いつもオナニーしている時に、フェラチオされるんだったら、こうやって欲しいな、と想像しているのを実行するように、舌を這わせるのだった。
そうしている間にも、股間からは、男とはまるっきり違う感覚と、そして快感が伝わってくる。
シックスナインは、さっき由美子さんとしたばかりだけれど、男とのそれは、まるっきり違っていた。
女同士の場合は、鏡合わせみたいに、自分が相手の性器を弄り、それを受ける相手が感じるのと同じことを感じるのだけれど、今回はそうではない。
男のちん○んを気持良くさせようと舌を動かすと、股間からは、慣れない感覚――クリトリスを舐められ、割れ目をこじ開けられ、そして男とはまるっきり違う、女の快感を感じるのだ。
「今日の沙織、なんかいつもと違うな。
やっていることはぎこちないんだけれど、男の感じるツボを押さえているって言うか、そんな感じなんだよな」
そりゃそうだ、と俺は思った。
同時に、そんなことを誉められても、ちっとも嬉しくないな、と思った。
「沙織、俺、もう我慢できない……」
鼻息荒く、そう言ってきたかと思うと、俺の体が下から軽々と持ち上げられ、そして仰向けにされ、ベッドに横にされる。
そして仰向けになった俺の両足を広げて、その合間に敏史さんが入ってくるのが感じられた。
クーラーの効いた室内の冷気が、足を広げられて、その中心にある割れ目の内側から溢れ出た粘液に触れてきて、ひんやりとした感じを伝えてくる。
そして、そこへ割り込むように、熱いものが近づいてきたかと思うと、ひくひくと動いているのが感じられる割れ目へと、なま暖かくて、柔らかいものが触れてくるのが感じられるのだった。
「沙織、いくぞ」
言うなり敏史さんは、ちん○んの先端を俺の割れ目へと押し当て、そしてゆっくりゆっくりと腰を進めてきた。
「あふ……うん」
体の中心が左右へと広げられ、そしてその部分へと、熱くて固いものが割り込んでくるのが感じられる。
今朝、姉さんとエッチした時にはいきなり挿入されたけれど、こうやって慎重に腰を進められると、今の俺って、女の体になっていて、そしてちん○んを入れられているんだなあ、ってことがやけに実感として感じられる。
そして、ちん○んは、ずぶずぶと、どこまでも入ってきた。
「ああ、入った……」
敏史さんがそう言ってきた時、俺は、股間の奥底にあるものが、ちん○んの先端によって押し上げられてくるのが感じられた。
それは、俺になった姉さんが入れてきた時よりも奥深くまで入ってきていて、そして俺のよりも、ごつごつとしているのが感じられた。
中に入ってきたものは、その中のうごめきをさらに感じようとするかのように、俺の中で、ぴくん、ぴくん、と脈打つのが感じられた。
そして、俺の奥を押し上げていたものが、ふいに引っ張り上げられ、俺の体内が雁首によって外へと掻き出され、そしてちん○んが抜けて行くに従って、空気鉄砲の栓を閉じてポンプを引っ張った時のように、俺の中が吸引されるのが感じられた。
「あくぅっ!」
股間の中心で起こっているだけのことのはずなのに、まるで全身が引っかき回されているかのような感じが伝わってくる。
そして続く、全身の力が抜けていき、それが快感へと強制変換させられるかのような感覚。
そして雁首によって、柔らかい膣襞が割れ目の外にはみ出したんじゃないかと思えてきた時に、
「あはぁっ……そんな、急に……」
まるで、十分に引っ張って、丸くしなった弓矢から、矢が解き放たれたかのように、俺の中へと、柔らかく、そして固いものが再び入り込んでくる。
「ああぁ……深い……」
膣の奥にあるもの――多分、子宮なんだろう――が、入り込んできた亀頭によって、押しつぶされるような感じがする。
押しつぶされるに合わせて、まるで水を含んだスポンジが押されて水を染み出すように、全身にずしんとした、甘い疼きが散らばっていく。
そして再び、俺の膣内が抜け出ていくちん○んによって吸引されていき、そして突き上げられる。
「あはぁんっ……ああ、良い……こんなのって……凄い……」
俺の体になった姉さんに犯されている時以上の、俺の全身を圧倒し、飲み込んでくるかのような快感が、俺を襲ってくる。
体が浮かび上がり、そして流されそうな気になって、俺は右手でベッドのシーツを握りしめた。
そして、挿入されると同時に背中が反り上がり、口が自然に開き、そこから喘ぎ声が漏れる。
そんな俺の視界に、裸になり、男に組み敷かれている姉さんの姿が入ってきた。
それは、天井に張られた、鏡に映っている、姉さんと敏史さんの姿だった。
姉さんは、全裸の男の下で、おっぱいをさらけ出し、そして快感に身を任せるようにして体を震わせながら、その我慢し切れなさを物語るように、シーツを握りしめている。
俺には絶対に見ることの出来ない、姉さんの、もう一つの、そして本当の姿だった。
それは、姉さんが主演のAVを見ているかのようだった。
これまでに俺は、想像で姉さんをおかずにしてオナニーをしたことがあるけれど、やはり現物はリアルだった。
頬を赤らめつつ、薄目でこちらを見つめてきている。
茶色の髪の毛が白いシーツの上に、乱れ散らばっている。
そして頭中に、姉さんの喘ぎ声が聞こえてくる。
それは、どんなAVなんかよりもリアルで、そして淫らだった。
いや、AVなんかとは比較にならない。
何しろ俺は、その鏡に映っている姉さんが体験しているのとまるっきり同じこと――セックスをされる女の快感を味わっているのだから。
姉さんの乳房が揉まれると、俺の胸元にある柔らかい乳房が、力強い男の手によって揉みしだかれるのが感じられる。
姉さんがちん○んを挿入されると、俺の股間が圧迫され押し広げられ、そして中へと太いものが入ってくるのが感じられる。
姉さんが喘ぎ声を上げると、その口に合わせて、俺の頭へと、甘美な響きが広がり渡っていく。
まるで、映像に映っているAV女優の感覚がバーチャルリアリティに体験できる装置でも使っているかのようだった。
そんな姉さんの上に覆い被さっている彼が、姉さんへと体を重ねてきた。
そして、乳房の先端にある乳首へと、なま暖かく、ねっとりとした男の舌が絡みついてくるのが感じられる。
「あはぁ……」
乳輪へと唇が押し当てられ、熱い吐息が掛かってくる。
固くしこっている乳首の根本が、ぬめりとした舌先にほじくされる。
乳首の先端へと、舌の中心が張り付いてくる。
男にもあるはずの器官――乳首が、どうしてこんなにも感じるんだろうかと言う違和感を覚えつつも、俺は女として本来は赤ん坊に母乳を与えるためにあるはずの器官が、男によって舐められ、そして過敏な刺激を生み出すことに、自然と溜息を漏らすのだった。
口と舌で片方の乳首を弄られる一方で、もう一方の乳房へと、男の手のひらが添えられてくるのが感じられた。
そして、男の手にもあまるぐらいに大きな乳房が、手のひら一杯に広げられて鷲づかみにされつつ、パン生地のようにこね回されるのが感じられる。
言ってみれば胸を触られているだけにすぎないはずなのに、柔らかい肉が一杯に詰まった乳房を揉まれる感覚は、男では味わうことのできないものだった。
やわやわと触られているうちに、男の指先が触れてくる部分が熱くなっていき、そして熱を帯びた乳房が、一回りは大きくなっていくかのような錯覚に囚われる。
「あぁ……もっと、強く揉んで」
女としての本能が、俺にそう言わせさせた。
そして、そうされることをもっとはっきり望もうと、俺は乳房を揉んでいる男の手のひらへと、姉さんの手を重ねた。
しなやかな指先へと、男の、ごつごつした手触りが伝わってくる。
そして、きゅっ、と手のひらを、自らの胸へと押し当てる。
すると、乳房へと当たってくる、手のひらの感触は、ますます強く、そして荒いものへと上昇していった。
「そう……そのまま……ずっと……」
おねだりをする、姉さんの声が、俺の頭に響く。
そして、その声に従って、男の手が動き、俺をさらなる女の快楽へと導いていく。
それは、風呂場での愛撫と同じ、ツボを得たものだった。
そこから受ける感覚も、愛撫で敏感になっているのか、さっき以上に気持良く感じられた。
そうやって、乳首と乳房をいじられている間にも、股間にはピストン運動でちん○んが出入りしてくるのが感じられる。
乳首、乳房、クリトリス、膣……男には無いものが刺激され、そして男では味わうことの出来ない快感が湧き起こる。
「ああ……気持ち……良い……
それ……もっと……」
そうやって快感を口にする俺の耳元へと、男の顔が近づいてきた。
「沙織、なんかいつも以上に感じているんじゃないか」
「え、そ、そう……?」
快感にぼんやりとしながらも、俺はそう呟いた。
「なんて言うか、初々しさを感じるんだ。まるで、ポルノ小説で、処女がいきなり感じてるみたいに」
ああ、と俺は思った。
何しろ姉さんの中身は俺なのだ。いつもと違った反応をして、それが初々しく見えるのだろう。
そんなことをぼんやりと考えつつ、
「おかしい?」
俺が姉さんになっていることが、バレたかな、と思って、俺はそう聞いてみた。
「いや、何だか新鮮で良いぜ」
「……多分、これまで入ったことのないラブホテルに入ったからだと思う」
そんなごまかしの答えに彼は、
「そうか。気分転換ってのも良いかもな。これからも、この調子で頼むぜ」
笑みを浮かべてそう言ってきたのだった。
そんな嬉しそうな彼の顔を見て、やっぱり男って単純だな、と俺は思うのだった。
そうしているうちにも、乳首と膣、そしてその奥にある子宮への刺激は、連携したものへと変わっていき、全身に絡みついてくるかのように、執拗で、かつ男の欲望を感じるものになっていく。
