『闇に潜む者』〜第一部終章 "回想"

作:月華

何人もの体に入り、それを上回る数の人間から精を集めながらも、彼の気は休まることはなかった。
「今度は、返り討ちにしてやる」
そう呟く者の脳裏には、百年以上前に彼を封印した者の容姿が浮かんだ。
集めた精から創り出した彼の肉体を、石へと変えた女。
長い黒髪と切れ長の瞳を持つ女。
「そのためにも、もっと精を集めねば」
その目的のために彼は、さらに多くの体に入り込み、さらに多くの精を集め、その能力を高めつつ、結界としての場所と、兵卒としての下僕を作り続けていくのだった。

第一部<完>

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この作品は、
「月華の本棚」http://www.geocities.co.jp/Bookend-Ohgai/8113/main.html
に掲載されたものです。