『小学校裏サイト・ログ12』

作:月華



まさと>最近は大勢で遊んでいるから、たまには二人で楽しもうぜ
ともや>いいね、何か当てはあるの?
まさと>俺の家の近くにさ、双子の女子大生が住んでいるんだ。その二人に憑依しようぜ
ともや>それで、二人で楽しもうって言ってきたんだね
まさと>まあな(笑) 双子でレズって興奮するだろ?
ともや>まあね(笑)
まさと>今度の土曜日、俺の家に来てくれよ。時間は朝の内が良いかな。あの二人、午後になると外出するみたいだから
ともや>分かった。それじゃあ、9時前にはそっちに行くから


朝食を済ませた智也は、身支度をしてから、政人の家へと向かった。
チャイムを押し、玄関で政人の出迎えを受けてから、彼の部屋へと入る。
「これ、お前の分の幽体離脱薬」
智也は、見慣れた幽体離脱薬の入った小瓶を受け取った。
「それじゃあ、俺について来てくれよ」
「分かった」
言うなり二人は、呼吸を合わせるように、同時に小瓶に入った薬を飲み干した。
重力が消え、体が浮かび上がる感じがするのと同時に、視線が上へと昇っていく。
すぐ近くには、姿は見えないが、幽体離脱をしている政人がいる気配がする。
(じゃあ、行くぜ)
政人の気配が窓を抜けて空へと飛び立っていくのに従って、智也も窓の外へと出た。
しばらく宙を飛んでいると、前方に感じる智也の気配が、一軒家へと向かっていった。
その気配が向かった先にある、二階の窓を覗くと、薄いカーテンの向こうで、ショートカットの女の子が、ベッドに座って漫画を読んでいるのが目に入った。
(それじゃあ、俺は彼女に憑依するから、お前は隣の部屋にいる子に憑依してくれよ。それで、こっちの部屋に来てくれ)
分かった、と智也が頷くと、それを察したのか、政人は窓とカーテンを通り抜け、彼女がいる部屋へと入っていった。
それを見届けた智也は、隣の部屋へと向かった。
幽体離脱状態に慣れてきているため、窓から中を覗くこともせずに、いきなり部屋の中へと入った。
そこには、図書館で借りた本が並べられた机に向かって座り、課題のレポートらしきものをパソコンへ打ち込んでいる、ショートカットの女の子の姿があった。
着ている服こそ違うものの、その顔立ちや体のスタイルまで、さっき見かけた女の子と、そっくりだった。
智也は、彼女がキーボードを打つ手を休めたのを見計らって、背後から近づいて、その身体へと入り込んでいった。
智也の幽体と彼女の体が触れると同時に、まるで磁石に吸い寄せられるようにして、幽体が引っ張られるのが感じられる。
次の瞬間には、目の前にはパソコンの画面があり、ワープロソフトのカーソルが、入力待ちで点滅しているのが感じ取れた。
その手前には、キーボードに伸びる、女性ならではの、ほっそりとした指先が並んでいるのが見て取れる。
それと同時に、体が重力に引っ張られるのが感じられる。
立っている相手に憑依したりすると、いきなり伝わってくる重力のせいで、体のバランスを崩して倒れてしまうこともあったりするが、幸いと今回は椅子に座っていたため、そういうことはなかった。
智也は、二度、三度と瞬(まばた)きをしてから、伸ばしていた指先を見つめた。
見慣れた、手袋のような智也自身の子供っぽい手のひらに比べると、まるで指が引き延ばされたかのように感じられる。
智也は手のひらをこちらへ向けて、ぎゅっ、ぎゅっ、と手を握ったり開いたりして、指先が思う通りに動くのを確認する。
指先へと向けていた視線を、手前へとずらす。
眼下には、男にはない胸元の膨らみが見える。
Cカップぐらいか、と智也は思う。
それを確認するかのように、智也はブラウスの胸元に指をかけて引っ張り、中を覗き込んだ。
飾り気の無い、ピンクのブラジャーがちらりと見えた。
「おっと、早く政人の所に行かないと」
智也の口から、慌てたような甲高い女の子の声が漏れる。
智也は、椅子の肘当てに手を掛けて、体のバランスを取るように立ちあがった。