それまで、ばらばらに感じていた乳首と膣の間に、快感を交換し合って、そして強め合うための神経が出来たかのように、体の上と下で起こる快感が、つながりあい、そして高め合う。
俺は、体が条件反射のように動いて、そして両腕が彼の背中へと周り、その胸板を自分の胸元へと引き寄せ、そして両足が彼の腰へと絡みつき、深々と挿入させたままの状態を願うのが感じられた。
そして自らの意志で、両手と両足に力を入れて、力強い体を、引き寄せる。
ん……
そんな、強い愛撫を求める姉さんへと、彼がキスをしてきた。
唇へと、男の熱い抱擁が感じられる
乳房が、男の胸板におされて、胸元一杯に広がるのが感じられる。
乳首が、男の胸毛に刺激されるのが感じられる。
膣中に、男のちん○んが入り込んでいるのが感じられる。
子宮に、男の亀頭が突き刺さってくるのが感じられる。
それはいずれも、愛撫を受ける姉さんが感じているものであり、そして姉さんが感じていることを俺が感じているのだった。
男によって、セックスの快感を味わわされている……
征服欲を伴った男の本能とは違う、体を、神経を、そして心を支配されることから来る快感。
男とは正反対の、そしてまるっきり違う快感。
男以上の……快感。
そんなことを味わっている俺の耳元へと、せっぱ詰まった彼の声が聞こえてきた。
「出すぞっ。出すぞ」
俺の奥へ入り込んでいるものは、射精寸前と言った感じで、もう尿道口まで精液がやってきているのではないかと思えるぐらいに、太く、そして熱く膨れあがっているのが、これまで以上に敏感になっている膣を通じて伝わってくるのが感じられる。
「良いわっ。来てっ」
そう叫んで、俺は、腰をくいっ、と持ち上げた。
それにカウンターを喰らわしてくるかのように、敏史さんの腰も、ぐいっ、と潜り込んでくる。
そして、膣の中に入っているちん○んが、びくんっ、と跳ねたかと思うと、
「うっ」
敏史さんの溜息と同時に、今朝俺が姉さんに中出しされた場所よりも、もっと奥深くの所へと、熱い塊が流し込まれてくるのが感じられるのだった。
どくん、どくん、と荒波が押し寄せてくるように、俺の体の奥へと、男の精液が流れ込んでくる。
そして、子宮口を通じて、その先にある、ちん○んではたどり着かなかった場所へと、新たな愛撫として、熱い精液が入ってくる。
「あああぁぁぁっっっっーーーー!」
体中が、焼かれるほどの熱気と、そして快感が伝わってくる。
そうしている間にも、俺の中へと入っているちん○んは、びくん、びくん、と動き、膣内を刺激しつつ、なおも熱い精液を絞り出し、そして俺の中へと注ぎ込んでくる。
その度に、俺は股間から頭上へと、鋭い快感が走り抜けていくのが感じられる。
その快感は、男と違って、一瞬で終わってしまうことなく、体中に溜まり続けた。
そして、膣の中で、びくん、とちん○んが跳ねる度に、その快感が重なり合い、そして強まっていく。
「あはぁ……」
いつまでも体中に残るのではないかと思えるような、全身にまとわりついてくる異種の快感に対して、俺は呻き声を上げるのが精一杯だった。
「ああ……まだ、中で動いてる……」
そんな、体の内側からの快感によって、体がばらばらになってしまうのではないかと思っていた俺を、彼の腕が包み込んできた。
男に抱かれている……そんな違和感を感じつつも、姉さんとしての俺の体は、それをセックスの余韻をより高めるための愛撫として受け取り、そして快感へと変換していく。
「気持ち、良かった……」
彼の背中へと回した腕へと力をこめて、そう呟いた姉さんの声は、快感の余韻に浸りつつも、同時に安堵を感じさせるものがあったのだった。



第5章「家庭教師が教えてあげる……」

ラブホテルを出て、駅前で敏史さんと別れたのが夕方のこと。
それから俺は、姉さんのメモに従って、再び私鉄に乗って、次の目的地へと向かった。
向かう先は、姉さんがアルバイトで家庭教師をしている中学生の男の子の家。
教えている科目は英語なので、俺が勉強を教えることには問題が無い。
問題は……姉さんが、相手の教え子にした約束だった。
良くポルノ小説とかでは、家庭教師のお姉さんが、教え子に対して、テストで良い点を取ったら、良いことしてあげる、というのは良くあるパターンだ。
ポルノ小説では、良くあるパターンだ。
だからと言って、それを身をもって、しかも俺が女家庭教師役として、その役を実際に果たさなければならないとは、どういうことなんだろうか。
姉さんの話によれば、期末テストの英語で、80点以上取ればエッチなことをしてあげるとの約束になっているそうだ。
その教え子の榊裕太君の成績からすれば、80点以上を取るのは五分五分と言った所だそうだ。
俺は、80点以下であることを期待して、裕太君の家へと向かった。
メモに記された家にたどり着き、チャイムを鳴らすと、母親らしき人が現われたので、俺は何気ない風に挨拶をした。
そして、その後ろのドアから、姉さんのケータイの写メールに写っていた、裕太君が姿を現した。
そして、母親の後ろでVサインをしたのを見て、俺は溜息をもらした。
「どうかなさいましたか?」
そう聞いてくる母親に、俺は手を振って、何でもないです、とごまかした。
そして、玄関に上がって、心なしか足取りが軽い裕太君に従って、二階の部屋へと向かった。
「それで裕太君……テストの成績なんだけれど……」
ベッドに並んで座って、俺はそう尋ねた。
「バッチリ。これを見てよ」
そう言って手渡してきたテストの点数は……
95点。
俺は、文部科学省に対して、新しい教育指導方法を提案したくなった。
偏差値に従って、性教育を実地体験させるようにしましょう、と。
もっとも、厚生労働省からクレームが付くだろうけれど。
まったく、ポルノ小説でもそうだけれど、どうしてこういう場合ってのは、必ず教え子は良い点を取るのだろうか。
たまには、テストは赤点でした。だから、何もしませんでした、ってことがあっても良いと思うのに。
もっとも、そんなポルノ小説を読ませられたら、たまったものじゃないけれど。
いわば、読者の思惑通りってわけだけれど、いつまでも活字媒体だけじゃないこの世の中、たまには読者も登場人物の苦労を味わうべきなんじゃないだろうか。
例えば、インターネット上のポルノ小説で、Javascriptで問題を解かせるようにして、それが合格点だったら、エッチシーンに進めて、失格だったらエッチはお預けというように。
問:

+y=z

でnが3以上の時、この式を満たす整数、x、y、zが存在しないことを200文字以内で証明せよ。
回答欄

みたいな風に。
それで、30点以下だったら、裏シナリオとして、虐待プレイがあるとか。
……なんて、どうでも良いことを考えている俺は、熱のこもった視線が俺へと向かってくるのを感じた。
テスト用紙から顔を上げると、そこには目をきらきらと――ぎらぎらと、の方が正確か――輝かせて、俺を見つめてくる裕太君の姿があったのだった。
そんな顔を見ていると、俺は、中学生の頃、性的好奇心が旺盛になった時に、姉さんに対して、あれこれとエッチなことを想像したのを思い出した。
多分、その当時の俺と同じような妄想を、目の前にいる裕太君は、思い描いているんだろうなあ、と同情というか共感と言うか、そんな思いが湧いてくる。
そして俺は、
「良くやったわね。それじゃあ、約束のご褒美をしてあげないとね」
ウインクをして、そう言ってあげたのだった。
「本当に、あの約束、守ってくれるんだ」
「そりゃそうよ。裕太君、こんなに頑張ったんだから」
「本当っ。やったぁ!」
裕太君は、庭を掘ったら石油が出たかのような、喜びを隠せない笑みを浮かべたのだった。
まあ、もしも俺が中学生の時、姉さんからそんなことを言われたら、やっぱりこんな態度を取ったのだろうな、と思えてくる。
そんな、昔の俺の願望を、裕太君で代わりに叶えてあげようと、俺は裕太君へと、顔を近づけた。
「それじゃあ、なんでも言うことを聞いてあげる。まずは何がしたい?」
「あの……その……それじゃあ……先生の……おっぱい、見たい」
いかにも恥ずかしげに言ってくるその態度には、初めてポルノ雑誌を買う時のような、初々しさが見て取れた。
「わかったわ。それじゃあ、見せてあげる」
そう言って俺は、ブラウスを脱いだ。
そして、ブラジャーだけになった俺の胸元へと、裕太君の視線が釘付けになっているのが感じられた。
そんな裕太君を見て、
「ねえ、ブラジャー。裕太君が外してみない?」
いたずらっぽく、そう言ってみたのだった。
すると、裕太君は元々赤かった顔をさらに赤くして、そして上目遣いにこちらを見て、
「え、そんなこと……いいの?」
そう言ってくるのだった。
「ええ、良いわよ。裕太君がこのブラジャーを外せば、わたしのおっぱいが丸見えになっちゃうのよ。外してみたいでしょ?」
そんな俺の提案に、裕太君は、うん、とも、いいえ、とも言えないように、口をもごもごとさせた。
まあ、さすがに、はい、とは言いづらいだろうな、と思って、俺は腰をずらして、裕太君へと背中を向けた。
「ほら、背中の所に、合わせ目があるでしょ。そこの部分を外すのよ」
先導するように、俺は背中を丸めて、ホックの所を裕太君へと近づけた。
「そ、それじゃあ……」
背中へと、裕太君が近づいて来るのが感じられて、そしてホックへと手が掛けられる。
「外し方はね。まず両手で左右のホックを掴んで、それを真ん中に寄せるようにして、それでホックを外すの。それじゃあ、やってみて」
背中に触れてくる裕太君の指先が、わずかに震えているのが感じられた。
そして、俺の言葉に従って、ホックが中心へと引っ張られる。加減が分からないのか、やけにきつめに引っ張られて、俺は乳房が締め付けられるのを感じたけれど、それは口にしないで、裕太君の行動を見守った。
しばらくすると、ホックを引っ張った反動のように、ブラの締め付けが消えて、それまでカップに包まれていた乳房が開放されて、下へと向かうのが感じられた。
「外れたみたいね。それじゃあ、そっちを向くから、ちょっと待っててね」
そう言って俺は、ゆるんだブラが落ちないように、ゆっくりと体を捻り、外れかけになっているブラを、裕太君に見せつけたのだった。
「じゃあ、腕を通すようにして、ブラジャーを外してみて」
俺の言葉に、裕太君は、こくり、と頷いてから、肩ひもへと手を掛けてきた。
そして俺が腕を前に伸ばして外しやすくするのに合わせて、裕太君は慎重にブラを俺の腕から引き抜いていくのだった。
そして、乳房を包み込んでいたカップが乳房から離れ、それまでカップに包み込まれていた乳房へと、部屋の空気が触れてくるのが感じられた。
カップはさらに、ゆっくりと下へと降りて、そして縁の部分が乳首へと触れて、次の瞬間には、乳首がさらけ出された。
その時、裕太君の手の動きが止まった。
ちらりとその顔を見ると、その視線は姿を現した乳首に釘付けになっているのだった。
「ねえ、全部外しちゃって。中途半端だと、余計に恥ずかしいわ」
気後れするような裕太君を励ますつもりでそう言ってみると、手の動きが再開した。
そして、ブラが俺の肘まで落ち、そして姉さんのFカップの乳房が、すっかりとさらけ出されたのだった。
俺は、ブラを完全に脱ぎ取って、そしてベッドの上へと置いた。
支えを失って、肩から胸元へと、乳房の重みが伝わってくるのと同時に、そこへ裕太君の熱い視線が向かってくるのが感じられる。
「ほら、先生のおっぱいよ」
よく見えるようにと、胸をせり出すようにして、裕太君へと近づいた。
裕太君は、ただひたすらに、見つめてくるだけだった。
このまま左右に胸を揺さぶったら、催眠術が掛けられるんじゃないかってぐらいに、まじまじと見つめてくる。
そんな彼を見ていると、初々しさを感じてしまう。
そして俺は、
「裕太君、触っても良いのよ」
優しく、そう言ってあげたのだった。
「え、良いんですか?」
「良いわよ。約束だもの」
俺がそう言うと、裕太君はおずおずと右手を持ち上げてきて、そして俺の乳房の上へと、手のひらを当てた。
これまでに触ってきた人の手とは違って子供の小さなものなので、やけに大きな乳房の上に、小さな手のひらが乗っているように見えた。
触れられた胸元からは、遠慮がちに手を触れている感覚と、わずかな震えが感じられる。
……緊張しているんだな。俺は、そう思った。
「触るだけじゃなくて、揉んでもいいのよ」
「え、でも……」
「女の人ってのはね、おっぱいを揉まれると、気持良くなるものなのよ。先生も、裕太君に気持良くしてもらいたいなぁ」
と、誘いかけるようにして、裕太君に声を掛けるのだった。
そして、その言葉を免罪符のようにして、裕太君は、おずおずと乳房をまさぐり始めたのだった。
姉さんの、Fカップの乳房が作り出す三次元の丸い曲面をなぞるようにして、ゆっくりと手のひらが動いていく。
あくまでも遠慮がちに、触れるか触れないかと言った、微妙な触り方だった。
その手のひらが乳房の下に来た時に、
「裕太君、おっぱい、持ち上げてみて」
そう誘いかけたのだった。
乳房の下に隠れて俺の視界から見えなくなっていた裕太君の手が動き、乳房を持ち上げてくるのが、その乳房を通じて感じられる。
持ち上げられている、左側の乳房が浮き上がり、肩と胸元から、引っ張り降ろされているっていう感覚が抜けていく。
その引っ張られているのと逆の感覚を、今の裕太君は感じているはずだ。
「どう。先生のおっぱい。大きいから重たいでしょ?」
「あの……すごく柔らかくって……暖かくって……」
「気持ち良い?」
「……はい、気持ち良いです」
「良かった。裕太君も気持ち良いのね。それじゃあ、先生のことも、もっと気持良くしてよ」
そう言って俺は、裕太君の右手に手を当てて、ぎゅっ、とその手を左の乳房へと押し当てた。
「触っているだけじゃ駄目。もっと揉んだりしないと」
「は、はい……」
言われるままに、裕太君は、俺の乳房を揉み始めた。
その手つきは、壊れ物を触るかのように、慎重で、ぎこちのないものだった。
もっと上手く触れば良いのにな、と思うものの、まあ、初めて女の人の胸に触るのだから仕方がないか、と思って、俺は裕太君が思いのままに揉んでくるのに、身を任せた。
その揉み方は、敏史さんのとは違って、これまで想像していたものへ、実際に初めて触るという、おっぱいへの好奇心の赴くままに触っているという感じだった。
でも、そんなぎこちなさも、触られているうちに、一つのテクニックのように思えてきた。
おっぱいへの想いを伝えてくる、そう感じられるのだった。
そう思うと、俺はだんだんと乳房全体が熱くなり、そして膨らんでいくのが感じられた。
そうしているうちに、俺は乳首がむずむずとして来るのが感じられ、そして固く尖ってくるのが見て取れた。
「ねえ、分かる? 先生の乳首、尖ってきちゃった」
「え、ご、ごめんなさい」
乳首が尖ってきたことが悪いことをしてしまったかのように、裕太君は、そう謝るなり、手を離してしまったのだった。
ああ、うぶだな、と俺は思う。
「謝ることは無いのよ。女の人の乳首が尖ってくるってのはね、気持良くなってきたってことなのよ」
「え、そうなの?」
「そうよ。だから、もっと触っていいのよ。それとね、女の人は、おっぱいよりも、乳首を触られた方が、気持良くなれるの。先生、裕太君にもっと気持良くしてもらいたいなぁ」
導くようにそう言うと、裕太君は、乳首へと、人差し指を当ててきた。
そしてボタンを押すようにして、乳首を乳房へと押し込んでくるのだった。
「ただ触るだけじゃ駄目。乳首を転がすように動かすのよ」
「こう、ですか?」
言って裕太君は、人差し指を上下左右へと動かしてきた。
何でも俺の言う通りにする裕太君を見ていると、性に対して先輩であり、そして今は、それを教えている姉さんの立場に俺はいるのだ、と言う優越感を感じてしまうのだった。
俺が言えば、なんでもその通りにするかのように思えた。
そして俺は、次の指示を出すのだった。
「じゃあ、今度は、触るんじゃなくて、しゃぶってみて」
「え、しゃぶるって……」
「今、裕太君が触っている乳首をね。赤ちゃんが吸うみたいに、口でしゃぶってみるのよ。ほら、早くやってみて」
「う、うん……」
そう頷いてから、裕太君の口が、尖った乳首へと当たってきた。
唇が乳輪に触れてきて、荒い鼻息が乳房の上へと掛かり、そして乳首へと柔らかい舌が触れてくるのが感じられた。
中学生としては子供っぽい方に入る裕太君が、胸元の乳房へしゃぶりついてくる様は、赤ん坊に、おっぱいをしゃぶられているかのような気持ちになってきた。
そして、乳首を含んだ裕太君の口の中で、乳首が、ぺろり、ぺろり、と舐められるのが感じられる。
その舐め方は、舌先で乳首の大きさと固さを探ろうとしているかのようだった。
そして時折、それこそ赤ん坊のように、乳首を吸ってくる。
そんな裕太君の頭を、俺は軽く撫でてあげた。
それから、ベッドに当てたままになっている裕太君の左手を取って、
「ねえ、左手で、こっちのおっぱいも揉んで」
そう誘い込むのだった。
右の乳房へと当てられた手のひらが動き、指先がわしわしと乳房を揉んでくる。
でも、口で乳首をしゃぶっていることに興奮しているのか、ただ握っては離し、を繰り返すだけの単調なものだった。
それでも裕太君にとっては精一杯なのか、口を当てている乳首も、ただ舐めるだけへと変わっていった。
まあ、初めて女の人のおっぱいを生で見て、それで触るだけじゃなくて、舐めるんだから、それもそうだろうな、と俺は思い、そしてそんな裕太君を、温かいまなざしで見つめるようになるのだった。
そして、愛(いと)おしくすら思えてくるのだった。
「裕太君」
そう名前を呟くなり、俺は両手で裕太君の頭を押さえ、そして胸の谷間へと、裕太君の顔を押し当てたのだった。
俺の柔らかい胸元へ、まるで粘土で型を取るかのように、裕太君の顔が押しつけられるのが感じられる。
そして俺は、裕太君の頭を、すぅっ、と撫でた。
それは、俺が裕太君だったら、そうして欲しいだろうな、と思ってのことだった。
それから両手の力を抜くと、裕太君が顔を上げてきた。
「先生……」
「ごめんね。先生、すっかり気持良くなっちゃったから、思わず抱きしめちゃった」
そう言ってくる俺を、裕太君は頬を染めて見つめてくるのだった。
そして、その下へと視線を向けると、裕太君の股間が、大きく盛り上がっているのが見て取れた。
俺はそれを見て、
「今度は、先生が裕太君を気持良くしてあげるわね」
そう言うなり、裕太君の股間へと手を伸ばしたのだった。
「せ、先生……」
中学生の男の子としては、一番恥ずかしい場所を触られて、裕太君は、驚いたような、恥ずかしいような顔をした。
「ここ、大きくなっているわね」
恥ずかしさを高めさせるように、俺はそう呟いた。
「大きくなったところ、先生に見せて」
「見せて、どうするんですか?」
「言ったでしょ。気持ち良くしてあげるって」
俺の言葉に、裕太君は、ごくり、とつばを飲み込んだ。
「さっきは裕太君がブラジャーを脱がせてくれたから……
今度は先生が、ズボンとパンツを脱がせてあげるわね」
耳元で、秘密の約束のように、そっと囁いてみた。
それに対して裕太君は、こくり、と頷いただけだった。
俺は、火照った乳房が胸元で揺れるのを感じながら、ベッドから降りて、裕太君の前へと跪(ひざまず)き、そして両足の合間へと入った。