小学五年生の智也の体が、いきなり女子大生の体のサイズになってしまうのだから、いつも最初の時には歩き回るのに、ちょっとした苦労をするのだった。
壁に手を当てながら、智也はドアを開けて、隣の部屋へと向かった。
ドアには、ハートマークをした板が掛けられていて、「亜美の部屋。ノックしてね」と書かれていた。
それに律儀に従い、智也は細い指の甲をドアに当てて、コンコン、と音を立てた。
がちゃり、とドアノブが動き、その中からは、さっきちらりと見かけた彼女が顔を現した。
カーテン越しに見た時には気が付かなかったが、体はストライプのパジャマに包まれていた。
「下の階には両親がいるみたいだから、気づかれないようにしろよ」
彼女は、女にしては乱暴な、聞き慣れた政人の口調で言ってきた。
うん、と答えてから、智也は部屋へと入り、ドアを閉めた。
「念のために、鍵も閉めてくれ」
言われた智也は、ノブについていた鍵を回した。
「そういえば、名前をまだ言ってなかったよな。俺は亜美、それでお前は由美。俺の方がお姉ちゃんってことになっているみたいだぜ。でもまあ、こんなにそっくりだと、姉も妹も無いだろうけどな」
亜美(政人)は、女の子には似つかわしくない、にやけた笑みを浮かべながら、自分の顔を撫で回した。
「そんなにそっくりなの?」
双子のそれぞれに憑依していると言われても、自分の姿を見ることは出来ないため、由美(智也)はそんなことを尋ねた。
「じゃあ、こっちに来てみろよ」
言われるままに、由美(智也)は、鏡の前へと引っ張られた。
由美(智也)の首筋へと、女の子の細い腕が巻き付き、顔が近づいたかと思うと、すべすべとした感触の頬が触れあう。
「な、そっくりだろ」
声と同時に、亜美(政人)の口元の動きが伝わってくるのを感じつつ、由美(智也)は鏡を見た。
「うわ、本当にそっくりだ」
鏡に映っているのは、まるで二枚の同じ写真を並べて貼り合わせたような、まるで同じ面立ちをした二人の顔だった。
つぶらな瞳、すらりとした鼻筋、綺麗に整った唇、さらにショートカットの髪型までもが揃えられていた。
うり二つ、とは、まさにこういう時に言うんだろうな、と由美(智也)は思った。
「どうだ。そっくりだろ」
自慢げに、亜美(政人)が笑みを浮かべる。
「うん、そうだね」
双子だけあって、声もよく似ていた。他人が聞くのと自分が聞くのでは、骨伝導の関係から、まるっきり同じ声にはならないが、自分とよく似た声音が、真横にいる女の子から聞こえてくるのは、不思議な感じだった。
「顔はそっくりってのは分かっているんだけれど、体もそっくりかどうか、さっそく調べてみようぜ」
亜美(政人)は、悪巧みを口にするような、にやけた笑みを浮かべながら言ってきた。
「体って……ああ、そういうことか」
由美(智也)が察するのと同時に、亜美(政人)はすでに服を脱ぎ始めていた。パジャマのボタンを外し、そのままの勢いでブラも外し、さらには子供さながらに、ズボンとパンツを同時に降ろした。
負けじと、由美(智也)も、ブラウスを脱ぎ捨てて、スカートを外し、手慣れた手つきで下着を外した。
全裸になった二人は、示し合わせたかのように、鏡の前に横並びになって、全身を鏡へと映した。
そこには、まるで人間そっくりに出来た精巧なマネキン人形が、2体並べられているかのようだった。
顔はさっき見た通りだが、乳房の大きさや形、ウエストのライン、さらには、陰部に生えるヘアの茂り具合までもが、まったく同じなのだった。
「うわぁ、本当にそっくりだね」
「まあな。一卵性双生児ってのは聞いてたけど、ここまで同じだとは思わなかったな」
そう言ったかと思うと、亜美(政人)の腕が首筋へと伸びてきて、手のひらが後頭部へと当たってくる。
横を向けられた由美(智也)の目の前には、鏡で見た自分そっくりの顔があり、口元には女性特有のぽってりとした唇の感触が伝わってくる。