目の前には、中でちん○んが、ズボンを破らんばかりに勃起しているのが見て取れる。
俺は、ズボンのベルトを外して、そしてチャックを下ろした。
すると、中から白いブリーフに包まれたちん○んが、その姿を現したのだった。
「ねえ、ちょっと立ってもらえる」
「は、はい……」
立ち上がるなり、ズボンが太もものところまでずり落ちた。それを俺は、子供の服を脱がすかのように、ズボンを足下まで降ろしてやると、子供としての反応か、裕太君は片足ずつ、ズボンから足を脱いでいくのだった。
俺は足下から、再びブリーフへと視界を動かす。
まだすね毛の生えそろっていない足を見ると、目の前にいるのは、やはり子供だな、と思えてくる。
……その子供に対して、俺は家庭教師のお姉さんとして、エッチなことをするのだ。
そう思うと、なんだかいけないことをしているようで、興奮してきた。これからやろうとするのは、裕太君へのフェラチオだ。別にそれで俺が気持良くなれる訳じゃないけれど、そういうエッチなことをしているって気持ちになってくるし、それに裕太君と過去の自分を重ね合わせて、きっと裕太君も興奮しているんだろうな、と思うし、気持良くさせてあげたいな、とも思えてくる。
「じゃあ、パンツも降ろすわね」
そう言って、白いブリーフを降ろそうとすると、正面の勃起にゴムひもが引っかかってしまった。それで俺は、前の方を引っ張るようにして、そしてそのまま下へと降ろす。
すると、まだ頭の部分が包皮に包まれた、可愛らしい、とでも言った、ちん○んが姿を現したのだった。
形や大きさこそ可愛らしいけれど、ぴくん、ぴくん、と動悸に合わせて上下に脈打っているのは、同じだった。
そして、その角度は、俺や姉さんの彼氏以上に、上を向いていた。
その根本には、まだ生えそろっていない陰毛が見て取れる。
そんな、発展途上のちん○んを見つめつつ、ブリーフを足下まで降ろした。
そして、裕太君が降ろしたブリーフから足を外すのを見終えてから、そのブリーフを脇へやった。
それから再び、股間へと目をやろうとすると、緊張のためか興奮のためか、両足が震えているのが見て取れた。
「裕太君。脱ぎ終わったから、座ってもいいよ」
そう言って、俺は裕太君をベッドへと座らせた。
「もう少し、腰をこっちに近づけて」
さっきまでの調子で深々と腰掛けた裕太君の腰を引っ張り、お尻が乗る程度にして、座り直させる。
そうしないと、ちん○んまで、口が届かないからだ。
脈打っているちん○んに向かって、俺は舌先を伸ばす。
「あ、先生。そんなところ舐めたら、汚いよ」
慌ててそう言ってくる裕太君に対して、
「大丈夫よ。裕太君のこと、気持良くしてあげるって約束でしょ」
そう言い返してから、俺はちん○んの根本を押さえつつ、皮に包まれた亀頭の部分を、ぺろぺろと舐め始めた。
「ああ、先生の舌が……僕の、おちん○んを……」
そんなうぶな反応を楽しみつつ、俺は包皮越しに亀頭を舐め回した。
女家庭教師の舌によって刺激されて、亀頭が大きくなり、皮の中から、亀頭が半分ぐらい姿を現した。
これだったら、剥いちゃおうかな……
俺は、少年をいたぶる女性のような心持ちを感じた。
そして、亀頭と包皮の間を、舌先でほじくるようにしつつ、根本に伸ばしていた右手を、くいっ、と引っ張った。
「ああっ」
叫ぶと同時に、ピンク色の亀頭が、包皮の中から姿を現した。
それは、もぎたての蕾(つぼみ)というのにふさわしく、雁首もほっそりとしていて、まるで湯気が出そうだった。
その雁首の下のくびれには、白い滓(かす)が付いているのが見て取れた。
恥垢ってやつか。そういえば、俺も初めて皮を剥いた時には、付いていたっけなあ、と自分のちん○んと、目の前のものを重ね合わせた。
そして、そのくびれへと舌を伸ばし、それを取ってあげた。
「ああ、そんな場所まで」
女の子のようなソプラノボイスで悲鳴を上げる裕太君の声を聞きつつ、俺は舌先で恥垢を取っていき、そして飲み込んでいく。
味は……まあ、さすがに美味いものではないとだけ言っておくか。
そして、綺麗になった所で、俺は再び亀頭を舐め始めた。
「凄い……僕、感じちゃう」
さっきまで皮を被っていた場所を、いきなり舐められるのだから、それも当然だろう。
俺は、オナニーの時に、フェラチオをされたらどんな気持ちになるのだろうと想像したりするけれど、皮を剥かれるなりフェラチオをされた裕太君は、そんな俺の想像をはるかに超えた気持ち良さを感じているんだろうな、と思う。
俺は、ソフトクリームを舐めるかのように、雁首から鈴口へと向かって、位置を少しずつずらしていきつつ、舐め回していく。
舐めつつ、ちらりと上を向いてみた。
裕太君は、気持ち良いのが我慢できないってぐらいに、目をぎゅっと閉じて、そして口を半開きにしていた。
ちん○んを舐めるってことは、さっき姉さんの彼氏とシックスナインをしてやったばかりだけれど、それと今とはまるっきり違っている。
あの時は、慣れない姉さんの体にクンニをされて、その快感に流される感じだったけれど、今はそういう刺激は無い。
あるのは舌に触れてくる裕太君の亀頭の感触と、そしてそれに悶える裕太君の表情だけだ。
いわば、俺が圧倒的に優位に立っている状況と言って良い。
今の俺は、子供のような教え子に対して、ちん○んの皮を剥いて、そしてフェラチオをしている、家庭教師のお姉さんなのだ。
そんなシチュエーションを、裕太君にさらに感じさせようと、今度は舐めるのではなく、ちゅぱっ、ちゅぱっ、と亀頭へとキスをした。
「ああん、先生……そんな……」
まるで、ちん○んにスイッチでもあるように、俺の愛撫によって、裕太君は表情を変えていった。
それから、亀頭に沿って舌先をぐるりと一週させてから、俺は亀頭を口の中へとくわえ込んだ。
生卵のような、つるりとした感触が、口中に伝わってくるのが感じられる。
「ああ、先生の口……あったかくって気持ち良い」
感極まったかのように言ってくる裕太君の言葉に満足しつつ、俺は唇で雁首の舌を押さえつつ、舌で亀頭を包み込むようにして舐め回した。
まずは、鈴口からだった。
ちろちろと舌を動かすと、尿道の切れ目がわずかに動くのが感じられる。
そこをこじ開けるかのように、俺は舌先を、くいっ、くいっ、と押し込んでみた。
「ああん。先生、そんなこと……」
それから俺は舌をまとわりつけるように、亀頭全体を舐め回してみた。
ついさっきまで、包皮に包まれていた肌の部分は、きめ細かく、そしてソフトだった。
そんな感触を舌で味わうように動かしてから、今度は、唇をすぼめつつ、雁首へと当てて、そしてそのまま、きゅっ、と引っ張って、唇で亀頭を撫で上げたのだった。
「ああ、それ、凄く気持ち良い」
そんな言葉に気を良くして、俺は再び雁首を唇で含み、そして一気に亀頭を撫で上げる。
そんなことをしばらく繰り返してから、今度はちん○んを、根本まで口に含んだ。
姉さんの彼氏と比べればずいぶんと小さいそれは、すっぽりと口の中に収まった。
そして、そのまま口の中の空気を吸って、ちん○んの周りを真空状態にする。
「ああ、おちん○んが膨れあがるみたい……」
初めての体験に、裕太君は軽い悲鳴を上げる。
それから俺は、唇を根本からちん○んの先端まで、ずるり、と舐め上げた。
途中、仮性包茎だった名残で、雁首の部分へと皮が集まるのを感じられた。口をちん○んから離してみると、さっきブリーフを脱いだ時と同じように、亀頭は皮を被っていた。
「ごめんね。また皮を被っちゃった」
そう言って俺は、根本に当てた指先を動かして、再び皮を剥いた。唾液にまみれてスムーズになっているそれは、するり、と後退し、すぐに亀頭が姿を現した。
その右手を引っ張ったままに、再び、ちん○んを口の奥まで飲み込んで、そして口による挿入運動を開始する。
それをしばらく繰り返しているうちに、
「あ、先生。僕、もう……出ちゃう」
見ると、必死に射精を我慢しているのか、腰がぶるぶると震えているのが感じられた。
俺は、それに答えようと、雁首をすっぽりと飲み込んで、そして鈴口の部分を弄ったのだった。
「あ、出ちゃう……出ちゃうよ。先生っ」
必死に我慢しようとする裕太君に対して、俺は射精を促そうと、唇をきゅっ、とすぼめた。
それがきっかけとなった。
「ああっ」
裕太君の叫び声と同時に、ちん○んが、びくんっ、と大きく跳ねて、そして口の裏へと、熱い塊がぶつかってきて、そして舌の上へと落ちていくのが感じられた。
その勢いの良さは、口の中に、水鉄砲を当てられているかのようだった。
そして舌の上に落ちた精液の塊は、やけに粘りっこく感じられた。まるで、ゼリーのような塊と言っても良かった。
そういえば、俺も中学の時にオナニーした時は、やけに粘り気があって、黄色かったものな、と思った。
俺はそれを舌でまとめてから、ごくり、と飲み込んだ。
男の精液を飲むなんてのは、想像もしていなかったけれど、もしも俺が裕太君の立場だったら、飲んで欲しいだろうな、と思ってのことだった。
俺がそうしている合間にも、なおも射精は続いていて、舌の上へと、どろり、どろり、と精液の塊がこぼれ落ちてくる。
俺は、ストローを吸うかのように、ちん○んを口に含み、そして吸い上げた。
すると、どろりとした塊が、まだまだ流れ込んでくるのが感じられた。
「ああ、先生。ごめんなさい」
口の中に射精してしまったことをか、それとも家庭教師の女先生に精液を飲ませてしまったことをかを謝ってくる裕太君に対して、
「良いのよ。裕太君が気持良ければ」
そう囁(ささや)く俺の口から出る息は、やけに精液臭く感じられたのだった。