横を向いたままの由美(智也)がちらりと鏡を見ると、その中では、顔形がそっくりな女の子同士が、唇を重ねているのが見えた。
それはまるで、鏡に向かって口づけをし、体を重ねている少女の姿のようにも見えた。

1月26日追加

貪り付くように絡みついてくる舌へと、自らの舌を巻き付け、由美(智也)は、双子の粘膜同士を密着させる。
見つめ合わせるように、首筋へと回された亜美(政人)の腕が動くのと同時に、もう一方の腕が背中へと回ってきて、頭だけでなく、全身を向かい合わせるようにさせる。
由美(智也)は向かい合ったまま、自分とそっくりな顔をした女の子を見つめたまま、キスを続ける。
触れあっているのは口元だけではない。その下では、二人の乳房が触れ合い、重なり合っているのだった。
意図した訳でもないのに、二人のそれぞれの乳首は、まるで結び目のように、相手の乳首とぶつかり合っていた。
これまでに、女性に憑依してレズプレイをしたことは何度もあるが、立って向かい合ったままキスをした状態で、こうも乳首がぴったりと擦れ合うことはなかった。
これも、体が寸分違わない双子ならではだな、と智也は思った。
同時に、自分自身とのレズプレイ、とも思えた。
背中へ回っていた亜美の指先が、つぅいと動き、由美(智也)の背筋を刺激してくる。
女性の敏感さならではの、ぞわりとした快感を感じつつ、由美(智也)もそれに合わせるように、目の前にいる亜美――自分自身の背筋を指先でなぞる。
背中で動いていた指先が、さらに下へと降りてきた。
ほっそりとした指先が、肉付きのよい臀(でん)部を、愛でるように撫で回してくる。
それに合わせて、智也も手を伸ばし、ふっくらとした尻の丸みを味わった。
その指先がさらに動き、腰骨をかすめたかと思うと、由美(智也)の秘部へと近づいてきたところで、様子をうかがうようにして、動きを止める。
そうか、と思った智也は、同じように指先を動かして、股間の近くへと移動していった。
そして、二人して同時に、自分とそっくりな体を持つ相手の股間へと、指を這わせたのだった。
まだ濡れてこそいなかったものの、熱くなり、ほころび始めていた部分へと、細い指先が触れると同時に、自分の体と、目の前にいる自分そっくりな体が、びくりと震えた。
どちらからともなく二人の指先が動いた。
そして、キスをし合い、体を重ね合わせたままで、その部分を見ることは出来ないにも係わらず、その指先は、お互いのクリトリスへと重なってきたのだった。
これも、自分とそっくりな体を相手にする双子ならではの行為だな、と智也は思った。
「ん……」
重なり合っていた二人の口元から溜息が漏れ、熱い吐息が混じり合う。
舌を絡め合いつつ、クリトリスを弄ると同時に弄られていると、まるで舌がクリトリスにでもなったかのような錯覚が起こってくる。
相手の人差し指が慎重な動きで、クリトリスを刺激してくる度に、ピリピリとした刺激を伴った快感が湧き起こってくる。
女の一番敏感な部分から湧き起こる刺激を感じつつ、目の前にいる亜美(政人)も同じ快感を味わっているのだろうかと思っていると、
「なあ、体、入れ替えてみないか?」
首筋に絡みつけていた腕をほどき、口元を唾液で濡らしながら、亜美(政人)が言ってきた。
やはり政人も同じようなことを考えていたのか、と思った智也は、こくりと頷いた。
「それじゃあいくぜ、1、2の3」
合図と同時に、智也は目の前にいる亜美の体へと飛び込んだ。
一瞬、五感が消えたかと思うと、再び目の前に、さっきまで見ていた顔が映し出される。
何も変わっていないかのように思えたが、周りに見える部屋の景色は変わっていた。左にあったはずの鏡が、今は右側にある。
いつもやるように、体を入れ替えた時に感じる、まるで世界が変わったように思える感じは微塵も無かった。
逆に言えば、それこそが、双子同士での体の入れ替えなのだな、と智也は思った。
変わっていないのは相手の様子だけでない。
相手の指先が触れてきたままだったクリトリスからは、さっきと寸分変わらない、ピリピリとした刺激を伴った快感が伝わってきた。
「お、やっぱり双子って感じ方も同じだな。昨日、二人に順番に憑依してオナニーしてみたけれど、今の方が、同じだってはっきりと分かるな」
「昨日も憑依したんだ……」
「まあな。下調べとか準備とか、色々とあるからな」
にやけた笑みを、由美(政人)は浮かべながら言ってきた。
体は入れ替わっているはずなのに、さっきと同じ人物を見ているようにしか思えなかった。
「それじゃあ、体を入れ替えたついでに、続きはベッドでしようぜ」
そう言って、重なり合っていた体を離して、ベッドへと向かおうとした由美(政人)は、途中でくるりと振り返った。
「そうだ。やっぱり、これを見ながらの方が興奮するもんな」
由美(政人)は、さっきまで見ていた、等身大のスタンド型鏡を両手で持ち上げ、ベッドの真横へと置いてから、自分はベッドへ仰向けになった。
「へへ、双子同士のシックスナインって良いだろ?」
言われた智也は、仰向けになっている由美(政人)の頭の両脇へと膝を降ろしてから、自分は由美の股間へと顔を埋めていく。
顔を近づけるのと同時に、ゆっくりと膝を広げつつ降ろしていった股間へと、由美の熱気と吐息が掛かってくるのが感じられる。
上下が反転した女性器が間近へと迫ってくる。
作っているパーツは同じだが、女性によって作りが違うものなのだな、と智也は改めて思う。
「智也、また体を入れ替えてみようぜ」
「え、どうして?」
「決まってるだろ。双子って、オマ○コも同じ形なのか、調べるためだよ」
「あ、うん」
「それじゃあ、いくぜ」
政人の合図と共に、智也は眼下の由美へと飛び込んだ。
体を反転させられたかのように、上下の感覚が逆になり、背中へとベッドのシーツが当たってくるのが感じられる。
それと同時に、さっきまで見ていたのと変わらぬ形をした女性器がアップで映し出される。
「へえ、さすが双子。オマ○コまでそっくりだぜ」
そう言って亜美(政人)は、庭先で見つけた虫でも触るかのように、今は仰向けになっている由美(智也)の性器を突いてくるのだった。
目の前に、女性器が近づいてくるのを見つつ、智也はちらりと横を見て、鏡へと視線を向けた。
そこには、柔らそうな体を重ね合わせて、シックスナインをする女性同士の姿が見えた。
縦長な鏡のため、自分の顔は見ることは出来ないが、体の上に覆い被さっている亜美の顔が、ちょうど鏡に映っていた。
その顔を見つめつつ、それと同じ顔を今の自分もしていて、亜美の股間を覗いているのか、と智也は思う。
そんなことを思っていると、股間へと生暖かいものが触れてきた。
「あふ……」
指先とは違う、敏感な部分を覆い、貼り付いてくるような感覚に、由美(智也)は声を上げる。
そして、頭を持ち上げて、目の前に晒されている割れ目へと、舌先を伸ばした。
縦の筋に沿って舌が動き、その先にある突起に触れた途端、亜美の体が、ぴくり、と震えたのが感じられた。
おかえしとばかりに、由美(智也)のクリトリスへと、舌先が伸びてくる。
まるで、さっき見た反応を再現するかのように、由美(智也)の体が、ぴくり、と跳ねあがった。
二人はそのまま、お互いの割れ目を、クリトリスを舐め合い続けた。
シックスナインをする時には――特に男女での場合は――口元と性器の位置が合わずに苦労することがあるが、今はそんなことはなかった。
口元のすぐ前に亜美の性器があり、そして由美(智也)の性器と重なるように柔らかい舌と唇が貼り合わさってくる。
これも、双子同士のシックスナインならではだな、と智也は思うのだった。
性器をさらけ出し合ったままに、二人は舌先で、指で、相手の性器を愛撫し続けた。
ピリピリとした刺激はますます強まっていくのと同時に、まるで、股間の部分へと、見えない穴が掘られていくかのような感じがしてくる。