口から出したちん○んは、勃起したまま、唾液と精液にまみれて、輝いていた。
「まだ、出し足りないみたいね」
しなやかな指先で、勃起したちん○んを、つん、つん、と突きながら、俺はそう言ってみた。
すると裕太君は、こくりと頷いたのだった。
「それじゃあ、いよいよ裕太君も、大人の仲間入りさせてあげようか」
いたずらっぽく、なおかつ年上の誘惑を交えて、俺はそう言ってみた。
そんな言葉にも、裕太君は、こくり、と頷くだけだった。
俺は立ち上がって、ベッドに座っている裕太君に見せつけるように、スカートとパンティを脱ぎ捨てた。
そして、露わになった股間を、裕太君へと見せつけた。
「ほら、この中に、裕太君のおちん○んを入れるのよ」
初めて見るであろう光景に、裕太君は頷くのも忘れて、ただただ見入っているだけだった。
見せつけるように、割れ目へと両手の人差し指を当てて広げてみると、さっきまでの行為で興奮したのか、すでに濡れ始めていた。
「見たいんでしょ?」
意地悪く、俺はそう聞いてみた。
すると、裕太君は、こくこくと頷くのだった。
「もっと良く見せてあげるね」
言って俺は、ベッドに仰向けになり、そして両足をM字型にして、股間を広げて見せた。
誘われるようにして、裕太君が、両足の間に入ってきて、そして股間に見入ってくる。
「教えてあげるわね。ここがクリトリス。女の人が、一番感じる場所なのよ」
人差し指の爪先で、クリトリスの頭を撫でる。
「それで、ここが膣口。裕太君のおちん○んはここに入れるのよ。
じゃあ、さっそく入れてみて」
そう言うと、裕太君は、おずおずと腰を近づけてきた。
そして、勃起したちん○んを、割れ目へと近づけてくるのだけれど、
「あれ、あれ」
すっかり上を向いたちん○んは、割れ目を上滑りして、何度も空振りをするのだった。
「じゃあ、先生が、リードしてあげる」
お姉さん口調でそう言ってから、俺は亀頭の部分を右手の指先で触って角度を下げて、先端を割れ目へと当てた。
「そのまま、ゆっくりと腰を進めてみて」
「は、はい……」
言うなり、裕太君が近づいてきて、そして割れ目の入り口に当たっていたものが、歩みに従って、じわり、と入ってくるのが感じられた。
「ああん。裕太君のが入ってきてるわ。そのまま、慎重にね」
そんなアドバイスに、裕太君は再び、はい、と返事をしてから、さらに腰を進めてきた。
そして、広げた俺の両足へと裕太君の腰がぴたりと張り付いてきて、進めていたちん○んが、根本まですっぽりと収まったのだった。
「ほうら。入っちゃった。どう、先生の中、気持ち良い?」
「は、はい。先生の中……すごく柔らかくて暖かくって……気持ち良い」
「お口よりも?」
「う、うん。口なんかよりも、ヒクヒクしてて、おちん○んに暖かいものが絡みついてくる感じがする」
少年の言葉でそう言われると、なんだか俺自身が、姉さんの中に初めてちん○んを挿入しているかのような気持ちになってくる。
そうやって、裕太君が初めての女性を味わっている一方で、俺は童貞中学生からの挿入を味わっていた。
姉さんの彼氏に比べれば大きさは物足りなかった。まだ奥へと、入れて欲しい気分だった。
でも、一階には母親がいるのだ。さすがに、喘ぎ声とかを上げるわけにもいかないから、この方が好都合なのかもしれない。
それに、目の前にいる男の子の童貞を奪っているのだと思うと、暖かい気持ちになってきた。
少年のペニスを、女のあそこで、優しく包んで抱きしめてあげているような、そんな感じなのだ。
これって、ひょっとして、母性本能ってやつなんだろうか?
そうやって、俺のお姉さん相手に初体験を済ませた裕太君が羨ましく思えてきた。
そして、母性本能を感じる一方で、いたずら心もわき上がってくる。
「ねえ、裕太君。
裕太君のおちん○んが、先生のどこに入っているか、言ってみて」
「え、それは……」
「言わないと、このまま抜いちゃうわよ」
そう言って俺は、わずかに腰を引いた。
「あ、い、言います。
せ、先生の……おま○こに……」
ソプラノボイスの上に、声が上擦っている裕太君にそう言わせるのは、初体験をしている女の子に恥ずかしい言葉を言わせているかのようだった。
「良く言えました」
そう言って、俺は再び腰を進めた。
「それじゃあ、今度は前後に腰を動かしてみて。おちん○んで、おま○この中を、ぐちゅぐちゅってするのよ」
「こ、こうですか」
裕太君は、目隠しをしながら歩くかのように、ゆっくりゆっくりと腰を引いていった。
俺の中で、まだ発展途上の雁首が、膣襞を擦り上げていくのが感じられる。
そして、雁首が、入り口の近くまで来た時に、
「そう。そこでストップ。そうしたら、また腰を進めて」
「は、はい」
そう言って裕太君が腰を進めてくると、可愛らしいおちん○んが、膣の中へと入り込み、じわりとした快感を俺に与えてくる。
そして再び、腰同士が密着する。
姉さんの彼氏の敏史さんは、ちん○んが大きかったから、体の中に押し込まれるような感じだったけれど、裕太君のは小さめなので、俺の方が包み込んでいるような感じがしてくる。
「じゃあ、今の調子で、腰を動かしてみて」
裕太君は、はい、と言ってから、ぎこちなく腰を動かしていった。
ただ前後に動かしてくるだけの動きには、単調さを感じさせられたけれど、同時に初々しさも感じさせられた。
童貞の少年に、初体験をさせてあげているんだ、と思うと、優越感と母性愛の入り交じった、男には味わうことの出来ない快感が湧き起こってくる。
そうしているうちに、
「ああ、先生。僕、また出ちゃう」
「じゃあ、そのまま先生の中に出して良いわよ」
「で、でも……そんなことしたら、先生が妊娠しちゃうよ」
最近の子供は性教育がちゃんとしているようで、射精寸前だというのに、律儀にそう言ってきた。
「大丈夫よ。今日は先生、安全日って言ってね。裕太君の精液をおま○この中で出されても、赤ちゃんが出来ない日なのよ」
女保健教師のように、俺は優しくそう言ってあげた。
「本当……それじゃあ……あぁ、僕、また、出ちゃうぅっ」
言うなり、裕太君の背中が反り返った。そして、膣の中で精液が飛び散り、姉さんの彼氏以上にどろりとした塊が、子宮口へと当たってくるのが感じられる。
その度に、俺は全身に精液を浴びせられたかのような、ねっとりとした快感を味わうのだった。
目の前に差し出された精液を飲み込もうと、俺の中で子宮がひくひくと動くのが感じられる。
その一方で、膣の中で、びくん、びくん、と跳ね返るちん○んは、その度に精液を吐き出しつつも、まだ固さを失わずに、勃起したままに、膣の中で射精を繰り返す。
それはまるで、手を離れて勝手に動き回って水をまき散らしている、水道のホースのようだった。
そして、何度かの脈動が終わった所で、ようやく膣に感じられる固さが収まってきた。
「裕太君……」
そう名前を呼んで、俺は両手を広げた。
すると、それに答えるように、裕太君は体を預けてきた。
仰向けになった乳房をクッションにするように、裕太君の体が、俺へと軽くのしかかってくる。
それを俺は、ぎゅっと抱きしめると、裕太君は、それこそ赤ん坊のように、俺の胸元へとしがみついてきた。
「裕太君」
再び名前を口にして、俺はその頭を、優しく撫でてあげたのだった。



第6章「一日のご褒美は……」

「ただいま」
一日の疲れを吐き出すように呟いて、俺は玄関をくぐり抜けた。
「おかえりなさい。どうだった? わたしの言った通り出来た?」
台所から姿を現した「俺」がそう言ってきたのだった。
「まあ、なんとかね。姉さん、こんな生活、毎日しているの?」
「今日はたまたまよ。いつもは、ばらけるようにしていたんだけれど、先週はレポートとかが重なって、今日になっちゃったのよ。明日からは、それほどでもないわよ」
「明日から……」
姉さんの言葉に、明日以降も姉さんとしての生活が続くのか、と思った。
今朝、目が覚めたら姉さんになっていたんだから、明日になれば元に戻るんじゃないかと思っているんだけれど、姉さんの体のままってこともあるわけで。
「とりあえず、晩ご飯に宅配ピザを頼んでおいたから、それを食べなさいよ」
「ああ、ありがとう」
気の利いたようなことを言っても、自分で料理をしないのは、やっぱり姉さんだな、と俺は思った。
俺はパンプスを脱いで、台所へと向かって、そしてピザを口にした。
食べ慣れているはずのピザなんだけれど、姉さんの体だと味覚が違うようで、初めて食べる感じだった。
ピザを頬張っている俺を見て、
「さてと、義貴には、今日は頑張ってもらったから、ご褒美をあげないとね」
「ご褒美?」
「そうよ。わたしの体になっているんだから、それで思い切り、気持ち良いことを体験させてあげる」
「ま、またぁ……今朝したばかりだろ」
男とはまったく違う体験が、まだ続くのかと思って、俺はそう呟いた。
「今朝は、わたしばっかりが気持良くなっちゃったから、今度はあなたへのサービスよ。思いっきり、気持良くさせてあげるわ。
ところで、どう? 今日、セックスとかしてイッた?」
言われてみれば、と俺は思った。
姉さんの体としての性体験は、男とはまるっきり違うし、その感度も上だったけれど、男の射精に当たるような、突き抜ける快感――女のイクって奴――は無かった。
「うーん。気持ちは良かったけれど、イッたってことはないかな」
「でしょ。そこで体のどこが感じるか、どうすればイクのか知り尽くしているわたしが、義貴にめくるめく女の快感を味わわせてあげようって訳よ」
「うーん」
姉さんの言うことには興味が湧いた。男の射精はこれまでに毎日のように体験しているけれど、女のイクってのは、どんなものなんだろう?
ただでさえ男よりも気持ち良いんだから、そうとうなものなのだろうな、と思う。
「それじゃあ……お願いしていいかな」
「まかせなさいって。あなたに、女の悦びってものを、いやと言うほど教えてあげるわ」
そう言って「俺」は、胸を、とん、と叩いたのだった。

シャワーを浴びてから、俺は姉さんの部屋へ行き、そして、裸になってベッドに横たわったまま、姉さんがやってくるのを待った。
しばらくしてドアが開き、腰にバスタオルを巻いただけの「俺」が姿を現した。
腰のバスタオルは、前の部分が、こちらへと盛り上がっているのが見て取れた。
「なんだか、自分自身の体を気持良くさせるのって、興奮するわね。男の征服欲って、こういうことを言うのかしら」
そう言って、横になっている俺を見下ろしてくる。
「それじゃあ、さっそく始めるわよ」
言うなり、「俺」の顔が近づいてきたので、反射的に俺は目を閉じた。
「ん……」
上体が抱え上げられたかと思うと、唇に温かいものが触れてきて、唇が開かれ、歯の間へと、ぬめりとした舌が入り込んでくる。
侵入してきた舌は、俺の口の中を暴れ始めた。
歯の生え揃えを確かめるかのように歯茎をなぞったかと思うと、一転して俺の舌へと絡みついてくる。
覆い被さられるようにキスをされている俺の口には、とろりとした唾液が流れ込んできて、舌の動きをより潤滑なものにしていく。
「ん……」
口に溜まって混じり合った、俺と姉さんの唾液を、俺は飲み下す。さっき食べた、ミックスピザの味がしたのが、妙に生々しく感じられる。
舌による蹂躙はまだ続く。
口の裏側を刺激したかと思うと、今度は、舌の裏側の根本にある、柔らかい部分を突いてくる。
舌の根本に穴をこじ開けるような執拗な責めに、俺は後頭部が、じーんと痺れてくるのが感じられた。
まるで、口の神経が頭と直結していて、口を通じて直接、頭の快感を感じる部分を刺激されているかのようだった。
口を塞がれたままに、俺の鼻息が荒いものになっていくのが感じられる。
それは、欲望にまみれた男のものとは違った、小さく、可愛らしいもので、いつもの姉さんの態度からは想像できないぐらいに、儚(はかな)げに思えた。
口の中を刺激されているだけなのに、頭全体が痺れるような感覚に、俺の頭は自然と震えていた。
俺の後頭部へと廻っていた姉さんの腕がそれを察したのか、ちゅぱっ、という音を立てて、姉さんの唇が離れていった。
別れを惜しむかのように、俺と姉さんの唇の間に、つぅっ、と唾液の糸が伸びて、切れると同時に俺のあごへと垂れ落ちて、なま暖かい感触を残していく。
「どう? キスだけでも、結構感じるでしょ?」
「う、うん……」
「男はどうか知らないけれど、女にとって、キスって特別なものなのよ。単なる前戯じゃなくって、それだけでも完結した性行為……って言うよりも、愛情表現なのよ」
「そ、そういうものなんだ」
姉さんの言葉を、身をもって体験した俺は、納得したように呟いた。
「それにね。キスは唇にするだけじゃないのよ」
言うなり、姉さんが再び俺の顔へと近づいてくる。
今度は、唇ではなく、俺の首筋へと、なま暖かい吐息と共に、唇が触れてくるのが感じられる。
触れた唇が、首の血管に沿うように、つぅぃっ、と降りていく。
触れていく部分に唾液のなま暖かさを残しつつ、鎖骨まで来た所で、再び上へと移動し、今度はうなじへと吐息を吹きかけてきて、耳たぶへとたどり着く。
「ひゃうっん!」
いきなり声を上げたのは、唇ではむはむと耳たぶが噛まれていたかと思ったら、いきなり、ねっとりとした舌先が、耳の穴へと入ってきたからだった。
「あ……姉さん、そんなのって……」
俺の頭には、姉さんの耳の穴へと、唾液に濡れる舌を挿入する「俺」の姿が浮かんだ。
……耳の穴が、舌で犯されている。
本来ならば、重なり合うことのないもの同士が触れあう感触は、さっきの口内への愛撫以上に、俺の後頭部へと、ずきずきとした疼きを与えてくる。
さっきのキスで荒くなっていた呼吸が、さらに激しくなる。
すぼまった舌が耳の奥まで入り込んでくるような感覚が湧き起こるかと思うと、今度は耳の形をなぞるようにして、舌と唇が、俺の耳たぶをなぞってくる。
後頭部に感じていた疼きが、うなじを通じて、背中へと流れ落ちていくのが感じられる。
ぞわり、と背中が疼き、そして自然に小さな震えを起こす。
俺の変化を鋭く察したのか、いきなり、姉さんの指先が、俺の背中をなぞり上げた。
「あはぁ……」
自分でも驚くぐらいの、艶やかな溜息が口から溢れ出て、頭中に響き渡る。
「どう? 女の体は、男と違って、全身が性感帯なのよ」
……全身が性感帯。
そんな姉さんの言葉を聞いて、俺は一日の体験を思い出し、半ば納得したものの、男の体に慣れきっている俺には、まだ半信半疑だった。
「そ、そんなものなの」
「そうよ。これから、嫌って言うぐらい、それを教えてあげる。もちろん、嫌って言っても許してあげないけどね」
俺の正面に移動してきた「俺」の顔は、獲物を完全に手中に収めた肉食動物のような、これからどうやって、なぶってやろうかと言う、征服欲に満ちた男の表情をしていた。
俺の上体を持ち上げていた手が下ろされて、背中がベッドへと当てられる。
同時に、それまで下へと向かっていた肩と胸元に伝わってくる乳房の重みと柔らかさが、胸元一杯に広がるのが感じられた。
視線を胸元へとやると、仰向けになったことで、少しは左右に広がっているものの、高さと張りを残したままの、姉さんの形の良い乳房が見て取れた。
上を向いた乳房の先端で張り出している乳首の一方へと、「俺」の口が近づいてきて、温もりのこもった唇が重ねられる。
「あんっ……」
さっきまでの、口や耳元、うなじを中心とした刺激とは違う、見せつけるような性感帯への刺激に、俺は軽い悲鳴の混じった喘ぎ声を上げる。
細く閉じられた姉さんの唇が、尖った俺の乳首を、ついばむように、つん、つん、と突いてくる。
その度に、ピンク色の乳首に唾液が塗(まぶ)され、部屋の明かりに照らされて輝き、その形をより鮮明に映し出す。
それが数回繰り返された所で、触れた唇は離れることなく、乳首を含んだままとなった。
しこった乳首の根本をこじるように、唇が擦れてくる。
口に含まれて見ることは出来ないけれど、俺の乳首へが充血するように、固く、大きく、尖っていくのが、感じられる。
見えない分だけ、乳首からの感覚が余計に敏感に感じられる。
乳房の先端で、ちん○んが勃起しているかのようだった。
「あふぅんっ!」
いきなり声を上げてしまったのは、乳首が甘噛みされたからだった。
つるりとした前歯の感触が、乳首の根本に軽く刺さってくるのが感じられる。
尖って敏感になっている部分が、さらに強調された形になる。
「あはぁっ、あっ……それっ、良いっ」
前歯で根本を押さえつけられて突き出す格好になった乳首の先端を、柔らかく、そしていやらしい舌が舐め回してくる。
ぐりぐりとこじる様は、乳首に穴を開けるかのようだった。
「あぁっ……舌が……入ってくる」
思わず俺は、乳首が乳腺の中へと入ってくるんじゃないかって言う錯覚に捕らわれた。
胸元を見ると、右の乳首がいじられる一方で、置き去りになっている左の乳首が、自らも弄って欲しいというように、ピンと尖っているのが見て取れた。
姉さんの口に含まれている方の乳首も、そうなっているんだろうな、と思う。
そんな俺の視線に気付いたのか、小刻みに揺れる俺の体に合わせて、ふるふると震えていた左の乳房へと、「俺」の右手が伸びてきた。
姉さんの大きな乳房が邪魔して、手の動きを見ることは出来なくなった。
乳房の先にあるはずの「俺」の手が、いきなり乳房には触れず、その麓(ふもと)に当てられた手のひらが、上下に動きながら、ゆっくりと下乳へと近づいてくるのが感じられる。
下から持ち上げられる格好になり、俺の乳房が、上へ向けて伸びるかのような曲線美を生み出す。
その先端には、さらに強調された乳首があった。
乳房に当てられた手のひらは、骨董品の壺を磨くかのように、下乳から脇乳に掛けてを、丁寧に動いていった。
その度に、先端の乳首が左右に揺れて、空気に触れていく。すっかり敏感になった俺の乳首は、空気が触れてくることすらも、愛撫の一つと感じるようになっていた。
姉さんの触り方は、優しく、それでいて激しいものだった。
姉さんの彼氏に触られた時には、ずいぶんと感じる場所を押さえているものだと思ったけれど、今はそれ以上だった。
乳房を揉まれる度に、乳首を触られる度に、感度が鋭くなっていき、受ける快感も上昇を続けていく。
さすがは、この体の持ち主だけのことはあるな、と俺は思った。
「あはぁ……あぁん……んっ……」
乳房越しに肺を押されるように、俺の口から、切なげな、そして可愛らしい溜息が漏れていく。
……俺の頭に響き渡る、姉さんが出す、感じている声。
そう思うと、俺の股間が、ジュン、と熱くなってくるのが感じられた。
薄く目を閉じて乳首を含んできた「俺」の視線が、俺へと向かってきた。
乳首を含んでいた唇が、いきなり離れる。
「あ……」
それまで、絶えず上昇を続けていた乳首からの快感が、終わってしまうことに、俺は思わず声を上げてしまった。
だが、唾液に濡れた乳首は、空気に触れて、舌とは違った、ひんやりとした刺激が伝わってきて、快感が止むことは無かった。
乳首から口を離して俺を見つめてきた姉さんは、
「わたしって、気持ち良い時って、こういう顔をしているのね」
興味津々と言った顔つきで言ってきた。
「こういう顔って、どんな顔?」
「うふふ、すごくエッチな顔。見ているだけで、興奮してくるわ」
姉さんのエッチな顔……
見てみたいな、と俺は思った。
普段は陽気な表情ばかり見せている姉さんが、気持良くなっている時はどんな顔をしているのか、これまでに何度も想像してはオナニーをしてきたのだった。