それだけ、膣が内側まで敏感になってきているということだった。
そんな快感を味わいつつ、亜美(政人)も、これと同じ快感を味わっているのだな、と智也は思う。
相手が感じているのと同じ快感を、自分も味わう。
それはまるで、自分自身の性器を愛撫しているような感じだった。
鏡の中では、自分そっくりの顔をした女の子が、ショートカットの髪の毛を揺らしつつ、頭を動かして股間を愛撫してくるのが見て取れる。
それは同時に、自分自身の姿でもあった。
自分自身が、自分同士が、愛撫をし合う。
究極のオナニー、という言葉が智也の脳裏に浮かぶ。
相手は自分であり、自分は相手なのだ。
どこをどうすれば一番感じるかは、はっきりと分かる。
由美(智也)は、皮を被ったクリトリスを剥くように愛撫し続けた。
すると、鏡あわせにそれとまったく同じ愛撫が股間から伝わってきて、痺れるような刺激のする快感は、さらに高まっていく。
それに合わせて、見えない穴はさらに深く掘られていて、とうとう、最奥の部分――子宮にまで達していた。
指も舌も達しない部分が、甘く疼く。
刺激がされないと思うと、さらに刺激が欲しいと思ってしまう。
いつの間にか、ねだるかのように由美(智也)の腰は、くねくねと動いていた。
そして同時に、目の前にある亜美の腰も、同じように動いていた。
「チン○ンが欲しくなってきたんだろ?」
腰の先で、亜美の声が、そう言ってきた。
「言わなくたって分かるぜ。同じ体なんだからよ。俺だって、アソコにチン○ンが欲しくて堪らなくなってきてるんだ」
「う、うん……僕も」
白状をするかのように、智也は呟いた。
智也の答えを聞くのと同時に、亜美(政人)は体を持ち上げ、立ちあがったかと思うと、ベッドから降りて横にしゃがんで、ベッドの下へと手を伸ばした。
ごそごそと探るような動きをしてから、引き出された手には、肌色をした細長い二本の棒のようなものが握られていた。
それはよく見ると、レズもののアダルトビデオで見かける、両端がペニスの形をした、双頭ディルドだった。
しかも、二本のうちの一方には、中央からベルトのようなものが伸びており、どうやら、腰に巻いてペニスバンドの役割をするもののようだった。
「そんなもの……どうしたの?」
「さっき言ったろ。準備をしておいたって。通販で買っておいて、昨日の夜、憑依する前に、ここの家の庭に置いておいたんだ。それで、憑依してからこの部屋に持ってきて、ベッドの下に隠しておいたって訳さ。こんなものがベッドの下にあるのを知らないで、亜美さんは昨日の夜、ここで寝たんだぜ。興奮するだろ。
まあ、これを使って、俺たちはもっと興奮しようってことなんだけどな」
両手に二本の双頭ディルドを握りしめながら、その当人である亜美(政人)は、にやりと笑った。
「じゃあ、まずはこっちから行こうぜ」
そう言って差し出してきたのは、ベルトのついていない、棒状の方だった。
両端が雁首を表すように膨れあがり、表面は血管を表すように筋が浮かび上がっている様は、軟体動物のようにも見えた。
「この辺に座って、足を広げてくれよ」
亜美(政人)は、ベッドの真ん中辺り――鏡の正面――を指さしつつ、自分もベッドに座って、両足を広げてきた。
言われるままに、智也はベッドに座り両足を広げると、左右に引っ張られた拍子に、膣の中に溜まっていた愛液が、とろりと垂れ落ちて、尻穴を濡らすのが感じられた。
目の前には、性器を見せつけるように両足を広げて座っている亜美の姿が見える。
興奮のためか、全身は少し血色が良くなっていて、乳首も最初に見た時よりも大きくなっているようだった。
それは同時に、今の由美――智也の姿でもあった。
自分の眼下には、広げた両足と、乳房の先で尖っている乳首が見える。
そしてその先には、自分と同じ格好をした女の子の姿がある。
まさに、目の前にある大きな鏡でも見ているかのようだった。
ただ、鏡と違うのは、目の前にいる自分自身が、自分よりもにやけた笑みを浮かべて、手には双頭ディルドを持っていることだった。
そのディルドが股間の正面へと置かれ、先端は的を狙う矢のように、由美(智也)の股間へと向けられる。
その先端を右手で握っていた亜美と鏡合わせになることを意識したかのように、由美(智也)は、左手でその先端を握りしめた。
手のひらへと、ひんやりとしてすべすべとしたディルドの手触りが伝わってくる。ペニスのような熱気は感じられないものの、これと同じものを、目の前にいる自分自身も挿れるのだ、と思うと、セックスで挿入直前に感じる興奮とは違った気持ちが浮かんでくる。
智也と、目の前にいるもう一人の自分は、呼吸を合わせるように、腰を進めた。
濡れた割れ目へと、ディルドの先端が触れると同時に、目の前にいる自分自身の股間へと、先端部分が当たるのが見えた。
そのまま、ゆるゆると腰を進めていき、ずぶり、ずぶり、と自分の中へとペニスを飲み込みつつ、同時に目の前にいる自分自身がペニスを飲み込んでいくのを見つめる。
「んあぁ……」
空腹の中へご馳走が与えられたのを悦ぶかのように、ディルドを飲み込んだ膣が、歓声に満ちた快感を伝えてくる。
快感はますます高まり、まるで、中へと入り込んだディルドの先から、電気が流れてくるかのようだった。
「あはっ……」
口から、ディルドに押し出されたような声が漏れるが、それが自分の口なのか、それとも目の前にいるもう一人の自分の口なのか、分からなかった。
膨らんでいく快感の中で、理性は掻き乱されていき、もはやここにいる自分と目の前にいる自分の区別が付かなくなっていた。
目の前にいる自分こそ本当の自分で、今の自分は、鏡に映っている鏡像に過ぎないのだ、と言われたら、それを信じてしまうかもしれないほどに、二人の区別は曖昧になってきていた。
信じられるもの。自分を表すもの。それは、膣から伝わってくる快感だけだった。
ふいに、目の前にいる自分が身を乗り出してきて、自分の頭を両手で挟み、顔を近づけ、キスをしてきた。
それに合わせて、ディルドがより奥へと入ってきて、まるで体の一部になったように感じられる。
目の前の自分が、近づき、触れ合い、重なり合い、混じり合い、そして、一つになる。
そう思った途端、
股間から湧き上がった快感の衝撃波は、体を一気に駆け抜けていき、脳裏の中で激しい乱流の渦を巻く。
「んんーーーー!!!!!」
キスで口を塞がれたままに、由美(智也)は、体が弾け飛ぶような絶頂感に飲み込まれたのだった。

1月27日追加

「はぁ、はぁ、はぁ……」
まだ絶頂の余韻が残る中、素潜りを終えて水面に出てきたかのように、由美(智也)は、荒い呼吸をしていた。
それは、亜美(政人)の方も同じだった。
しかも、二人の股間には、双頭ディルドが入ったままだった。
射精することも萎えることもないそれは、その無機質な感触を、二人の中で主張し続けるのだった。
「絶頂のタイミングまで同じとは、さすが双子だな」
感心したような声で、亜美が呟いたかと思うと、腰を引いて、股間に刺さったままのディルドを抜き、手で掴んで、由美(智也)に刺さっている側も引き抜く。
股間には、一瞬、ぽかりとした穴が空き、そこから溜まっていた愛液が垂れ落ち、尻穴をくすぐっていく。
「それじゃあ今度は、こっちにするか」
そう言って亜美が手にしたのは、中央に腰に巻くためのベルトがついた、双頭ディルドだった。
さっきほどの大きさは無いが、それでも平均的な成人男性サイズはある。
膝立ちになった亜美は、その一方を両手で握り、自らの股間へと、双頭の一方を飲み込んでいく。
その様子は、単に女性がディルドを自らの体に挿れるのではなく、何かの儀式のように見えた。
女性がペニスを生やし、両性具有へと変わるための儀式に。
ん、という歓喜の混じった声を上げながら、亜美はディルドの半分を咥え込み、真ん中から伸びているベルトを腰へと巻いた。