俺が見たいと思ってきた姉さんの表情を、今は俺自身が作り出しているのだ。
「俺も、見てみたいな。姉さんの……エッチな顔」
恐る恐る言う俺に対して、
「だーめ、見せてあげない。
でも、ま、体が元に戻ったら、今回のお礼に、見せてあげてもいいけどね」
「それって……」
姉さんの言葉に、俺の期待が膨らむ。
「それって、体が元に戻ったら、セックスさせてくれるって言うこと?」
「まあね。わたしもあなたの体になって、男の欲望の強さってものが分かったから、特別にオッケーしてあげるわ。
でも今は、女として、あなたをもっともっと気持良くさせてあげるわよ」
言うなり、「俺」の顔が、乳房の向こう側へと向かった。
「ああ、そんな場所」
腹をなぞっていた舌先が、俺のへそをほじってきた。
男の時には何とも感じなかった場所だけれど、体中が敏感になっている俺にとっては、未知の性感帯を知らされているような感じだった。
柔らかい女性の肌に張り付いてくる舌先は、さらに下へと降りていき、敏感になっている股間へと、荒く、そして熱い吐息が掛かってくるのが感じられる。
さらに割れ目の上の方へと、無骨な指先が左右から押し当てられ、そして左右へと引っ張られる。
釣られるように、充血して、勃起したクリトリスが、空気にさらけ出されて、風の愛撫を受ける。
同時に、割れ目が左右へと開き、その中に溜まっていた淫蜜が、とろりと流れ落ち、肛門へと伝っていくのが感じられる。
胸元の大きな乳房に邪魔されて、見ることは出来ないが、クリトリスへ向けて、熱い吐息と共に、粘膜にまみれた触手のようなものが近づいてくるのが感じられる。
「あはっ!」
尖ったクリトリスの先端へと、なま暖かい舌先が触れると同時に、全身に快感のパルスが流れ渡る。
クリトリスが生み出す快感は静電気のように、俺の全身を、ぴくんっ、と跳ね上げた。
ねっとりとした舌先がクリトリスに触れ続け、そして上下左右へと転がしていく。
「ああんっ、あっ、あはぁ、クリトリス、気持ち良いっ!」
その快感は、ちん○んが雁首の先端から陰茎の根本までで感じる快感を重ね合わせた以上のものだった。
ちん○んを上回る快感が、小指の先ほどの大きさもないクリトリスから生み出され、そして全身にばらまかれていく。
舌がまとわりついていた突起へと、さらに指先が触れてきた。
何をするのかと思ったら、突起の根本を覆う包皮の部分を、親指と人差し指でつまみ上げて、上下に擦ってきたのだった。
「な、何、これ……こんなのって……」
いわば、クリトリスへの手コキだった。
舌先と指先による、同時二点責めに寄って、俺の快感は二倍以上に高まっていく。
包皮を弄っていた指先が、ふいに離れたかと思うと、今度は、ぽってりとした唇が、俺のクリトリスへと口づけをしてきた。
クリトリス全体へと、熱い吐息が吹きかけられる。
唇が、クリトリスを包み込む。
そして、
「あはっ! はぅぁっ!」
クリトリスが、いきなり吸引させられた。
口の中が真空状態になり、充血して膨らんでいたクリトリスが、さらに膨らみ、そして感度が増したかのような状況になる。
引き絞られるかのように、クリトリスが吸われた所で、ちゅぱっ、と音を立てて、唇が股間から離れた。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
男の性器にでは味わうことの出来ない感覚に、俺は荒い息を漏らすのが精一杯だった。
だが、姉さんは意地悪く、再び唇を当ててきた。
「ああ、そんなこと……」
今度は軽く吸い上げたかと思うと、キスを止めるようにして、唇を股間から離す。同時に、ちゅぱっ、といやらしい音を残していく。
それが数回繰り返された所で、俺は割れ目の部分が、ヒクヒクと蠢くのが感じられた。
入れて欲しい、と思った。
クリトリスばかりが刺激されている中で、女の本来の受け口であるべき場所へは、何も刺激が無いことに、俺はいらだちすら覚えていた。
そんな俺を見透かしたかのように、というか、元々の体の持ち主である姉さんは、そうなるのを待っていたかのように、指先を割れ目へと当ててきた。
尖った爪先と、柔らかい指の腹が、割れ目へとあてがわれたかと思うと、ずぶずぶと無遠慮に中へと入ってくるのが感じられた。
「あ……入ってくる」
人差し指一本だけのはずなのに、男の太い指によって、膣が一杯に広げられるかのような感じだった。
入ってきた指先は、中の感触を確かめるかのように、軽く指先を曲げたまま、ぐるりと180度回転した。
上を向いた指の腹が、探るように、俺の膣内を動いていく。
「あ……あ……あはぁ!」
指先の動きに合わせて溜息を漏らしていた俺は、膣内の一点が刺激されると同時に、溜息から絶叫へと一転してその声を変えた。
指先によって押されている部分は、他の膣内とは違っていた。そこになにかがあり、それが内側から押されて、クリトリスへと向かってくるのだった。
「ずいぶんと驚いているみたいね。これが、Gスポットって言うのよ」
姉さんの言葉に、俺はときめきに近いものを覚えた。
ポルノ小説とかで、女の体にはそういうものがあることは知っていたが、まさかそれを、自分の身をもって体験するとは思わなかった。
女の体だけが持つ場所への刺激は、なおも続く。
Gスポットへの刺激は、男で言えば、射精寸前に近い感覚が続くような感じだった。
そうやって、体の内側からは、無骨な指先で、女性にしかないGスポットをこね回される一方で、体の外側からは、柔らかくねっとりとした舌で、女性のちん○んとでも言うべきクリトリスを責め立てられ、そして。
股間にある全ての快感神経が、姉さんの舌と指に支配されているかのようだった。
股間からわき上がる快感が、全身へと周り、敏感になっている全身の性感帯を刺激し、再び股間へと戻ってくる。
そんな快感のフィードバックが何度も繰り返された所で、
「ああ、何か……来るぅ! おかしくなっちゃうっ」
これまでに感じてきた快感とは違った、大きな波のようなものが股間から全身へと溢れ出ていく。
それを受ける全身のあらゆる性感帯も、ますます感度が高まっていった。
「それが女のイクってやつよ」
「イク?」
ふと俺は、男の絶頂を思い浮かべた。だが、今俺が感じているのとは、男のそれとは正反対のものだった。男の絶頂寸前は、ちん○んに精液が集まって、爆発しそうになるのに対して、女のそれは、快感に詰まった全身が爆発しそうになるのだった。
「ああ、もっと……そんな、駄目……狂っちゃう」
体が自分のものでなくなり、外から与えられる快感の受け皿になったような感覚に、俺は戸惑いつつ、その流れに身を任せた。
「あ……あ……あはぁぁぁっっっ!」
全身を竜巻のような快感が奔流していく。
そして体中に散らばったそれらの快感は、だんだんと体の上へと移動していき、そして頭へと集まってきた。
「あはぁっ……」
一瞬、頭の中が真っ白に爆発したかのような気がした。
頭の中で射精が起こった、そんな感じだった。
「はあ、はあ、はあ……」
フルマラソンを終えたかのように、俺の口から荒い息が漏れていく。
マラソンと違うのは、体中に残るのが、疲労感ではなく、快感であることだった。
体中を熱くする快感は、まだまだ俺の全身にくすぶっていた。
快感の余韻は、ピークの時は過ぎたけれど、まだ絶頂寸前に感じていた快感の強さに近いものがあった。
息を荒げて呼吸を整えようとする俺の顔を見て、
「イッた後のわたしの顔って、すごく色っぽいのね」
俺とは正反対に、余裕を浮かべた表情で、「俺」が言ってきた。
「ねえ。自分で自分の乳首、舐めてみてよ」
喫茶店で追加オーダーでもするかのように、軽い口調で、そう付け加えてくる。
「ち、乳首を……自分で?」
姉さんの言葉を反芻してから、俺は自分自身の乳首を舐める姉さんの姿を思い浮かべて興奮し、同時に、さっき乳首を舐められた時に感じた快感が脳裏をよぎる。
「そう。今の色っぽい顔で、乳首なんて舐めたら、もっといやらしくなるわよ」
「そ、それじゃあ……」
姉さんの言葉に逆らう気は無かったし、俺もそうしたいと思った。
絶頂に、だらりとなっていた両腕に力を入れて、右の乳房の下へと手のひらを添える。
くいっ、と乳房を手前に引くと、手のひらに弾力が掛かると同時に、目の前へと乳房が近づいてきた。
俺は、AVでたまに見かける、乳房アップの光景を思い出した。
これ以上、持ち上がらないとなったところで、俺は頭を持ち上げて、舌を伸ばす。
「んっ!」
舌先に、尖った乳首が触れると同時に、全身をさっきの絶頂の余韻が蘇る。
視界のちょうど見えるか見えないかという位置で、舌が動いて、乳輪の中心で突き出ている乳首を舐めているのが、かろうじて見える。
さすがに口に含むことは出来ず、舌先で乳首の先端を舐めるだけだけれど、自分で自分の性器を舐めるなんて、男には出来ないことをしているんだと思うと、興奮と快感が、ますます高まっていく。
「自分がそんなエッチな姿を見ていると、なんだか興奮してくるわね。エッチな自分を犯すって、なんだか刺激的ね」
姉さんの言葉に、俺は今の姿――姉さんとして、自分の乳首を舐めている姿を想像する。
快楽を求めるためだけに、自らの乳房を持ち上げて口元まで近づけ、水にありついた喉の渇いた犬のように、ぺろぺろと乳首を舐める姉さん。
それを強調するかのように、乳首へと、ねっとりとした唾液が垂れ墜ちて、乳房へと、まとわりついてくるのが感じられる。
「ああ。そんな姿を見ていたら、なんだか興奮してきちゃった」
姉さんは、「俺」のちん○んを擦りながら、上擦った声で言ってくる。
指先がかすめる鈴口からは、先走りの汁が溢れだし、亀頭の先端を濡らしている。
「また、やりたくなっちゃった。
ああ、男の体って、本当に欲望に正直なのね。
わたしの彼が、何度もヤリたがるのが分かる気がするわ」