そして、見せつけるように腰を突き出し、股間から生えた疑似ペニスを、由美(智也)へとさらけ出す。
膝立ちのまま智也へと近づいてきたかと思うと、尻を付いていた智也の腰を持ち上げ、くりると反転させ、俯せにさせる。
まるで、疑似ペニスが生えたことによって、役割も男になったかのような、リードの仕方だった。
されるがままになった由美(智也)は、両手に腰が当てられたのを悟り、合わせるように四つんばいになって腰を持ち上げる。
背後にいる亜美へとさらけ出されている股間へと、無機質なゴムの感触が伝わってきた。
肉で出来たペニスを挿入されるのとは違う、異物を挿れられる感じがする。
ペニスを受け入れるために四つんばいになりながら、ちらりと鏡を見ると、背後には、肉欲に飢えたような目つきをした亜美の顔が見えた。
腰にはペニスを生やし、獲物を狙うハンターのように、目の前にある膣口へと照準を定めているようだった。
もはや、双子同士、という関係は崩れていた。
そこにあるのは、犯される女と、犯す女という新たな関係だった。
「いくぜ」
確認というよりも、宣言するかのように亜美が言ってきたかと思うと、股間へと、無機質なペニスが、ずぶずぶと入ってきた。
「あぁ……入ってくる……」
頭をのけぞらせながら、由美(智也)は呻く。
人肌の温もりもなければ、血液の脈動も無いディルドが入ってくる感覚は、まるで機械を入れられているかのようだった。
だが、鏡を見ればそれは違うと分かる。
由美(智也)の背後からペニスを突き刺し犯しているのは、双子の亜美なのだ。
ペニスが奥へと入り込むと同時に、ずしん、と言った振動が全身を揺さぶる。
子宮口へと、亀頭の先端が当たったのだった。
男とは違う、ペニスを受け入れる女の側にいるのだ、と実感させられる瞬間だった。
奥へとたどり着いたことを察したのか、亜美の腰が、ゆっくりと引かれていった。
本物のペニスと違って、どこまで入ったかを察することは出来ないはずだが、これも同じ感覚を持つ双子ならではだろうか、と智也は思う。
ペニスが抜け出ていくのと同時に、えらばった雁首が膣襞を擦り下ろし、愛液を掻き出していく。
そして、膨らんだ雁首が膣口を広げたところで、再び中へと入ってくる。
「んあぁん!」
由美(智也)の口から、溜息が漏れる。大声を上げて喘ぎたいところだが、下の階には両親がいるので、堪えながらの嬌声だった。
背後からの突き上げは、だんだんと激しさを増していった。
ピストン運動だけでなく、ぐるぐると腰を回してペニスを動かす、いわゆる「の」の字型の動きをしてきたりする。
「なあ、また、体を交代しないか?」
じゅぷじゅぷと挿入をしている亜美(政人)が背後から言ってきた。
「あ、う、うん……良いよ」
「じゃあいくぞ、1、2の3」
合図と同時に、四つんばいになっていた智也は、立ちあがるように由美の体から抜け出して、そのまま背後にいる亜美の体へと入った。
視界が切り替わり、目の前にはすらりとした由美の背筋が見え、二人が繋がっている部分からは、双頭ディルドの一方が、自分の体に入り込んでいる感じが伝わってくる。
亜美(智也)は鏡を見ること無しに、眼下で背中や陰部をこちらへさらけ出している由美の姿から、今度は自分が犯す立場になったのだと感じた。
この双子姉妹に憑依してから感じることの無かった、男としての征服感、嗜虐感、支配感が湧き起こってくるのが感じられる。
目の前の彼女を、自分のペニスで犯したい、という欲望に突き動かされるままに、亜美(智也)は腰を突き立てた。
「んぁぁ」
その声は、犯されている由美からではなく、自分の口から漏れたのだった。
双頭ディルドを埋め込むのと同時に、その反動から、自分の体に埋め込まれている方の部分が、さらに奥へと入ってきて、子宮を突き上げてくるのだった。
犯しているはずなのに、自分自身が犯されている。
それは、これまでのプレイで何度も感じた、目の前にいる彼女と同じ感覚を味わっている、という思いだった。
しかしその一方で、ペニスを生やして女の体に埋め込んでいるのだ、という男としての意識も残っている。
そんな、男としての意識と女としての感覚の狭間で、智也は亜美の腰を動かし、由美を犯し続けた。
ペニスから伝わってくるはずの、男としての快感は感じられないが、ペニスを埋め込む度に、由美の背筋がくねり、喘ぎ声が漏れ、ショートカットの髪の毛が揺れる。
それと同時に、股間から生えたペニスが由美の子宮口へ当たると同時に、自分の子宮口へもペニスが当たってくる。
由美をさらに淫らにさせようと、腰をくねらせ回転させて掻き回すようにすると、バンドの部分を支点として、同じような回転が自分自身の中へも伝わってくる。
そうしているうちに、亜美(智也)は、自分自身を犯しているような気持ちになってきた。
そして同時に、自分自身に犯されているような気持ちにもなっていた。
ペニスを出し入れしているはずなのに、挿入の快感も無ければ、射精の予兆も感じられない。
感じられるのは、ペニスを挿れられ、掻き乱されている女性の快感ばかりだった。
そんな中で、亜美(智也)は腰を動かし続けた。
「ああ、イキ、そう……」
眼下で体をくねらせていた由美の声が聞こえた。
その声は、まるで双子同士の秘密の合図のように、亜美(智也)の体を高ぶらせた。
ゴムで出来ているはずのペニスが、膨れあがるような気がしてくる。
ずしん、ずしん、と子宮口が揺さぶられ、その揺れが勢いを増して、背筋を駆け上って、脳裏へとやってくる。
ピストン運動をしている股間だけでなく、体中が揺さぶられるような気持ちになってくる。
そして、まるで体が地面に叩きつけられるような勢いが襲ったかと思うと、
「イクぅぅぅぅぅ!!!」
絶頂を表す二人の声が入り交じった。
そのまま、がくりと由美の体が崩れ落ち、ペニスが抜け出す。
亜美(智也)の方も絶頂の余韻に耐えられないように、股間から勃起したままの疑似ペニスを生やしながら、ベッドへ尻餅をつく。
部屋の中で、呼吸を整えるような二人の荒い息の音が響く。
しばらくしてから、のろのろと由美(政人)が立ちあがった。
「どうだ、良かったか?」
快感がよほど強かったのか、けだるそうな顔つきで、尋ねてくる。
「うん、凄く良かったよ」
「そうか。じゃあ続きを、って言いたいところだけれど、そろそろ時間みたいだな」
由美(政人)は時計をちらりと見て、そう呟いた。
「それじゃあ、服を着て……」
そう言ったところで、由美(政人)は、あっ、という顔をした。
「どうかしたの?」
「いや、途中で何度か体を入れ替えたろ。だから、この体が亜美さんなのか、由美さんなのか分からないんだ」
「えーと、最初に一度入れ替わって、それから……」
二人して何とか思い出そうとするのだが、いつもの調子で興奮した中を、何度も体を入れ替わっているため、どうも定かではない。
普段であれば何度入れ替わってもこんなことは起きないのだが、これも、完全にそっくりな双子ならではのことだった。
「どうしよう……」
「こうなったら仕方がない。なまじ勘でいくよりも、このまま二人とも裸のままで、ベッドに残していこうぜ。ついでに、こいつも置いていく」
政人は、ベッドに置いていた双頭ディルドを指さした。
「そんなことして大丈夫かな」
「間違って着替えたりしているよりかは良いだろ。それに、これがきっかけで、二人に新しい趣味が出来るかもしれないしな」
「後に言ったことの方が、本当の目的なんじゃないの?」
「まあな」
そう言って政人は笑った。
「その方が、お前だって興奮するだろ」
「まあね」
答えて智也は笑い返した。
そう言い合ってから、裸のままに由美と亜美を置いて、二人は体から抜け出ていったのだった。

ログ12・完

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