言いつつも、擦れる音が聞こえてくるぐらいに、姉さんはちん○んを自ら擦り上げている。
「ねえ、入れても良いでしょ?」
言葉こそ質問調だが、その響きは、有無を言わせないものがあった。
俺は、言葉では答えずに、両足を広げて、体で答えた。
広げた両足の間へと、「俺」が入り込んでくる。
濡れて、尻の穴まで粘液を垂らしている割れ目へと、亀頭の先端が押し当てられる。
「あふぅっ!」
いきなり根本まで、ちん○んが挿入され、俺は突き押されたような声を上げる。
入ってきたちん○んは、水を得た魚のように、俺の中を前後に勢い良く動き回る。
「あはぁ、ああんっ、あはっ。すごっ……奥まで、入ってくるぅ」
全身が揺さぶられるような、女ならではの快感に、俺は喘ぎ声を上げる。
「ああ、良いわ。
自分を喘がせているって、不思議な気持ちね。自分自身に対する優越感って言えばいいのかしら」
一方の姉さんは、元々の性格からか、それとも男の体になっているためか、俺にちん○んを出し入れしながら、見下ろしつつ言ってくるのだった。
「あ、ああぁ、あぁん……またっ、イッちゃいそうっ」
さっき初めて感じた、女としての絶頂の予兆が、俺の全身を襲う。
「わ、わたしも、もう出ちゃうっ」
「あぁ……出して、出してっ」
膣の中で精液を出されることで、またさっきの絶頂が感じられるように思えた俺は、ねだるようにそう叫んでいた。
「出すわよ、出すわよっ!」
姉さんがそう叫ぶなり、腰が、ぐいっ、と押しつけられた。
俺の奥まで入ってきたちん○んが、体の中で、びくんっ、と大きく跳ねる。
膣内が広げられるんじゃないかと思った所へ、いきなり熱いものが流し込まれてきた。
「あはぁぁっっっーーーっ!」
体の中へ注入されたはずなのに、俺の全身へと、ねっとりとした精液がまとわりついてくるような感じが広がる。
まとわりついた精液は、一瞬にして蒸発し、快感を全身に浴びせかけられたかのようになる。
俺は、またしても、女としての絶頂を味わったのだった。
「はあぁ、はぁ、はぁ……」
呼吸をする度に、胸元で乳房が上下に動き、震えるのが見て取れる。
胸の谷間の先には、射精を終えて、すっきりとした顔をした「俺」が見える。
その下では、まだ出し足りない、もっと女の中を貪りたい、と訴えるかのように、ちん○んが俺の中で勃起したままになっているのが感じられる。
「だいぶ満足したみたいね。でも、わたしは、まだまだこれからよ」
言うなり、「俺」の腕が伸びてきて、俺の両肩を掴む。
力が入らない上に、軽い女の体になっている俺は、全身がぐるりと回転させられるのを、受け入れるしかなかった。
ジェットコースターにでも乗っているかのように視界が180度変わるのと合わせて、俺の膣へと入り込んでいるちん○んが、同じように回転して、愛液と精液で、ぐじゅぐじゅになっている中を、つるりと回るのが感じられる。
「あは……」
俯せになって、胸が圧迫されて、俺は甘く切ない溜息をもらす。
力の抜けた俺の体を、マネキン人形を扱うかのようにして、姉さんは尻の両脇を掴み、ちん○んを挿入したままに、俺の腰を持ち上げる。
俺は、今朝と同じように、後ろから挿入される形になった。
朝は鏡に向かって立っての格好だったけれど、今はベッドに寝そべって、腰を持ち上げている状況なので、朝以上に、ぴったりと俺の中へとちん○んが入ってくるのが感じられる。
そのフィット感は、さすがに動物が自然にする体位だけのことはあるな、と思えた。
腰を密着させたままに、姉さんが背後から、声を掛けてくる。
「ふうん。サイズがちょうど良いわね。姉弟ってことで、同じようなサイズになるのかしら」
そういうものなのか、と思いつつ、確かに姉さんの彼氏に比べればサイズは小さいものの、俺の膣から子宮口にかけて、ぴったりと収まっている感じは、姉さんの彼氏以上に思えた。
「それじゃあ、いくわよ」
言うなり腰が引かれ、股間の中央が真空になったような感じが湧き起こり、続けざまに真空を埋めるように、ちん○んが、みっしりと入り込んでくる。
「あふぅ」
すっかり敏感になっている俺の体が、後ろから揺さぶられる。
胸元では、ベッドに押しつけられている乳房がたぷたぷと転がり、その中央にある乳首が、シーツと乳房に挟まれて、指先や舌とはまったく違った刺激を与えてくる。
後ろから挿入される度に、乳房が押されて、そして転がされるのは、前と後ろから、同時に愛撫されているかのようだった。
「あはっ!」
鋭い悲鳴が俺の口から漏れたのは、ちん○んの挿入とはまるっきり違う、クリトリスへの刺激が伝わってきたからだった。
体を押し広げようとするちん○んの刺激が来るのと同時に、まるっきり違う、快感のスイッチを押されるかのような、刺激が全身を襲う。
背後から、男の荒い息づかいが聞こえてくる。
膣の中にぴったりと入っているちん○んと合わせて、俺はバックで男から犯されているんだ、という思いが高まっていく。
「すごいわ。自分自身を犯すのって、なんだか興奮しちゃう」
姉さんが、そう言ってくる。
してみると、俺は「俺」に犯されているのだ。
俺は、俺が姉さんを犯している場面を想像した。そこでは、姉さんが甘い喘ぎ声を上げていた。
「ああ、良いっ」
思い浮かべたのと同じ言葉を、俺は口にしてみた。
それに共鳴するかのように、俺の中に入っているちん○んが、ぴくりと反応する。
そんな姉さんの淫らな声をさらに耳にしようと、俺は口を開く。
「ああ、わたしのおま○こに、義貴の大きなおちん○んが入ってきている」
まるで、沙織姉さんに対して、望むままに淫らな言葉を口にさせているかのような、男としての興奮が湧き起こる。
そして同時に、女の体としての反応が、声を通じて増幅されるように思えてくる。
言葉の通りに、ちん○んが入り込んでいるおま○こが、より一層敏感に感じるようになったのだった。
俺の声に興奮したのか、股間へのピストン運動はさらに激しくなっていく。
体中の神経が、股間へと集まったようになる。
「あはっ、あはっ、ああん……こんなのって……変になっちゃう」
もはや、俺は一回股間を突かれる度に、頭の中が真っ白になり、絶頂を感じるようになっていた。
「あはっ、あぁっ」
亀頭が子宮口へ当たる度に、全身が大きく揺さぶられ、目の前の光景がゆがむ。
その揺れは、だんだんと大きなものになっていった。
体が揺れているのではなく、辺り一面が揺れているかのようだった。
「すごいわよ。すごく、いやらしいわ」
うなじにかかる姉さんの吐息ですら、男の時にちん○んをいじった時よりも、敏感に、強烈に感じられた。
「あはっ、あぁっ、イク、イク、イクぅ!」
貪欲な俺のおま○こは、挿入の時だけでなく、ちん○んが抜け出て、雁首が膣襞を擦り上げる刺激すらも、絶頂へと作り替えていくようになっていた。
もはや、絶頂に達している時の方が長くなってきた。
ちん○んが、俺の中に入っているってだけで、絶頂として感じられる。
絶頂の連続。イキっ放しって奴だ。
男には、あり得ない経験に、俺は、体が、心が、耐えきれなくなってきた。
もう、限界寸前、オーバーヒートを起こしそうになる。
そこに追い打ちを掛けるように、
「また、出すわよっ」
「ぁあっ、今、出されたら……」
しかし俺を犯してくる男の欲望は止まらない。
腰が密着してくると同時に、ちん○んに寄って俺の中にある子宮が、押し上げられる。
突き上げられ、広がった子宮口めがけて、熱い精液が侵り込んでくる。
「ああぁぁっ!!」
絶叫に近い喘ぎ声を聞きつつ、俺の頭は真っ白になっていき……
……そして
何もかも、
分からなく
なった……

夜明けになって目が覚めるかのように、俺は意識を取り戻した。
気を失った時には、後背位の姿勢で俯せになっていたはずなのに、今は仰向けになっていて、目を開けると天井が見える。
体は裸ではなく薄着のようなものをまとっていて、その上には布団が掛けられている。
仰向けになったままに、頭を動かして部屋を見渡すと、そこは見慣れているけれども、俺のではない部屋が見て取れた。
俺は上体を起こした。
胸元に、それまで押すように圧迫していたものが、下へと重心が移り、そして肩と胸元が引っ張られるのが感じられる。
見慣れたタンスを開けて、その中にある鏡を見て、そこに立ち、俺を見つめている人――まだ若い、妙齢の女性の呼び名を、俺は口にした。
「か、義母さん……」

「あさあね」終り。「あさはは」に続く。




「あとがき」
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
この作品、元々は、朝起きたら幼い妹になってたという18禁同人ゲーム「あさろり」をプレイして、私だったら、朝起きたら姉になっていた「あさあね」にしたのになあ、と思って書いたものです。こういう作品を書いてみたいと言うのは、「あさろり」が発売された2004年の8月から思い続けていたのですが、実際に着手したのは、その翌年の8月からで、毎日100行ぐらいずつ書いていく、という方針に基づいてでした。
姉の性格については、私の他作品と同様、快活な女性、ということになりましたが、おとなしめの姉も追加して、ストーリーを分岐させれば良かったかな、とも思います。それに、弟の義貴になった沙織姉さん視点で、「あさおと」も書いてみたいな、と思っています。ただそうなると、また3000行ぐらいの作品になってしまうので、私が「あさろり」に影響されて「あさあね」を書いたのと同様に、どなかたこれを読んでいる読者の方にでも書いてもらいたいものです。

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この作品は、
「月華のTSF工房」http://www.geocities.jp/gekka3/gekka.html
に掲載されたものです。